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◇ 「あかりも強くなったけど、うまるちゃんも最初会った頃より格段に成長してるわね」 観客席であかねは二人の戦いを真剣に見つめていた。 「あのうまるって子。なかなかね……」 隣に座るあおばも興味深く二人の戦いを眺めていた。特にうまるが気になる様子。 「あおば。あおいちゃんの試合は見に行かなくていいの。今頃京子ちゃんと戦ってるわよ」 「頃合いを見て行くわ。今はこの二人のファイトを見てみたいの。あおいが興味を持ったファイターだから……」 視線はまっすぐフィールドに向けたまま返す。 「あの、ところで……騒動を起こした犯人ってどうなったんです?」 二人の応援をしていたちなつがあおばに質問した。これにはあおばもちなつに瞳を向ける。 「今は部下が取り調べてるわ。本当なら、私が自ら取り調べたいんだけど……皆、あおいの戦いをしっかりと見てこいってしつこく言うから……」 「なはは、いい部下さん達じゃないっすか」 真依が朗らかに笑う。あおばは「そうね」と、苦笑しながら返すと視線を前方へ戻した。 「ところでちなつ先輩! 先輩はこの勝負どちらが勝つと思うっスか! 自分はあかり先輩ッス」 「うーん……あかりちゃんには勝ってほしいけど相手がうまるちゃんとだからなぁ……」
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