コピー
▼本文
ファイト終了後。アーシェはダブルオークアンタを手にシュミレーターから出てきていた。 その表情は浮かばれない。無理もない。勝てると思っていた相手にボロ負けしてしまったのだから……。 大きな溜め息を吐いて、反対側のシュミレーターを見る。 (強かったな。あの人……女の人よね。どこかで聞いたことのある声だったような……) アーシェが対戦相手がどんな人物かを想像していると、筐体からプシュッ、と音が聞こえてくる。 シュミレーターの扉が開いた音だ。その音がなったすぐに一人の少女が中から現れる。 「え……あ、あなたは!?」 出てきた人物を見て、アーシェは驚愕に目を見開いて口をパクパクさせた。 中から出てきたのは、腰まで伸びた夜色の髪を右側面で小さく一括りにし、頭頂部に小さな白いリボンが結われている。 清楚なお嬢様という表現が正しい風貌の少女がアーシェの顔を見てにこり、と笑った。 「ふふ、こんにちはだね。桜木さん」 「か、かか……かおるこ副会長!?」
スレッドへ
日間
週間
月間