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◇ 「俺の野望は呆気なく終わったもんだな……」 DG粒子から解放されたギムは救出されていた。今は壁に背もたれて気だるそうに座っている。 「自分が作った物に操られるなんて、変な物を作らないでくださいよ」 「……全くだ」 あかねに返す言葉がない。ギムでさえ、DG粒子に自我が芽生えていたのは知らなかったのだから。 「ギムさん」 あおばが名を呟く。ギムがゆっくりと顔をあげた。 「あなたが父がかつて話していた部下だったなんて、思いもよりませんでした……」 「俺の話を奴から聞いていたのか?」 あおばは首を縦に振った。 「父は言っていました。優秀な部下がいたと……」 「ふん。何が優秀な部下だ……俺のシステムを認めなかった癖に……」 「いいえ、父は認めていましたよ」 「嘘だ。なら何故俺を解雇したんだ!」 あおばが適当なことを言っていると思い、ギムが彼女に向けて怒鳴りつける。 が、あおばは微動だにせず話を続けた。 「時期が来たら、あなたを連れ戻すつもりだったんですよ」 「……なんだと」
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