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「あ、ありがとうございますっ!」 ちなつ。向日葵。千歳。綾乃の祝福にあかりは深々と頭を下げた。 その姿に皆が苦笑する。 「なんか、優勝者って感じがしないね……」 「まあ、あかりだからね。こういうのには慣れてないんだよ」 ユウキの言葉に結衣が肩を竦めた。 誰かの足音が聞こえる。結衣が後ろを振り向くと反対側にいたあおいがこちらに近づいていくのが見えた。 「あかり。あの子が来てるよ」 「……あおいちゃん」 結衣に言われあおいが近づいてきているのに気づいた。 あおいは、あかりの目の前で止まると口を開く。 「……優勝おめでとう」 「え、あ、うん……ありがとう」 「……楽しかった」 「え?」 あおいの一言にあかりは目を丸くした。 「楽しかった。あなたとのファイト……ありがとう」 あおいは微笑む。少し恥ずかしそうに顔を染めていた。 その表情の変化を見て、この短い期間で何があった? と一同は目を丸くするも、あかりだけは満面の笑顔で右手を差し出した。 「こちらこそだよ。あおいちゃんとのファイトすっごく楽しかった! またファイトやろうね!」 「……え?」 今度はあおいが目を丸くする。彼女はキョトンとした目のまま首を傾げた。 「……また私とファイトしてくれるの?」 「もちろんだよ。だってあかり達はもう友達でしょ」
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