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「早くしないと遅れるわよ。早くしなさーーーい!!!!」 二人に聞こえるように大きく叫ぶ。そのせいで行き交う同じ新入生達から注目を浴びていた。 「まだ時間はあるってのに………張り切ってんなぁ」 「まあ、余裕があった方がいいでしょ。私達も行こう」 「おう!」 綾乃達がいるところまで歩いていく。その途中一つ気がかりな事があり。結衣が口を開いた。 「そういえば、しっかりやってるかな新部長」 「気にする事じゃないと思うけどなぁ。あいつはしっかりしてるし皆もいる。それにわたしが選んだ部長だぜ。平気だって」 「そうだな」 胸を張って京子が言った。それを聞いたら結衣の不安も無くなっていた。 二人はこれ以上綾乃を待たせないように足を速めた。 ◇ 七森中ごらく部部室。 京子と結衣がいなくなったこの場所に変化が起こっていた。 「部長」 ちなつが新部長を呼ぶが反応しない。肝心の新部長は庭に咲き誇った桜を見て季節の訪れを感じている。 「部長っ!」 「わうっ!」 今度は強めに言うと漸く新部長は反応してくれた。 「な、何? ちなつちゃん?」 「お茶。淹れてきたらここに置くって言おうとしたのに返事しないんだもん……」 「あ、ごめん……」 「もう。しっかりしてよ。『あかり』ちゃん」
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