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眉根を歪めながらテーブルに人数分のお茶を置くちなつ。 新部長こと。あかりは苦笑いを浮かべていた。 そう。京子が選んだ新しい部長は彼女の事だった。 この一年で背は伸び。髪も腰くらいまでに長くなったがトレードマークのお団子はそのままである。 「正直まだ実感ないんだよね……あかりが部長って……」 「まあ、確かに……京子先輩が勝手に決めた事だからね。しかも唐突に……」 京子があかりを次の部長に任命したのは、卒業式が終わる頃だった。 そんなギリギリで言われたら戸惑うのが普通である。 「ま、気負う必要ないんじゃない。ここって別に何のルールもないんだからさ」 テーブルに片肘をついてお茶を啜るうまる。 あの事件ここへ頻繁に来るようになった。もう部員と言っても差し支えない。 彼女も一年前と比べると髪が伸びて少し大人っぽくなった。
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