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「もう、かおるこ先輩ったら……そんなんじゃないって言ってるじゃないですか……」 「でも、さっきのアーシェちゃん。あの子みたいな顔をしてたよ?」 「あの子?」 かおるこが前方を指差す。彼女達が歩く道の先に、制服を着たショートヘアーの少女が、髪の色と同じで顔が真っ青になって立ち尽くしていた。 「な、何ですか……あの子。あそこで何をしてるんでしょうか?」 「さあ……あの制服見滝原中の子だね。この辺に住んでるのかな?」 「……あうっ」 「「っ!?」」 突如青ざめた少女がその場に倒れてしまった。 二人の中に衝撃が走る。少女が倒れるのを見て、急いで彼女に駆け寄る。 「あ、あなた大丈夫っ!」 「あうううう……」 アーシェの呼び掛けにうめき声で返す。相当重症のようだ。隣にいるかおるこに視線を移した。 「先輩。救急車を呼んでもらえますか」 「大丈夫。もう連絡してあるから安心して」 かおるこは丁度通話を終えて耳元からスマホを離すところだった。 相変わらず手際が早い。連絡をしてから数分後。救急車がやって来た。少女は運ばれ、連絡をした二人も一緒に病院に着いていく。 ◇ 「いや、その……すんませんでした!」 病院の外で少女が深々と頭を下げる。診断の結果……彼女の身体は健康そのものだった。医者からその話を聞いて二人が安堵したのは記憶に新しい。 「よかったよ。病気とかじゃなくて……」 「理由が緊張しすぎて倒れたって……びっくりしたわ」 「……あはは」
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