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言葉を『選ぶ』か。 言葉に『選ばれる』のか。 その真意、そして自分が今【本当の強者】であるのか──。 答えが出される時が来た。 型月「(・・・・・・・・・。)」 世界中はパニックに陥っていた。 現状、火山の影響が無い日本人ですらこの異常な事態に恐れをなしていた。 そんな中で一番プレッシャーを感じるであろう型月本人が、世界で一番落ち着いていた──。 そして、型月は会場に向かうまでの間で一人のライマーと出会う。 それは最近ポータルでバトルをし始めた【ロサ・キネンシス】だった。 ロサ「あの、型月・・・・・・さんですよね?あ、バトルとか・・・判定とか・・・いつも見てます・・・。その、僕はまだネトラとか全然上手くないんですが・・・なんというか・・・・・・えーと・・・・・・」 型月「くつひも。」 ロサ「えっ?」 型月「ほどけてるぞ。」 ロサ「あっあっ・・・・・・すいません!!なんか・・・!」 慌てて靴紐を結び直すロサに、型月は質問を投げかける。 型月「どした?俺になんかききたいことあんのか?」 ロサ「・・・!!」 ロサは意を決した様子で答えた。 ロサ「あの!!僕はネトラが大好きです!!負けてばっかだし、センスも全然無いと思いますが・・・・・・それでも!それでも、もっとネットライムを続けたいです!!こんな僕がなんか言うのも失礼ですが・・・どうか頑張ってください!お願いします!!」 それを聞いた型月は、質問を続ける。 ロサは深々と頭を下げたままだった。 型月「キミは・・・そのー・・・韻踏むの、好きなのかい?」 ロサは頭を下げたままの状態で答える。 ロサ「・・・はい!!もっと踏めるようになりたいし、誰よりもネットライムが好きっていう自信があります!!!」 型月は少し笑いながらロサの肩をポンポンと叩き、耳元で囁く。 型月「・・・・・・・・・悪いな。その点に関しては俺の方が遥かに上だ(笑)」 ロサ「・・・・・・えっ?」 意外な言葉に困惑するロサの横を通り過ぎた型月の表情は、未だに笑っていた。 型月「(こーゆーのはいちいち言わねーほーがカッコイイんだけどなぁ(笑))」 ロサ「・・・・・・頑張ってください!!!僕達の・・・・・・ネットライムのために!!!!」 後ろから聞こえるその声に型月は振り向かずまた、何か言葉を発することもなかった。 ただ、いつも常にポケットに入れているはずの右手を握りしめ、天に掲げて応えた。 その耳に聞こえるのは、まるでビートを刻むかのようなブーツの足音──。 そして──。 【地球人代表・型月】が決戦の地へと到着した。
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