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返す言葉もないと、少女……美樹さやかは苦笑いを浮かべる。 病院に出る前にお互いに自己紹介は済ませてある。三人は会話をしながら歩き始めた。 「それで、さやかちゃんはどうしてそんなに緊張してたのかな?」 「え、えっと……」 さやかは目を泳がせている。見ず知らずの自分達に話すのを躊躇っているようだ。 「別に話したくないならいいわよ。無理に聞きたい訳じゃないから……」 「あ、いえ……迷惑かけちゃったし。それくらいは知っておいてほしいかと」 「変に律儀ね。あなた……」 「友達からも言われます。で、緊張した理由なんすけど……私、幼馴染みに上条恭介って子がいるんですけど」 上条恭介。その名前を口にしたさやかの頬がほんのりピンク色に染まった。 その反応を見たかおるこは、さやかの緊張していた理由に気づく。 「じ、実は……これからその子にこ、ここ、告白しようかと思ってるんです!」 「わあっ!」 「へえ、告白……ん、告白っ!?」 さやかの口から出た告白という二文字にかおるこは目を輝かせ、アーシェは驚きで目を見開いた。
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