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そして、さやかの両肩を掴み。こう言った。 「好きなんでしょ。だったら、その気持ちをちゃんと相手に伝えなさいっ!」 「え、でも……」 「でもじゃないっ!」 「う、うわっ!」 煮え切らないさやかの態度にアーシェは彼女の身体を大きく揺さぶった。 「いいの? あなた、このまま諦めたら後悔するわよ……ここで告白しなかったら、きっとその子に別の彼女が出来ちゃうかもしれないのよ!」 「そ、それは……」 さやかは言葉に詰まってしまう。アーシェの言うように……もし、ここで告白しなかったら別の女の子と付き合ってしまうという可能性も考えられた。 そんなのは……さやかも当然嫌だった。 「ア、アーシェちゃん。ちょっと落ち着こう! その発言明らかにアーシェちゃんにとってブーメランだから!」 興奮気味となったアーシェをかおるこは止める。 さやかから、彼女を引き剥がす。 「うっ……ごめんなさい」 「ふぅ……いきなりでびっくりしたよ。少し頭を冷やしてね」 「は、はい」 自分の行いに反省しているようで、アーシェは素直に応じてくれた。 かおるこはさやかに視線を向ける。 「さやかちゃんもごめんね。驚いたでしょ」 「はい。でも、言われて決心しました」 「何を?」 かおるこがパチパチと、瞼を開閉する。 「あたし……今から恭介に告白します!」 「え、どうしたの突然?」 さやかの宣言に二人は目を丸くした。力強く頷いてさやかは続ける。 「アーシェさんに言われて気づきました。きっと言わなかったら後悔する……そんで他に彼女なんて出来たら嫌ですから、だったら告白して盛大にフラれた方がまだマシですよ」 「そっか、覚悟が出来たのね」 「アーシェさんのおかげです。あのお二人にお願いしてもいいですか?」 「何かな? 可能なことなら協力するよ」 「私もね」 「はい。だったら……」 さやかは大きく息を吸い込んでから、その言葉を口にした。 「あたしが告白するところ……見守っててくれませんかっ!」 「「え、えええええええっ!!!?」」 予想外過ぎる申し出に二人の声が大空に響くのだった。
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