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「え、ちょっと……どうしたのよっ!?」 「きょうすけぇっ……きょうすけっ……」 さやかはアーシェの胸に顔を埋めたまま、彼の名前を嗚咽を混じらせながら呟くばかり、困り果てたアーシェはかおるこに救いの眼差しを向ける。 「……アーシェちゃん。今は落ち着くまでこのままでいさせてあげようよ。それがさやかちゃんに今出来ることだから……」 「……はい」 アーシェは頷き、さやかの頭を優しく撫でながら彼女が泣き止むまで待ち続けた。 それから三分後。 「アーシェさん。もういいです……」 「そう」 漸く泣き止んださやかはアーシェの身体から離れる。顔を上げて微笑んだ彼女のその両目は、真っ赤に腫れていた。 「……その反応だと、告白は失敗だったんだね」 告白の結果をかおるこが聞く。さやかは苦笑いを浮かべて首肯する。 「あはは……見事に粉砕したっす」 「……ごめんなさい。私があんなことを言ったから……」 もとはと言えば、自分がさやかを焚き付けたから招いた結果だ。 自分があの時告白しろと言わなければ、さやかを傷つけずに済んだ筈なのにと……アーシェは自分の行いに後悔する。 「謝らないでくださいよ。むしろ感謝してますから」 「え、なんで? 私があんなことを言わなければあなたが傷つかずに済んだのよ……」
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