魔界幽鬼ディスガイア
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/05/22:16
優樹「うーん…」
優樹(おかしいな……確かにあたしは死んだはず。でもなぜかまったく知らない場所に、元通りの姿でこうして立ってる…)
優樹(……)
優樹「もしかしてここ、あの世?」
< おーい、誰かー!
優樹「ん?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/12/22:16
優樹「確かこの辺から…」キョロキョロ
優樹「あ」
小瓶「出せー! 誰でもいいからここから出せー!」
優樹「瓶が喋って……いや、中に誰か入ってる!?」
優樹「とにかく、出してあげよう」ヒョイ
キュポッ
シュー モクモクモク
触覚の少年「ふっふっふっ……ハーッハッハッハッ!」
優樹(何か高笑いしながら出てきた)
触覚の少年「そこの小娘、よくぞ俺様を救いだしてくれたな。誉めてつかわそう」フフン
優樹(これでも25歳なんだけどなぁ…)
触覚の少年「って、よく見ればプレネールさんじゃないか! なぜここにいる?」
優樹「あ、えっと。あたし、そのプレネールさんっていう人じゃないよ」
触覚の少年「何!?」
優樹「あたしの名前は片倉優樹(かたくらゆうき)」
触覚の少年「タコス?」
優樹「それは片岡優希」
触覚の少年「人違いだったか、紛らわしい……まあいい、恩人だから水に流してやろう」
優樹(水に流すのはあたしの方じゃ……)
優樹「…で、結局あなたは誰なのかな?」
触覚の少年「何っ!? 俺様を知らないのか!?」
優樹「ごめん。こっちに来たばかりなんだよ」
触覚の少年「む……ならば仕方ないな」
ラハール「我が名はラハール! この魔界を統べる魔王である!」
優樹「魔王!?」
優樹(天国でも地獄でもなく、魔界に来ちゃったのか)
優樹「…その魔王が、どうして小瓶の中に入ってこんなところに?」
ラハール「家来に裏切られたのだ…」ズーン
優樹「魔王も大変だねぇ…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/16/22:09
ラハール「だが、俺様がこうして復活した以上、やつの天下は終わったも同然!」
ラハール「待っていろエトナ! 今度という今度はぎゃふんと言わせてやるからな!」
優樹「ちょっといいかな?」
ラハール「ん? 何だ」
優樹「三途の川がどこにあるか、知らない?」
ラハール「三途の川だと? 場所を聞いて、どうするつもりだ」
優樹「いや、あたし寿命で死んじゃったんだよね。だから渡るべきなのかなぁって思って」
ラハール「おまえ、死人だったのか!」
優樹「うん」
ラハール「…俺様は魔王、悪魔だぞ? 嘘を吐くと思わないのか?」
優樹「どこもかしこも悪魔だらけなんでしょ? だったら誰に聞いても同じ」
優樹「君はあたしが魔界で最初に会った人……いや、悪魔だから、聞いてみてもいいかなって」
ラハール「……」
ラハール「ふっふっふっ……ハーッハッハッハッ!」
優樹(気の抜ける高笑いだなぁ)
ラハール「面白い死人だな、気に入った!」
ラハール「正直に言おう! 俺様は三途の川など知らん!」
ラハール「だが、さっきも言った通り、俺様は魔王。情報を集めることならできる」
ラハール「そのためには、俺様が玉座に戻る必要があるわけだが…」
優樹「…協力しろってことかい?」
ラハール「その通りだ。どうする?」
優樹「……………」
優樹「…わかった。君が玉座に戻れるよう、協力するよ」
ラハール「よし! では早速――」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/19/22:04
優樹「……」チョーン
優樹「あの、ラハールくん? このうさみみに見立てた赤いリボンは何?」
ラハール「おまえにはこれから、プレネールさんのふりをして、俺様の城に潜入し、城内を調べてもらう」
ラハール「エトナのことだからな、何か罠をしかけているかもしれん」
優樹「その『エトナ』って、どんな人なんだい?」
ラハール「赤毛でペチャパイの悪魔だ。生意気にも俺様より背が高い」
優樹(女の子なのか…)
ラハール「俺様の城は、あの建物だ。頼んだぞ」
優樹「…わかった、行ってくるよ」
◆
魔王城
優樹(さて…)コソッ
優樹(んー、見張りはいないっぽいね。ていうか…)
ペンギン?軍団『ぐおーっ、すかーっす』スヤスヤ
優樹(酒飲んで寝てるし……あたしも飲みたいなぁ)
優樹(なんか、石像とてるてる坊主みたいなのもいるけど…)
てるてる坊主?「ねえガーゴ、最近二人の子供の話聞かないけど、どうしたの?」
石像?「実はなゴース、最近反抗期に入ったみたいで…」
優樹(ガーゴとゴース……あれも悪魔なのか。アヤカシと同じで、色んなタイプがいるみたいだ)
優樹(…鬼もいるのかな)
優樹(…どうでもいいか。こそこそする必要は無いみたいだし、堂々と聞き込みしよう)
優樹(えっと、プレネールさんは必要最低限のことしか言わない無口な人、なんだよね)
優樹「あの、すいません」
ゴース「プレネールさん」
ガーゴ「珍しいですね、魔王城まで来るなんて」
優樹(疑いもしないし……そんなに似てるの? あたしとプレネールさん)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/19/22:04
ガーゴ「それで、私たちに何か用ですか?」
優樹「ラハール様がいなくなってから、何か城に変化はありませんか?」
ガーゴ「殿下がいなくなってからですか? そうですねぇ…」
ゴース「エトナさんが城のあちこちに、殿下にしか反応しない罠をしかけたぐらいですかね」
優樹「そ、そんなこと可能なんですか?」
ガーゴ「可能ですよ」
ゴース「何しろ殿下は、人間と悪魔のハーフですからね」
優樹「えっ…」
ガーゴ「まー、あの殿下が罠くらいでへこたれるわけないと思いますけどねー」
ゴース「必ず戻って来てエトナさんと衝突しますよ」
優樹「……」
ガーゴ「プレネールさん? どうかしましたか?」
優樹「あ、いえ。教えてくれてありがとうございました」ペコッ
◆
優樹「というわけで、お城の中は罠だらけみたいだよ」
ラハール「エトナのやつめ、小賢しい真似を!」グヌヌ
優樹「……」
優樹「…あの、君が悪魔と人間のハーフっていう話なんだけど…」
ラハール「ん? ああ、本当のことだが、それがどうかしたのか?」
優樹「…ううん、それだけ」
ラハール「そうか。」
ラハール「よし、それでは次にやるべきことは決まった! 優樹、ついてこい!」
優樹「うん、わかった」
優樹(この子も苦労したんだろうなぁ…)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/19/22:05
時空間ゲート
優樹「ラハールくん、あれは何?」
ラハール「時空間ゲート。簡単に言えば、どこでもドアだ」
優樹「ぶっちゃけたねぇ…」
ラハール「城内に罠がしかけられている以上、おまえと二人だけで魔王城に突っ込むのは危険だ。そこで、戦力を増強する」
優樹「どうやって?」
ラハール「俺様は魔王、それも魔界戦記ディスガイアシリーズの初代主人公だ。時空間ゲートを使って後輩たちが住む世界へ行き、協力を仰ぐ!」
優樹「メタいこと言うねぇ…」
優樹「ちなみにラハールくん、その時空間ゲートを使えば三途の川に…」
ラハール「残念だが、こちらからゲートを繋げるには、時空間ゲートを操作する『時空の渡し人』が、行き先の座標を事前に知っておくことが絶対条件だ」
ラハール「この魔界の時空間ゲートは三途の川に繋がっていない。つまり、この魔界の時空の渡し人は三途の川の場所を知らない、というわけだな」
優樹「そっか」
ラハール「わかったら、さっさと出発だ」
ラハール「ちなみに、
>>1
は1〜4までの知識しか無いから、D2と5のキャラは出てこないぞ」
優樹「誰に言ってるんだい?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/26/22:09
ヴェルダイム、ホルルト村
ラハール「優樹、紹介しよう。この赤毛のデカネクタイがディスガイア2の主人公、アデルだ」
アデル「おい」
ラハール「ディスガイアの主人公の癖に、正義感の強い熱血漢というシリーズの面汚しだ」
アデル「おい」
ラハール「ソウルクレイドルのギグにビビったりプレネールさんの隠れファンだったりとテコ入れもされたが、それも失敗したかわいそうなやつだ」
アデル「いい加減にしろッ! おまえ俺に喧嘩売りに来たのか!?」
優樹「ラハールくん、協力してもらう気あるの?」
ラハール「もちろんだ」
アデル「協力ぅ?」
ラハール「エトナに城から追い出された。戻ろうにも罠があって難しい状態なのだ。協力しろ」
アデル「おまえなぁ、それが人にものを頼む態度か!」
ラハール「俺様は魔王だからな、これで問題無い」フンゾリ
優樹「魔王でも問題大有りだと思う…」
アデル「…優樹って言ったか? よくこいつに協力する気になったな」
優樹「色々と放っておけなくなっちゃったんだよ」
優樹「ところで、プレネールさんの隠れファンなんだって? あたし、プレネールさんに似てるって言われるんだけど……そんなに似てるの?」
アデル「言われるまで気付かなかった」
優樹「そうなんだ…」
ラハール「で、俺様に協力するのかしないのか、どっちなんだ?」
アデル「しないに決まってるだろ! 城から追い出されたのだって、どうせまたプリン(ry」
牛の少年「兄ちゃーん!」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/05/26/22:10
アデル「タロー?」
優樹「君の弟?」
アデル「ああ」
タロー「大変なんだよー! コウくんを助けてー!」
優樹(コウ?)ピクッ
アデル「コウって……最近できたおまえの友達か。どうしたんだ?」
タロー「コウくんが剣のウェポンマスタリーを上げたいっていうから、一緒にダロス大河に行ったんだけど、そしたらアホターレとテレビの人たちが来て!」
アデル「待て、アホターレじゃない。アクターレだ」
ラハール「何!? バカターレじゃなかったのか!?」
優樹(酷いなぁ…)
アデル「で、アクターレが来てどうなったんだ?」
タロー「アクターレが河に落ちて、コウくんがアクターレを助けようと河に飛び込んで、そのまま一緒に流れていっちゃったんだよー!」
アデル「何だって!?」
ラハール「バカなやつだな、アクターレが河に落ちたぐらいで死ぬわけないだろ」
アデル「そういう問題じゃねえ!」
優樹「ねえ、タローくん」
タロー「へっ? プレネールさん!?」
優樹「ごめん、別人なんだ。あたしの名前は片倉優樹」
タロー「片倉? コウくんとおんなじだー」
優樹「そのコウっていう君の友達、眉間に年不相応のシワがあったりしない?」
タロー「何で知ってるのー?」
優樹「あたしの弟なんだよ。種違いだけど」
ラハール&アデル「何ィ!?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/02/22:03
魔の大空洞
アデル「ダロス大河に落ちたなら、この魔の大空洞に流れ着くはずだ」
ラハール「何で俺様まで…」
優樹「協力関係にあるんだから当然でしょ? 王様ならそこらへんはしっかりしなくちゃ」
優樹「それに、あたしの弟なら、君の新しい協力者になってくれるかもしれないよ?」
ラハール「む……これも玉座に戻るためだ、仕方無い」
優樹「ところでラハールくん、タローくんが言ってたウェポンマスタリーって何だい?」
ラハール「あー、死んで魔界に落ちてきたおまえは知らんか…」
アデル「死っ!?」
ラハール「魔界には拳、剣、槍、弓、銃、斧、杖、魔物専用武器T、魔物専用武器Uの九種類の武器があるんだ」
ラハール「この内、魔物専用武器以外の武器は鍛えると特殊な技を習得したり威力があがったりする。それがウェポンマスタリーだ。おまえも魔界で生活するなら、どれか一つ極めておいて損は無いぞ。ちなみに俺様は剣だ」
アデル「俺は拳だ」
タロー「僕は魔物専用武器Tー」
優樹「んー、わかったよ。教えてくれてありがとう」
ラハール「悪魔にありがとうなんて言うな!」
◆
晃「だいぶ流されてしまったな…」
アクターレ「げほっ、げほっ! れ、礼を言うぞ少年! 後で俺様のサインをやろう!」
晃「そういうことは、ちゃんと助かってから言ってください」
晃「僕、片倉晃といいます。よろしく」ペコッ
アクターレ「俺様は天下のダークヒーロー、アクターレ様だ! 夜露死苦ッ!」キラーン
晃「これからどうしましょうか…」
アクターレ「俺様はスターだ。すぐ助けが来るさ」
晃「助けが来るまでどうするか、を話してるんです。魔物に囲まれたりしなければいいんですが…」
アクターレ「安心しろ、逃げ足には自信がある!」キリッ
晃「それは良かった」
アクターレ「だから晃、おまえもそう思い悩むな。眉間のシワ、とんでもないことになってるぞ」
晃「いえ、これは元からです」
アクターレ「えっ?」
晃(死んでも治らないなんてなぁ)眉間ナデナデ
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/09/22:08
ラハール「ところで優樹、俺様からも一つ質問をさせてもらうか」
優樹「何かな?」
ラハール「寿命で死んだと言っていたが、おまえ、生前の種族は何だったんだ?」
優樹「……」
優樹「あたしが生きてた世界にはね、通常の生物とは異なる遺伝子を持つ生物が生息しているの」
優樹「正式名称は"特異遺伝因子保持生物"っていうんだけど、ここでは通称の"怪(アヤカシ)"を使わせてもらうよ」
ラハール「構わん。長ったらしいよりマシだ」
アデル「そうだな」
タロー「うんうん」
優樹「あたしはその"怪"の一種、"鬼"と人間のハーフだったんだよ。他の"怪"が言ってたんだけど、鬼子は混ざりが良くても30年ぐらいしか生きられないんだって」
タロー「たった30年!?」
優樹「うん。現にあたし、25歳で死んじゃったし」
ラハール「25ぉ!? ジェニファーと大差無かったのか!」
アデル「……」
タロー「……」
優樹「…君たちは驚かないの?」
アデル「いや、その、なんつーか」ポリポリ
タロー「雪丸に会った後じゃねー」アハハー
◆
雪しらべの里跡地
雪丸「二十歳でござるー!」ロリッ
ロザリー「どうしたのじゃ雪丸!?」ビクッ
斧雪「おそらく、どこかで誰かが外見と年齢がそぐわないことを口にしたのでしょう。時々あるのです」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/09/22:09
アデル「なあ優樹、俺からも質問いいか?」
優樹「うん」
アデル「おまえ、どうして自分の弟がヴェルダイムにいるとわかっても驚かないんだ?」
優樹「あたしが魔界にいるなら、あたしの弟の晃が魔界にいてもおかしくないから、かな」
優樹「晃も死人なんだよ。あたしが死ぬちょっと前に死んじゃった」
タロー「えーっ!? 晃くん、死人だったのー!?」
アデル「どうして死んじまったんだ?」
優樹「それはわからない。ボロボロだったから、たぶん出血多量じゃないかな」
優樹「もしくは、晃は自分のことを、あたしのお母さんの卵子を体外受精させた後に色々といじられた上で生まれた、"キマイラ"っていう中途半端な生き物って言ってたから、それが原因かもしれない」
アデル「体外受精させた後に色々といじられた?」
ラハール「うーむ、悪魔がゾンビを改造して遊ぶようなものか」
タロー「晃くん、かわいそう…」
優樹「……」
アデル「よし、わかった! 優樹、必ずおまえを弟に会わせてやる!」
優樹「ありがとう、アデルくん」ニコッ
アデル「……」
タロー「兄ちゃん、プレネールさんそっくりだからって見とれちゃダメだよー!」
アデル「はっ!?」バシッバシッ
優樹「なんかごめんね?」
ラハール「いや、謝るところじゃないだろ」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/16/22:10
晃「……」
アクターレ「……」
晃「……」
アクターレ「………」
晃「……」
アクターレ「…………」
晃「……」
アクターレ「……………」
晃「……」
アクターレ「だぁぁぁぁっ! 俺様は沈黙が苦手だぁぁぁぁっ!」
晃「確かにそんな感じの声ですけど」
アクターレ「何か話題は無いか?」
晃「……」
晃「アクターレさんは、どうしてテレビに?」
アクターレ「ああ、俺ん家貧乏大家族でな。親父は蒸発、母ちゃんは病弱で簡単な内職しかできない。だから長男の俺が稼いで家族を養わなきゃなんねーんだよ」
晃「そうだったんですか……すいません、辛いことを聞いてしまって」
アクターレ「気にすんな。俺ん家が貧乏だってことは、とっくに魔界テレビで全次元に報道されてるんだ。隠したところで、イマサラタウンだぜ」
晃「イマサラタウン?」
アクターレ「晃の家族は?」
晃「姉が一人」
アクターレ「どんなやつなんだ?」
晃「…すごい人です。普通の人だったら絶対に死ぬぐらい心も体もボロボロになっても、のんびりだらだらと毎日を強く生きていける」
アクターレ「何だそりゃあ…」
晃「あと、僕の勘違いかもしれませんが…」
アクターレ「何だ?」
晃「外見がプレネールさんにそっくりです」
アクターレ「はあ?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/16/22:11
アクターレ「あのな晃、原田屋の看板娘にして魔界のどこにでも出没するみんなのアイドル、プレネールさんにそっくりなやつなんて…」
アデル「いたぞ! 晃とアクターレだ!」
タロー「晃くーん、大丈夫ー!?」
優樹「……」スタスタ
アクターレ「いるーーー!!?」ガビーン
晃「優樹さん!? どうして…?」
優樹「寿命がきちゃったんだよ」
晃「優樹さんもですか!?」
優樹「あたし"も"?」
優樹(晃も寿命だったんだ。変なところで似た者姉弟になっちゃったなぁ)
タロー「良かったぁ、無事みたいだね」
晃「あ、うん。タローくん、心配させてごめん」
タロー「いいよー、先に落ちたアクターレが悪いんだからー」アハハ
アクターレ「えっ」
ラハール「というか、なぜ河に落ちたんだおまえは」
アクターレ「はーっはっはっはっ! よくぞ聞いてくれた!」
アクターレ「カメラの動きにあわせてカッコいいポーズを決めていたら、足を滑らせたのだッ!」ビシッ
ラハール「獄炎ナックル」ドゴォ
アクターレ「ぎゃふん!?」
アデル「よし、帰るぞ」
タロー「はーい」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/23/22:09
アクターレ「いたた……おーい、俺様を置いて(ry」
ビィィィィィッ!!
アクターレ「ギャアアアアアアア!!?」チュドーン
アデル「アクターレ!?」
ドスンドスン
銃魔神族「グオオオオッ!」
アデル「銃魔神族! こいつの縄張りだったのか!」
タロー「兄ちゃん、逃げようよー!」
晃「…それは無理みたいだよ」
魔物*s『オォオォオォ…!』
タロー「囲まれてるー!」
優樹(しまった、ダロス大河からの水と風の流れで臭いが消えていたのか!)←犬以上の嗅覚の持ち主
ラハール「ふん、丁度いい。封印されて鈍った体をほぐせる」
ラハール「おい、邪魔するなよ?」
アデル「俺は、俺と俺の仲間を守るだけだ!」
晃「優樹さん、武器は?」
優樹「一応、神銀鋼(ミスティックメタル)ナイフがあるけど」
晃「剣としてカウントされるか…? とりあえず敵に当ててウェポンマスタリーレベルを上げてください! そうすれば技が使えるようになります!」
優樹「って、晃! 前、前!」
魔物*s『グォオオオッ!』ババッ
晃「一文字スラッシュ!」ズシャッ!
魔物*s『ギャアアアアア!』ドサッ
晃「…こんな感じです!」
優樹「う、うん。やってみる」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/23/22:10
ラハール「月光一閃斬!」ズバッ!
アデル「飛翔爆炎脚!」ドゴォン!
タロー「泣き虫の反撃!」ポカポカポカ!
優樹「…えいっ」サクッ
魔物*s『ギャアアアアア!』
銃魔神族「グォオオオッ!」
ラハール「残るは貴様だけか」
ラハール「よし、いい機会だ。優樹、おまえに俺様がどれだけすごい魔王か見せてやる!」バッ
優樹「跳んだ?」
アデル「あいつまさか……みんな、離れるぞ!」
タロー「わーっ!!」
アクターレ「いたた……って、これさっきも言ったな…」ムクッ
ゴゴゴゴゴ…
アクターレ「ん?」
ラハール「メテオインパクト!!」ゴゴゴゴゴ!
優樹「隕石に乗って降りてきたー!?」
ラハール「ハーッハッハッハッハッハッ!!」
ドゴォォォォン!!
銃魔神族&アクターレ「ギャアアアアア!!!」
ラハール「見たか! これが魔王ラハール様の力だ! ハーッハッハッハッハッハッ!」
優樹「アデルくん、ラハールくんっていつもこんな感じなの?」
アデル「俺もこいつとそこまで深い交流があるわけじゃないんだが……だいたいこんな感じだ」
優樹「そうなんだ…」
アクターレ「」チーン ←完全に無視されている。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/23/22:11
ホルルト村
優樹「アデルくん、手伝ってくれてありがとう」
アデル「礼はいらねえよ。タローの友達なら、助けて当然だ」
タロー「良かったねー晃くん、お姉さんに会えて」
晃「うん」
タロー「でもどうしてお姉さんのこと、名前で呼んでるの?」
晃「それは……まだ、お願いを聞いてもらってないから」
タロー「お願い?」
優樹「晃、もしかしてあの時のもう一つのお願いって…」
晃「はい。あなたのことを、姉さんと呼ばせてもらえませんか?」
優樹「いいよ」
ラハール「早っ!?」
晃「ありがとうございます!」
優樹「それで晃、いきなりで悪いんだけど、ちょっと頼まれてくれないかな」
晃「はい?」
優樹「実は…」
かくかくしかじか
晃「……三途の川、渡りたいんですか?」
優樹「うーん。どっちかっていうと渡っておかなくちゃいけないかなー、っていう感覚かな」
晃「……」
晃「わかりました、僕は姉さんに協力します」
優樹「ありがとう、晃」ニコ
ラハール「決まったな。では、次の魔界へと行くぞ!」
タロー「ばいばーい」ノシ
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/23/22:12
ラハール魔界、魔王城
フロン「エトナさーん!」
エトナ「どったのフロンちゃん?」
フロン「大変なんです! ラハールさんが封印から脱出しました!」
エトナ「何ですってー!?」
エトナ「やっとかよ! クリチェフスコイ様の子供なら、あんな封印1日で破れっつーの!」
フロン「そこですか!?」
エトナ「で? 殿下はどうしたの? 魔王城には来てないし」
フロン「それが、時空の渡し人さんが言うには、プレネールさんにそっくりな女の子と一緒にヴェルダイムに向かったみたいです」
エトナ「ヴェルダイム? …はっはーん。さては玉座を取り戻すための戦力を整えるために潜伏するつもりね?」
フロン「どうするんですか?」
エトナ「決まってんじゃん! 刺客を送って、おちょくってやるわ!」
フロン「えー」
エトナ「ハナコー、カモ〜ン」
トテトテトテ
ハナコ「呼んだー?」
エトナ「ハナコ、あんたに仕事をあげるわ。ヴェルダイムへ行って、殿下にちょっかいを出しなさい」
ハナコ「兄ちゃんたちに会ってもいい?」
エトナ「もっちろん!」
ハナコ「わーい! じゃあ行ってきまーす!」トテトテトテ
フロン「あ〜……私、心配なので一緒に行きまーす!」ピュー
エトナ「行ってらっしゃーい」
エトナ「……」
エトナ「それにしても、プレネールさんにそっくりな女の子って、誰?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/06/30/22:26
魔立邪悪学園
ラハール「優樹、紹介しよう。ここは魔立邪悪学園。魔界そのものが学園になっている風変わりな魔界だ」
優樹「悪魔も学校に行くんだ」
ラハール「まあな。行くだけで授業は受けないが」
晃「何のための学校なんだ…」
ラハール「悪逆非道を優等生、品性高潔を不良とするのが悪魔だからな、なんの問題もない」
優樹「…で? 順番からしてここに魔界戦記ディスガイア3の主人公がいるんでしょ? どんな人なの?」
ラハール「3の主人公の名はマオ。この学園の理事長の息子で、マッドサイエンティストなよく(;´Д`)ハァハァする変態だ」
優樹「えっ…」
晃「……」
ラハール「それ以外は俺様の二番煎じと言っていいな」
マオ「誰が誰の二番煎じだって?」
ラハール「聞こえてなかったのか? ならばもう一度言ってやろう」
優樹「ラハールくん、やめて」
優樹「君がマオくん? あたしは片倉優樹。こっちは弟の晃だよ」
晃「どうも」
マオ「ふん……珍しいな、今日はエトナとフロンが一緒じゃないのか」
ラハール「そのことについて、おまえに頼みがある」
マオ「何?」
かくかくしかじか
マオ「自分の家来に自分の城から追い出されるとは、魔王の名が泣くぞ」
ラハール「うるさい! いいから協力しろ!」
マオ「生憎だが、我は今忙しいのだ。この学園の魔王として、学園を未曾有の危機から救わねばならん」
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2019/06/30/22:27
優樹「未曾有の危機?」
マオ「数日前から園内に巨大な怪物が出現するという報告が寄せられていてな。面白半分に調査に出た悪魔たちが片っ端から返り討ちにされているのだ」
マオ「本来なら我が動くようなことではないのだが……十紳士が全滅した以上、放っておけん」
晃「十紳士?」
マオ「我が邪悪学園の生屠たちの中でも、特に強力な十人の悪魔たちのことだ。今川版ジャイアント・ロボの十傑衆みたいなものだと思ってくれればいい」
晃(そのジャイアント・ロボがわからないんだけど…)
ラハール「ちょっと待て。あのサルバトーレとかいう女も十紳士の一人だったよな? あいつもやられたのか?」
優樹(女性でも紳士なんだ…)
マオ「ああ。魔チコ先生によると、怪物は銃弾の嵐をものともせず突っ込んできて、サルバトーレはそれを食らって吹っ飛ばされたらしい」
ラハール「なるほど、確かにそれは魔王として放っておけん一大事だな」
ラハール「それで? その巨大な怪物とやらはどんなやつなんだ?」
マオ「目撃情報によると、全長2メートル以上5メートル未満。全身が毛で覆われ、横にも縦にも大きい。パワー、スピード、タフネスに優れ、更に脳を揺さぶる程の咆哮を放つと聞く」
優樹「……」
晃「……」
ラハール「どうしたおまえら。狐につままれたような顔をして」
優樹「マオくん、もしかしたらそれ、あたしの知り合いかも…」
マオ「何ィ!?」
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2019/07/07/22:20
ヴェルダイム、ホルルト村
フロン「えー!? ラハールさん、もう行っちゃったんですか!?」
アデル「ああ」
ハナコ「どこに行ったの?」
アデル「わからないな。だけど、俺の次ならマオのいる邪悪学園だろう」
ハナコ「わかった! 行ってきまーす!」トテトテトテ
フロン「ああ、ハナコちゃん!」
フロン「…アデルさん、止めなくてもいいんですか?」
アデル「あいつが選んだ道だ。俺に止める権利はねーよ」
アデル「それより、ラハールと一緒にいる片倉姉弟の情報をメモっといた。参考にしてくれ」スッ
フロン「ありがとうございます。でも、私たちが来るってわかってたんですか?」
アデル「自由になったラハールを、エトナが放置するはずが無いからな。ラハールを追って誰かが来ることは予想できた。ハナコが来ることまでは予想できなかったが」
フロン(戦いになると頭の回転が早いんですよね、この人)
アデル「どうせまたくだらないことで喧嘩したんだろ? 早く行って、仲直りさせてやれ」
フロン「はい! えーと…」ピラッ
フロン「えっ!? プレネールさんにそっくり!?」
アデル「会ったら絶対に驚くぞ」
ハナコ「フローン! 置いてくよー!」
フロン「あぁ、待ってー!」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2019/07/07/22:21
邪悪学園、廊下
スタスタ
マオ「八牧巌(やまき いわお)?」
優樹「うん。熊に似たアヤカシなんだけど、さっきマオくんが言った特徴に全部合致するんだよ」
マオ「なぜ、おまえの世界のアヤカシという生き物が、我が邪悪学園にいるのだ?」
マオ(というかこの娘、プレネールさんじゃなかったのか)ウーム
優樹「えっと…」
ラハール「…おい、まさかその八牧巌も死んだとか言うんじゃないだろうな」
優樹「正解」
ラハール「またか! 何をやってるんだ死神どもは!」
優樹「警戒心が強くて敵には絶対に容赦しないアヤカシだから、自分を調査に来た悪魔を敵だと判断して攻撃したんじゃないかな?」
晃「あまりの強さから、かつて人間たちから山神と呼ばれ恐れられていたと聞きます。戦えば悪魔でもただではすまないでしょう」
マオ「しかし、サルバトーレの銃弾をものともしないほどの防御力はどういうカラクリだ?」
優樹「脂肪と筋肉と毛皮だよ。どれもこれも分厚いから、だいたいの銃弾は臓器まで達しない」
マオ「ふーむ。どこまで耐えられるのか実験したいところだが、学園の悪魔的な平和の方が優先だ」
マオ「優樹、その八牧巌とやらを説得してもらえないか?」
優樹「うん、やってみるよ。たぶん、成功すると思う」
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