ジララ大尉がジャパリパークで余生を過ごすようです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:09
コミカルヒーローズ
http://ibbs.info/thread.php?no=28&id=nijisousaku
第9話A「救われた暗殺兵」より
念雅山、ネンガの屋敷
小雪「……」パチ
ドロロ「小雪殿!」
小雪「ドロロ? 私…」
ドロロ「…拙者、このペコポンに来て、小雪殿に出会えて、本当によかったでござる」
小雪「ドロロ…」ニコ…
ナレーション「暗殺兵…、それは悲しき運命を背負った悲運の兵なり」
ナレーション「ドロロは改めて、その運命から救ってくれたこの緑成すペコポンに感謝をするのであった…」
◆
屋根の上
ジララ「…まだまだ未熟だな」コソッ
マタタビ「やっぱり、まだ生きてたか」
ジララ「マタタビ、気づいていたのか?」
マタタビ「昔、死んだと思った奴に後ろから刺されたことがあったからな」
マタタビ「…これから、どうするつもりだ?」
ジララ「これで俺は自由の身。残り少ない人生、どこかの星で静かに暮らすとしよう」
ジララ「あいつの言う心とやらを、俺も取り戻してみたくなった」
ジララ「礼を言うぞ、『ドロロ』…」
#スピンオフです。人によってはとても不愉快な組み合わせでしょうが、ジララ大尉はアニメから逆輸入された、本来原作にはいないはずだったキャラクターなのでご容赦願います。
#クソハンにて連載していたものに加筆・修正を加えてみました。大筋は同じです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:09
第1話「一匹のカエル」
ジララ(さあ、新天地だ)テクテク
ジララ(見たところ、水も草木もあるが、だいぶ乾燥しているな)
ジララ(俺は元暗殺兵(アサシン)。特殊な訓練を受けているが、やはり乾燥は俺たちケロン人にとって天敵だ。早急に飲み水を確保し、湿気の強い場所に移動せねばならん)
< きゃ〜!
ジララ「……」ピクッ
◆
「助けて〜!」
セルリアン「…!」
ジララ(何だ、あの目玉の怪物は。追われているのは、この星の住人か?)
ジララ(優先すべきは、水と住み処の確保。余計な体力を消耗するわけにはいかん)
ジララ『優れた殺人マシーンに心など不要。心がある限り、やつはこの娘にも勝てない』
ドロロ『拙者は、拙者は…!』
ドロロ『それでも拙者は、心を捨て去りはしないでござる!』
ジララ「……………」
ジララ(俺の目的は、残り少ない人生を静かに過ごすこと。そして、かつて捨てた心を取り戻すこと)
ジララ(ならば、助けるべきか。打算的に見れば、この星の情報を得ることもできる)
ジララ(だが相手は未知の敵。幸い、あの足の早さならすぐに捕まることは無いだろう。ここは…)
ジララ「暗殺兵術(アサシンマジック)"鑑定眼力"!」ピピピピピ…
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:10
ピコーン
ジララ(なるほど。コアを破壊しなければ死なんタイプの生き物か)
ジララ(コアは……そこか)バッ
ズバッ!
セルリアン「!?」ぱっかーん
「え!?」
バラバラバラバラ…
テクテク
ジララ「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます!」
ジララ(動物のような耳や尻尾が生えているが、アンゴル族やペコポン人と同じタイプの生物だな。言葉も通じるようで何よりだ)
「ええと、ボスさんの亜種ですか?」
ジララ「誰だそいつは。俺の名はジララだ」
イエイヌ「私はイエイヌです!」
ジララ「………………」
イエイヌ「どうかしましたか?」
ジララ「それが名前か?」
イエイヌ「はい」
ジララ「そうか。個人名というより、種族名のような印象を受けてな、少しあっけに取られてしまった」
イエイヌ「よくわからないけど……とにかく、助けてもらったお礼をさせてください!」
ジララ「ああ」
ジララ(だがその前に)ポチッ
< ギュゴゴゴゴ…!
イエイヌ「? 何の音だろう?」
ジララ「さあな」
ジララ(宇宙船を内部から爆縮消滅させた。これならば火事が起きることは無いし、残骸も見つからない)
ジララ(これで俺は、この地に骨を埋める他無くなったというわけだ)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:10
イエイヌの家
イエイヌ「紅茶をどうぞ」コトッ
ジララ「ああ、ありがとう」スッ
ジララ「……」ピタ
イエイヌ「どうかしましたか?」
ジララ「いや、いただこう」クイッ
ジララ(一瞬、毒が入っているのではないかと考えてしまった。職業病だな…)ズズー
ジララ「うまい」
イエイヌ「ありがとうございますー!」尻尾パタパタ
ジララ(生態も犬に近いのか。俺たちと似たようなものだな)
ジララ「それで、お礼ついでにいくつか訊ねてもいいだろうか」
イエイヌ「はい?」
ジララ「俺は、この地に来たばかりでな。右も左もわからない状態だ」
ジララ「おまえの知る限りでいい。この地の事を教えて欲しい」
イエイヌ「そうだったんですか、いいですよ」ニッコリ
ジララ「そうか。礼を言う」
ジララ「まず、この地の名前は?」
イエイヌ「ここはジャパリパークです」
ジララ「ジャパリ『パーク』か…」
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2020/06/11/22:11
ジララ「サンドスター、フレンズ、セルリアン……覚えることがたくさんあるな」
イエイヌ「本当に何も知らないんですね。どこから来たんですか?」
ジララ「ケロン星(スター)だ」
イエイヌ「どこのちほーですか?」
ジララ「ガマ星雲第58番惑星。つまり、別の星だ」
イエイヌ「へぇー…」
イエイヌ「えええええ!? ということはジララさんは宇宙人なんですかー!?」
ジララ「何だ、知ってるのか」
イエイヌ「昔ここに住んでたヒトたちから聞きました!」
ジララ(やはりこの建造物は、文明を持った種族が造ったものだったか)
ジララ(となると、それはどこへ消えた?)
イエイヌ「でも何か、聞いてたのと違いますね」
ジララ「どんなものだと聞いていたんだ?」
イエイヌ「もっとこう、ヌメヌメで、触手ニュルニュル、みたいな?」ウネウネ
ジララ「…………確かにそういうタイプもいるが、俺はそんな体質はしていない。水気が多いのは認めるが」
ジララ「それと、若い娘が異性の前で体をくねらせるな。俺は年寄りだからいいが、若人なら何をするかわかったものではないぞ」
イエイヌ「…? 年寄りって、ジララさん、いくつなんですか?」
ジララ「[ピー]万と[ピー]歳だ」シレッ
イエイヌ「ゑ゛ーーー!!?」
(※参考までに、ケロロが推定10500歳。更にアニメでは地球人換算で40代となっている。)
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2020/06/11/22:11
イエイヌ「え……え…? 太陽が、1、2、3…」
ジララ「何回昇ったか数えるならやめておけ。億を超えるぞ」
イエイヌ「はい…」
イエイヌ「どうして、ジャパリパークにやって来たんです?」
ジララ「移住だ。残りの人生を、この地で静かに過ごそうと思ってな」
イエイヌ「そうだったんですか」
イエイヌ「ジャパリパークに来たのは正解だと思いますよ。ここは、基本的に縄張り争いしか起きませんから」ニコニコ
ジララ「そうか。期待するとしよう」
ジララ「それで、イエイヌ」
イエイヌ「何ですか?」
ジララ「ここに住んでたヒトたち、と言ったな。もうここに、ヒトは住んでいないのか?」
イエイヌ「…はい。ある日、みんな出ていっちゃったんです」シュン…
ジララ(耳と尻尾が垂れた)
ジララ「おまえ一人残して、いったいどこに?」
イエイヌ「わかりません。何も教えてくれなかったんです」
ジララ「そうか。すまないな、悪いことを聞いてしまった」
イエイヌ「そんな、気遣いしないでください」
ジララ「そうか…」
ジララ(さすがの俺でも、相手の考えを読んだり、気持ちを察することぐらいならできる)
ジララ(だが、ここはどうするべきだ? 下手な言葉で無理にでも慰めるか。空気を変えるためにも、新たな情報を得るためにも、話題を変えるか)
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2020/06/11/22:11
イエイヌ「…ふふっ、そんなに困らなくてもいいですよ」
ジララ「何?」
イエイヌ「実は、二人組の探偵に、ヒトを探してほしいって、依頼したんです。本当は私が自分で探せばいいんですけど、ここを離れるわけにはいかないので…」
ジララ「それは何故だ?」
イエイヌ「ヒトがいつ帰ってきてもいいように、なるべく昔のままの状態を維持したいんです」ニコッ
ジララ「……」
ジララ「決意は固いようだな」
イエイヌ「はい」
ジララ(これもまた、心の力か)
ジララ「……」ズズー
ジララ「馳走になった。では、さらばだ」コトッ
イエイヌ「えっ、もう行っちゃうんですか?」
ジララ「俺たちケロン人は蛙に近い生態でな。乾燥していれば干からびるし、寒ければ冬眠してしまう」
ジララ「この辺りは、俺にとってあまりいい環境とは言えない」
イエイヌ「そうですか…」
ジララ「……」
ジララ「住み処が見つかったら、また来る」
イエイヌ「え?」
ジララ「その時は、また茶をもらえるだろうか?」
イエイヌ「…! はい!」
ジララ「楽しみにしている」テクテク
◆
ジララ(ヒトは彼女を捨てたのか、はたまた彼女のところに帰りたくとも帰れなくなったのか。どうにもこの星には謎が多い)
ジララ(だが、今は住み処の確保が最優先。宇宙船から下界を見下ろした時に、ジャングルが見えた。そっちへ行くとしよう)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:13
太陽 < テカーッ
ジララ「……」
ジララ(ここを通り抜けるのが最短距離だ。確か、途中に湖があったはず。そこでしっかり給水するとしよう)
ジララ(ここに来る途中で手に入れた葉っぱと枝で、作った傘もある。直射日光を浴びるよりマシだろう)
ジララ「……」テクテク
G・ロードランナー(え、何あれ? え!? 何あれ!?)コソッ
◆
G・ロードランナー「プロングホーン様〜!」タッタッタッ
プロングホーン「どうした? ロードランナー」
G・ロードランナー「我々の縄張りに、な、何か変なの、変なのが現れました!」
プロングホーン「変なの?」
G・ロードランナー「あれはフレンズでもセルリアンでも、ましてやボスでもありません!」
プロングホーン「…脚は速そうか?」
G・ロードランナー「いえ、胴体を支えられてるのが不思議なくらいほっそい足でしたので、それはないかと」
プロングホーン「じゃあ放っておけ。私は今、チーターとの勝負にしか興味無い」
G・ロードランナー「え〜…」
G・ロードランナー「………………」
G・ロードランナー「目が3つあったんですけど」ボソッ
プロングホーン「何だそれすごく珍しいなよし見に行こう」ガタッ
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2020/06/11/22:13
湖
ジララ「ふぅ」プカー
ジララ(やはり老いたな。昔なら、まだ余裕を持ってここまでこれただろうに)プカー
チーター「あら、先客?」
ジララ「む」チャプッ
ジララ「すまなかったな。今、出る」
チーター「大丈夫。気にしないわ」
ジララ「そうか?」
チーター「よっと」ザブン
ジララ(なるほど、服を着たまま入るから気にしないのか。何の抵抗もない辺り、フレンズには服を脱ぐ習慣が無いのだろうか)
チーター「……」
ジララ「……」
チーター「…………」
ジララ「…………」
チーター「………………」
ジララ「………………」
ジララ「…おい」
チーター「何よ?」
ジララ「名乗るタイミングを逃した俺が悪いが、俺が何者か気にならないのか?」
チーター「私、単独行動が好きで、積極的に誰かと関わろうとしないの」
ジララ「そうか。だが一応名乗っておく。ジララだ」
チーター「そう。じゃあ私も名乗るわ。チーターよ」
ジララ「そうか」
チーター「……」
ジララ「……」
チーター「…………」
ジララ「…………」
チーター「………………」
ジララ「………………」
G・ロードランナー「いや会話しろよおまえらッッ!!」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:14
チーター「げっ」
ジララ「近づいてくる気配を感じていたが、おまえたちだったのか。何者だ?」
G・ロードランナー「私はグレーター・ロードランナー!」フンゾリ
G・ロードランナー「そしてこちらが、プロングホーン様だ!」ササッ
プロングホーン「はじめまして、プロングホーンだ。ジララと言ったな。確かに見たことの無い生き物のようだが、おまえは何者だ?」
ジララ「ケロン人だ」
プロングホーン「ケロン人とは何だ?」
ジララ「ガマ星雲第58惑星、ケロン星に住む知的生命体だ」
プロングホーン「………………」
ジララ「………………」
ジララ「要するに蛙だ」
プロングホーン「何だ蛙か! だったら最初にそう言ってくれればいいのに!」アッハッハッハッ!
ジララ「………………」
G・ロードランナー「コラー! プロングホーン様をそんな目で見るなー!」
ザバッ
プロングホーン「む?」
チーター「」ソロリソロリ
プロングホーン「あ、待て! チーター!」
チーター「ぎくっ!」
プロングホーン「今日こそは私とのかけっこ勝負に付き合ってもらうぞ! お互いの最速を極めるために!」
チーター「しつこいわよ! 私は単独行動が好きなの! そして、最速は私一人!」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:14
ザバッ
ジララ「ちょっと待て」
プロングホーン「ん?」
チーター「何よ?」
ジララ「俺が巡ってきた惑星に、ペコポンという星があったのだが、そこにもチーターやプロングホーンという動物がいた」
チーター「え!?」
プロングホーン「本当か!?」
G・ロードランナー「私は!?」
ジララ「無論、いた」
G・ロードランナー(良かった…)滝涙ドバー
ジララ「その星では、元々プロングホーンはチーターに捕食される側であり、短距離走を得意とするチーターから逃げ延びるために長距離走を得意とする持久力を身につけた、とされていた」
ジララ「おまえたちも、長距離と短距離で、得意分野が違うのではないか?」
チーター「そ、それは…」
プロングホーン「その通りだ。私は、長距離走が得意だ!」
ジララ「ではどちらが最速かは、一概には言えんな。分野が違えば、結果も違う」
チーター「なに言ってるのよ! 最速は私!」
G・ロードランナー「そんなこと言って、本当はプロングホーン様に負けるのが怖いんだろー!」
チーター「なんですってー!?」
ジララ「やめるんだ、煽るんじゃない」
G・ロードランナー「おまえの指図は受けねーよっ!」
ジララ「ではおまえの親玉に頼もう。プロングホーン、おまえの子分をチーターに謝罪させた上で、静かにさせてもらえないだろうか?」
プロングホーン「わかった。ロードランナー、謝ってから静かにしていてくれ」
G・ロードランナー「すいませんでした」ペコッ
チーター「あなた、それでいいの…?」
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2020/06/11/22:15
チーター「っていうかそもそも、あなたが言ってるのはペコポンとかいう場所の話でしょ。ここでは違うの!」
ジララ「そうだな、そうかもしれん。老人の戯言だと思って、流してもらってかまわない」
ジララ「だが、俺には隠密行動を生業としていたことがあると同時に、群れを率いて己と部下たちを鍛え上げた過去がある」
ジララ「だから、単独行動を好むチーターの気持ちがわかると同時に、更なる高みを目指すプロングホーンの気持ちもわかる」
ジララ「そして、孤高と孤独は別物であること、自分の考えを他人に押し付けるのは迷惑でしかないことも経験から学んだ」
ジララ「おかげで、どうにも放っておけなくなって、つい口を出してしまった。気に障ったのなら謝ろう」
チーター「……」
プロングホーン「……」
ジララ「何も無いのなら、この場は去る。この先にあるジャングルに住むつもりだ。用があるなら、来るといい」
テクテク…
チーター「……」
プロングホーン「……」
チーター「老人だったんだ…」
プロングホーン「みたいだな…」
チーター「……」
プロングホーン「……」
プロングホーン「…かけっこ、どうする?」
チーター「…じゃあ、一回だけ…」
G・ロードランナー(いつまで静かにしてればいいんだろう…)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:16
ジャングル
ジララ(ようやく辿り着いた。この湿気、とてもいい)
ジララ(だが…)
ジララ「………………」
ジララ(気配を感じる。それも、プロングホーンたちとは異なる、明確な敵意・警戒心を持った気配)
ジララ(まあ、今まで警戒されなかったことの方がおかしかったんだ。これが当たり前だろう)
ジララ(数は4……フレンズの戦闘能力は未知数だ。ましてやこれから住もうとしている場所で、現地住民との争いごとは避けたい)
ジララ(ここは…)スッ
ザワッ
ジララ「お手上げだ。争うつもりは無い」
『…………』
ガサガサガサ…
ジララ(数は予想通り。さて、こいつらは何のフレンズだ?)
イリエワニ「ついてきな」
ジララ「わかった」
◆
ヒョウ「ゴリラの親ぶーん、怪しいやつ連れてきたで〜!」
ゴリラ「怪しいやつ?」
ジララ「………………」
ゴリラ「…おまえ、何だ?」
ジララ「ケロン人のジララだ」
ヒョウ「何やねん、ケロン人て」
イリエワニ「聞いたこと無いわね」
ジララ「それはそうだろう。宇宙人だからな」
クロヒョウ「宇宙人〜? んなアホな」
メガネカイマン「そもそも、宇宙人って何です?」
ゴリラ「……」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:17
ゴリラ「おまえたち、少し離れていろ。こいつと二人で話がしたい」
クロヒョウ「え!? あきまへんて!」
メガネカイマン「危険ですよ!」
ゴリラ「いいから、行け」
ヒョウ「…わかった。行くで、クロヒョウ」
イリエワニ「何かあったらすぐに呼んでね」
スタスタ…
ゴリラ「……」
ジララ「……」
ゴリラ「なあ、楽な姿勢を取っていいか? 実はさっきからお腹が痛くて…」ズキズキ
ジララ「構わないぞ」
ゴリラ「ありがとう…」グテー
ジララ(ゴリラは穏和で繊細な動物らしいからな。刺激しないでおこう)
ゴリラ「…宇宙人なんだって? ヒトの冗談だと思ってたんだが、本当だったんだな」
ジララ「ヒトを知っているのか?」
ゴリラ「ああ。もうだいぶ前の話だが、交流していたことがあったんだ」
ジララ「今、ヒトはどこにいる?」
ゴリラ「それはわからない」
ジララ「そうか」
ジララ(イエイヌ…)
ゴリラ「さっきは子分たちが迷惑をかけたな。喧嘩はするけど、根はいいやつらなんだ。許してやってくれ」
ジララ(腹痛の原因はそれか?)
ゴリラ「それで、おまえは何が目的で、このジャングルに来たんだ?」
ジララ「ケロン人は蛙に近い体質を持つ。おまえたちの縄張りを荒らすつもりは無い。俺を、このジャングルに住まわせてほしい」
ゴリラ「……」
ジララ「……」
ゴリラ「なあジララ、俺と取り引きをしないか?」
ジララ「まず内容を聞かせてくれ」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:18
ゴリラ「俺の子分はヒョウ、クロヒョウ、イリエワニ、メガネカイマンの4頭なんだが」
ジララ「ちょっと待て。ヒョウだと? ゴリラの天敵じゃないか」
ゴリラ「今は話を聞いてくれ」
ゴリラ「さっきも言った通り、俺の子分たちは今、縄張り争いで喧嘩している。俺が諌めればその場は収まるんだが、俺が親分と呼ばれるようになってから日が浅いせいか、一時的なことにしかならない」
ゴリラ「このままでは俺の腹痛は、いつまで経っても治らない。何か手は無いか?」
ジララ「その報酬が、ここの移住権というわけか」
ゴリラ「そうだ」
ジララ「ふむ…」
ジララ「そもそもなぜ、おまえは親分と呼ばれるようになったんだ?」
ゴリラ「俺がヒトと関わりを持っていたから、だそうだ」
ジララ「この地では、ヒトはそれほど珍しいのか?」
ゴリラ「ああ。そもそもヒトを知らないフレンズの方が多いし、知ってる連中も『ヒトは絶滅したんじゃないか』と考えるやつがほとんどだ」
ゴリラ「1年ぐらい前に、ヒトと思われる生き物が、サーバルキャットのフレンズと一緒に旅をしているという噂が流れたこともあったが…」
ジララ「そうか」
ジララ「それで本題に戻るが、他の群れの親玉から、長としての振る舞いについて助言をもらったらどうだ?」
ゴリラ「それはもうやった。だが…」
ライオン『そんなの簡単かんたーん♪(通常) 本気を出すべき時に、しっかり本気を出せばいいのさ(低音)』
ヘラジカ『迷うな! 自分が信じた道を突き進め! 前進あるのみ!』
ゴリラ「あまり、参考にできなかった…」
ジララ「………………」
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2020/06/11/22:18
ジララ「そう言えば聞きそびれてしまっていたが、そもそも喧嘩の原因は何だ?」
ゴリラ「それは…」
ゴリラ「…………何だっけ?」
ジララ「おい」
◆
ヒョウ「えー!? 親分、うちらの喧嘩の理由知らんかったんか!?」
イリエワニ「それくらい把握しておいてほしかったわ!」
ゴリラ「うう、面目無い……今からでも聞いていいか?」
ヒョウ「まったくもう……ええか、うちらの喧嘩の理由は――」
ヒョウ「…クロヒョウ、なんやったっけ?」
クロヒョウ「姉さんが知らんことを、うちが知っとるわけないやん!」
イリエワニ「ふっざけんじゃないわよ!」
ジララ「そう怒るな。いがみ合っているうちに、喧嘩の原因を忘れるのはよくあることだ」
イリエワニ「あんたまだいたの?」
ジララ「まあな。しかし、その口振りからして、おまえは喧嘩の原因を覚えているのか?」
イリエワニ「当たり前よ! こいつ、私たちワニに先祖代々伝わる食事方法をバカにしたのよ!」
ヒョウ(せやったっけ…?)
ジララ「それはどんなものだ?」
イリエワニ「まあ、見てなさい!」
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2020/06/11/22:19
イリエワニ「もがー!」ゴロゴロ
ゴリラ「えー!? じゃぱりまんくわえながら寝そべってゴロゴロ転がってるー!」
ヒョウ「思い出したぁ! 確かに『何やねんそれー!?』ってツッコミながら爆笑したわ!」
イリエワニ「やっと思い出したのね! 今すぐ謝りなさい!」ガバッ
ヒョウ「そないけったいな食いかたするそっちが悪いわ!」
イリエワニ「何ですってー!?」
ギャアギャア
ゴリラ「…ジララ、どうすればいい?」
ジララ「……」
ジララ「おい、ヒョウ」
ヒョウ「何や!」
ジララ「あれは本来、ワニが大型の獲物に噛みついた後に自分の体を回転させることで肉を食い千切るための行動だ。ペコポン人は"デスロール"と呼んでいたな」
ジララ「ワニの歯は噛みつくことに適しているが、噛みきることにはまったく向いていない。だから、ああやって自分の口に入るサイズにしないと、何も食べられない」
ヒョウ「ええ!?」
ジララ(もっとも、フレンズ化した今では関係無さそうだが…)
ジララ「おまえは、ワニにとってそれほど大事なことを、バカにしたんだ」
ヒョウ「せやったんか……ごめんな、イリエワニ。うちが悪かった」ペコッ
クロヒョウ「うちも謝りますぅ…」
イリエワニ「…わかればいいのよ、わかれば! 次からは気を付けなさいね!」
メガネカイマン「良かったですね、イリエワニさん!」
ゴリラ(本当に良かった…)ジーン…
ヒョウ「ところで親分、結局その蛙、どないすんの?」
ゴリラ「ああ、今日から群れの一員として迎え入れることにした! みんな、仲良くするように!」
ジララ「よろしく頼む」
豹×2&鰐×2『えーーー!?』
第1話「一匹のカエル」完
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2020/06/11/22:20
第一回ミニコーナー
ジララ「ジララと」
イエイヌ「イエイヌの!」
ジララ&イエイヌ「「何でもミニコーナー!」」
ジララ「って何だこれは。急に話が脱線したぞ」
イエイヌ「今回は話が一段落するごとに、こうやってミニコーナーを挟むそうです」
ジララ「ほう」
イエイヌ「それで第一回なんですけど、何をしましょうか?」
ジララ「わからん。こういう事には疎いからな」
イエイヌ「えー……あ、そう言えばジララさん。妙に動物の生態に詳しいみたいですけど、どうしてですか?」
ジララ「ゼ……ドロロが俺を倒せなかった場合、俺がケロロ小隊に代わりペコポンに住む予定だったからな。ペコポン人以外に、どのような生命体がいるか調べておいた」
イエイヌ「はー、勤勉ですね」
ジララ「殺されるよりは、寿命で死にたいと思っただけだ」
イエイヌ「え、えーと……それでは、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。引き続き、物語をお楽しみください!」
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2020/06/12/22:11
第2話「お手伝い」
イエイヌの家
イエイヌ「……」
コンコン
イエイヌ「はい!」
ジララ「ジララだ。入ってもいいだろうか」
イエイヌ「ジララさん!? どうぞ!」
ジララ「失礼する」ガラッ
イエイヌ「ジララさん、どうしたんですか?」
ジララ「住み処が見つかったから、報告に来た」
イエイヌ「もうですか!? 早かったですね!」
ジララ「ああ、運が良かった」
イエイヌ「どこに住むことにしたんですか?」
ジララ「この先にあるジャングルだ」
イエイヌ「………………」
イエイヌ「あの、けっこうな距離があるはずなんですけど、どうやって移動しました?」
ジララ「以前は見聞を広めるために歩いたが、今回はイエイヌの家に行くだけだからな。瞬間移動を使わせてもらった」
イエイヌ「しゅんかんいどう?」キョトン
ジララ(さすがに知らんか…)
◆
ジャングル
クロヒョウ「ホンマやって! ホンマにジララの姿が一瞬で消えはったんや!」
ヒョウ「夢でも見たんとちゃうん?」
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2020/06/12/22:11
イエイヌ「あ」
ジララ「どうした?」
イエイヌ「お茶の葉、切らしてました…」
ジララ「そうか。気にするな、茶が目的で来たわけではない」
イエイヌ「そんな、約束は守らないと」
ジララ「しかし、茶葉など簡単に手に入るものなのか? 栽培している様子は無いが」
イエイヌ「山の頂上に、アルパカさんが経営するカフェがあります。そこからお裾分けしてもらってるんです」
ジララ「山の頂上? かなり遠いんじゃないのか?」
イエイヌ「ボスさんの吊舟がありますけど、往復に1日かかりますね」
イエイヌ「というわけでジララさん、また日を改めて(ry」
ジララ「いや、一緒に行こう」
イエイヌ「ええ!? 大丈夫なんですか? お年寄りに登山はきついかと…」
ジララ「乾燥にさえ気を付ければ、持久力はまだまだ高い。それに、土地勘を身につけるためにも、高い場所からジャパリパークをよく見ておきたい」
イエイヌ「…わかりました。ただし、途中で倒れたらおんぶしますからね」
ジララ「そうならないように、心がけよう」
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2020/06/12/22:12
ジャパリカフェ
ピピピ…
ジララ(ん? 電気の反応?)
イエイヌ「お邪魔しまーす」
アルパカ「いらっしゃいましぇ〜」
アルパカ「あれまあイエイヌちゃんでねぇの。久しぶりだねぇ〜」
アルパカ「おんや〜? お連れの方がいるなんて珍しね〜。イエイヌちゃんのお友達〜?」
イエイヌ「はい。ジララさんです」
ジララ「じ、ジララだ。よろしく頼む」
ジララ(何だ、この脳がとろけそうな声と口調は)ゴクリ
アルパカ「はい〜、これからもあたしアルパカとジャパリカフェをよろしくにぇ〜」ニコニコ
ジララ「あ、ああ…」
席 < ストッ
イエイヌ「それで、アルパカさん。またお茶の葉をもらえますでしょうか?」
アルパカ「もちろんいいよぉ〜」
イエイヌ「ありがとうございます! それじゃあ、いつもの始めますね」
ジララ「いつもの?」
◆
しばらくして
トキ「お邪魔するわ」ガチャ
イエイヌ「いらっしゃいませー!」←ウェイトレス衣装
トキ「お。今日はウェイトレスありの日だったのね」
ジララ「いつもこうか?」
アルパカ「私はただでいいよぉって言ったんだけんどね〜」
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