物語の部屋
[
1
]
謎の老人
Chrome
07/01 11:49
―――どうしても我慢できなくなったら、その星に手を置いて…こう唱えなされ
「我の願いを叶えんがため…その姿を現せ、偉大なる魔王よ!」
まさか本当に出てくるなんて…!?
編集
削除
コピー
書く
更新
検索
↓
返信数:23件
[
24
]
魔王
Chrome
07/01 13:22
切なげな表情で魔王を見詰める美琴―――
艶やかに光る愛液が赤黒い肉塊の尖端を濡らすも、それ以上先に進めないもどかしさに悶えていた。
彼女の顔に掛かる髪をそっと払い、紅潮した頬を掌で覆った。
「ふむ……もはや限界のようだな」
美琴の腰に手を回し、引き寄せるようにしながら躯をゆっくりと沈み込ませる。
肉塊が壁を押し分け奥へと入り込む……が、再び厚い壁に阻まれた。
恥ずかしそうに身悶えする彼女の心を鎖で縛るが如く、魔王はその瞳をじっと見詰めた。
「…我が愛しき美琴よ」
あのいやらしい笑みが美琴の瞳に向けられる。
「何が欲しいのか……包み隠さず、我に告げよ」
静かに玄関のドアが開き、警棒を構えた警察官と稲垣が廊下へと足を踏み入れた。
魔王から逃れるため美琴が外そうとしていたドアチェーンは、彼女が気づかぬうちに外れそのままになっていたのだ。
廊下のその先、部屋の奥に見えたのは……全裸になり男に股がる女の背中……その妖艶な光景に、二人の男は押し黙ったままその場で呆然と立ち尽くした。
編集
削除
コピー
[
23
]
稲垣
Chrome
07/01 13:22
美琴が快楽に溺れ始める、その少し前―――
稲垣はマンションの階段を転げ落ち傷だらけになりながらも、ようやくエントランスを出て無我夢中に街を走り続けていた。
ドアの隙間から見えた、異形の姿をした…化け物。
その姿を思い出した途端、脚がガクガクと震え出しその場に手をついて倒れ込んだ。
稲垣は今でこそチンピラに成り下がってはいるが、もう少し若い頃は地元で頭を張っていた程の男だった。
その頃の勇姿が彼を奮い立たせようとする。
「あ…あれは…コ、コスプレとかいうヤツだ………きっとそうだ……」
そう思い込もうとしたが、記憶に刻み込まれた化け物の紅く光る目が再び彼を睨みつける。
「ひっ……」
情けない声を上げながら手足をばたつかせ、何かから逃げようと後ろへと下がる。
何かが稲垣の背に当たり、その逃げ道を塞いだ。
「どうされましたー?大丈夫ですか?」
紺色の制服に制帽…腰にぶら下がる警棒…警官だ。
昔から目の敵にしていたはずのポリ公…稲垣はその脚に縋りつくように助けを求めた。
「ポッ、ポリ……い、いや…お巡りさんっ!バッ…………」
化け物、と言いかけて慌てて口を塞ぐ。
そんな言葉を口にしたら、確実にヤク中だと思われてしょっぴかれる。
「隣の部屋に、強盗…そう、強盗!!」
編集
削除
コピー
[
22
]
美琴
Chrome
07/01 13:21
体が、蕩けてしまいそうだ………
今まで自分で自分を慰める事もなく。
それはまさに初めての感触だった。
体の芯が熱く熱く燃え上がっていく。
寒気の様な快感が皮膚を走っていく。
沈んで溺れる様な、襲い来る快楽。
「あっ……あ…ぁっ……ん…」
短く、控えめに漏れる声。
頭の片隅で思い出す。
隣の稲垣さんの部屋から漏れてきた声。
男と女の情事の奏でる声と音。
それが聞こえて来る夜にはヘッドホンを付けて、聞こえない様に、自分自身を闇に閉じ込めた。
ああ、今この声は彼に聞こえてるんだろうか。
また、うるさいと言って怒鳴り込んで来るんだろうか。
そんな、快楽の海に溺れる中で妙に現実的な事が一瞬、浮かんで消えた。
その快感の入口、熱く硬直したものが、中へ入り込もうと壁を押し退ける。
それ以上は……おかしくなりそうで。
一瞬腰が引けるも夢なんだから、と言い聞かせるのは、美琴自身がその先を、知りたかったからなんだろう。
仰け反りながら、魔王の肩に手を置いて、自ら腰掛ける様に腰を沈めていく。
先が少しだけ押し分けて入って来ると、厚い壁にぶつかる様に侵入は阻まれ…
切なげな表情に顔を歪めながら、下に見える彼の瞳に答えを求めた。
編集
削除
コピー
[
21
]
魔王
Chrome
07/01 13:21
―――だめ、ですっ…魔王…さまっ―――
その言葉を待ち望んでいたかのように……
“美琴”の背中を両腕で包み込み、ふっと指先だけに力を込めた。
竪琴を爪弾くかのように…指先が躯を流れる度、美しく艶やかな音色が奏でられていく。
「美しき我が竪琴よ………そのすべてを我に捧げよ………」
その呪文のような言葉の意味を、美琴は自らの疼きをもって悟った。
魔王は紅く染まる美琴の躯を自らの肌に滑らせ、ゆっくりと抱え上げる。
燃えるように熱い肉塊が美琴の陰核に触れた。
まるで禁断の果実を*ぎ取るかのように……何度も、何度も……強く擦り上げていく。
美琴は真っ白な世界の中で、気を失いそうになるのを懸命に堪えた。
やがて……赤黒く熱り立った尖端がその果実を弾き……既に愛液で溢れる密壷の淵へと辿り着いた。
編集
削除
コピー
[
20
]
美琴
Chrome
07/01 13:20
耳からも、肌からも、まるで電気が走るかの様に痺れていった。
漏れる吐息は微かに震え、美琴はその快感に溺れられずにいた。
怖い…
アニメでも、漫画でもない、自分自身に起きている事。
そのリアルな夢は、確かに美琴の体を火照らせ疼かせていた。
気付けば美琴も彼も、服を着ていなかった。
胸元に顔を埋める彼、そして…
「……っんぁっ……」
おかしな声が出てしまう。
ぎゅっと目を瞑るのに、胸先からじわりじわりと広がる快感は、とても熱い何かの様に体へ広がり、麻痺させていく。
握りしめていた手は魔王の肩を掴んでいた。
彼が舌を動かす度に、その手に力がこもる。
「だめ、ですっ…魔王…さまっ」
ふるふると顔を横に振ると、髪が頬に掛かって乱れた。
まるで小さな子が泣く様に顔を歪めた美琴は、それでも大人の女の顔で頬を赤らめていた。
編集
削除
コピー
[
19
]
魔王
Chrome
07/01 13:20
「ミコト………よい響きだ」
低い声でそう囁きながら美琴の柔らかい耳を唇で甘く噛み、細くしなやかな首筋…小さく震える肩へと流れていく。
男は不意に美琴の腰を抱え上げ、己の膝の上に股がるように座らせた。
部屋着の隙間から覗く白い谷間…男はゆっくりとそこに顔を埋めていく。
「これはもう…必要なかろう」
美琴の背中をすぅっと指が滑り落ちる。
その動きに合わせて美琴の部屋着、そして男の服が徐々に消え去っていく。
美琴が握りしめていたはずの黒いシャツが消え、小さな手が男の厚い胸板に直接触れる。
……細い腕……顔を埋められた胸元………優しくも力強く抱えられた腰……。
男の肉体に触れた個所が次々と犯されていくように感じ、美琴の躯はさらに火照っていく。
ふふっ、と男は美琴の疼きを見透かしたように小さく笑い、谷間から乳房の先にある蕾へと唇を這わし…口に含んだ。
焦らすかのように舌が円を描き、ゆっくりと蕾へと向かいながら愛撫していく。
―――舌先が蕾を弾いた―――
その瞬間、美琴は何もかもが白く塗りつぶされていくのを感じた。
目の前に広がっていく真っ白な世界―――。
その眼下に待ち受けている赤黒く熱り勃った世界に、美琴は気づかないでいた。
編集
削除
コピー
[
18
]
美琴
Chrome
07/01 13:19
眼鏡が奪われる。
涙で滲んだ視界が更にぼやける。
それでも、彼の表情、仕草、声色、手の温もり…
それはさっきまでの美琴の恐怖を一気にかき消すに充分だった。
登場の仕方から人ならざる姿、周りの物まで揺らす様な気迫…
思い出しても震え上がってしまいそうなのに、今の彼ときたら…
「………ん……っ」
柔らかく、頬を髪を撫でられたかと思うと。
不意にふわりとした感触が、唇に触れた。
それが口付けであるという事に気付いた時には、美琴の唇はまだ、硬く閉ざされたままだった。
こんな事は初めてで。
決して強要などではない、その柔らかな感触。
抵抗するのも忘れてただその甘い口付けを受けるうちに、閉じていた唇は求める様にうっすらと、開いていた。
男性経験などない美琴の体は、明らかに彼の行為により欲情していた。
目を閉じて、唇を重ね、舌を絡めて、吐息を漏らし…
悪夢などではなかった。
きっとこれは、美琴の寂しさを紛らすほんのひと時の甘い夢…
唇の温もりが消えても暫くは、目を開けなかった。
夢なら覚めないで欲しいと、何処かで願っていたから。
耳元で響く低い声が、美琴の体に震える様な刺激を走らせる。
「………みこと、です……魔王様………」
ゆっくりと目を開きながら、名を告げた。
ぼやける視界に彼の瞳を捉えようと見上げ…
いつの間にか右手は、彼の黒いシャツを握り締めていた。
編集
削除
コピー
[
17
]
魔王
Chrome
07/01 13:19
男は押し退けられた眼鏡を摘まみ上げ、涙を拭う手を掴んで美琴の瞳を覗き込んだ。
「その瞳……やはり、面影があるのだな」
男はどこか懐かしそうな瞳で美琴に微笑みかけ、頬を伝う涙を指で拭った。
先程までいやらしい笑みを浮かべていた顔と余りにも違う、心の奥底まで包み込むような優しい笑顔に驚き固まる美琴。
涙を拭った指を耳元へ滑らせ、愛しむように髪を掻き分けながら不意に引き寄せ―――唇を重ねた。
想像していたよりもずっと柔らかい―――宙に浮いたように全身から力が抜けていくのがわかる。
甘い香りが鼻先をかすめていく。
何度も甘く柔らかい唇で愛撫され―――いつの間にか―――互いの舌が求め合うように絡みついていた。
先程の情事がふと脳裏に浮かび、美琴の躯が再び疼き始める。
美琴の変化を感じとったかの様に、男の唇が頬を伝い耳元へと流れていく。
「名は何と言う…人間の女よ………」
吐息混じりの甘く低い声―――美琴はピクッと小さく躯を震わせた。
編集
削除
コピー
[
16
]
美琴
Chrome
07/01 13:18
ぱちん。
突然男の声が聞こえて、糸が切れる様に突然それは途切れた。
ハッとして目を開ける。
やっぱり自分は布団に包まったままだった。
彼は魔王で、私が召喚した。
そこまで理解が追いついて、布団から顔を出す。
彼、ルシファが手にしていたものは…
「………あっ!」
美琴が買って、人目の触れない所に隠してあった本。
ネットで注文して一度読んで、クローゼットの奥に隠してあったのに。
「か、返してっ」
慌てて布団から飛び出した。
涼しい顔でソファに座るルシファ。
手を伸ばして本を奪い取ろうとするけれど、嘲笑うかのように軽く手を上げられると美琴には全く届かない。
「お願いっ……返してっ…!」
半分涙目になりながら、男にのしかかり手を伸ばす。
不意に、男の体がソファの背に深くもたれ傾くと、バランスを崩した美琴は男の体の上に、まるで抱きつく様に倒れ込んでしまった。
「か……返してください…」
何という惨めな姿なんだろう。
もはや奪い取ろうとする気力もなくなって、男の胸の上でじわじわと溢れてくる涙を眼鏡を押し退けて拭った。
編集
削除
コピー
[
15
]
美琴
Chrome
07/01 13:18
声が聞こえた。
――我が名はルシファ、貴様が召喚した魔界の王
漫画で読んだ事のある名前。
天使と悪魔の戦いを描いたその漫画の中で彼は、天使であり悪魔だった。
地獄に落ちた天使…堕天使。
その妖艶な姿に心ときめかせていたものだった…が。
つまり、今同じ部屋にいる彼こそが、ルシファだと言うのだ。
混乱した頭が少しずつ覚醒していく。
何故こんな事になったのか?
――術者
処女であり未だ満たされぬ者
――召喚
魔導書に手を置き呪文を唱えよ
つまりは…美琴が魔王ルシファを召喚した、という事だ。
そして、その次…
頭の中で思い出そうとした。
思考が突如映像に変わる。
「………」
まるでテレビを見ているかのような、鮮明な。
それは目の前で繰り広げられているかの様だ。
ここは布団の中で、私の部屋。
それなのにその映像は、美琴の体と心を支配する。
「………っ」
女の高まりが分かる。
未だ経験のないその行為は、それでも見ていると美琴の体の奥をじんと熱くさせる。
映像の中の女が昇りつめて行く中、美琴自身の疼きも高まっていく…
編集
削除
コピー
前のページ
次のページ
/3
書く
更新
検索
↑
スレッド一覧
日間
週間
月間
「我の願いを叶えんがため…その姿を現せ、偉大なる魔王よ!」
まさか本当に出てくるなんて…!?