†怖い話E†
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はっしー◆FA//69upcU
2022/08/03 20:52
怖い話を貼って行きます
※全て自己責任でお読み下さい※
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/22 21:32
【間違って呼び出しボタンを押してしまった】
大学生のときに同じ学校の友達が経験した恐怖体験です。
ある夜、友達が私のアパートに駆け込んできました。
まるで怖いものでも見たように青ざめた顔で、部屋の床にへたり込んだ友達になにがあったのかと問うと、こう言ったのです。
風呂に入っていて、追炊き機能のボタンを押そうとしたとき、間違って呼び出しボタンを押してしまった。
その時、風呂の外から女の声で
「待ってて、今行くから」
と聞こえてきたのだと言うのです。
友達は、結構いい賃貸マンションに住んでいるのですが、実家は地方のため、私と同じ一人暮らしです。彼女もいません。
一体だれの声だと思ったとたん、悪寒が押し寄せてきて震えがとまらなくなったそうです。
怖くて風呂から出るのもためらわれたが、風呂から出ないことには外にもいけない。
そんなわけで、脱いだ服をあわてて着て逃げるようにマンションから飛び出してきたのだといいます。
「部屋の中に、女の人がいたのを見たの?」
との私の問いかけに、友達は小さく
「わからない。怖くて、わき目も振らずに家のドアまで向かった。でも…ドアにはきちんと鍵がかかっていて、チェーンもしていたんだ。大学から帰って、俺が戸締りをした。鍵はかかっていた。間違いないんだ。」
と、がたがた震えながら言いました。
結局その日は友達を家に泊めましたが、電気を消さず冷蔵庫に入れてあった酒を浴びるように飲み、なんとか気持ちを落ち着かせていた、といった状態でした。
そして彼はそのまま実家に帰り、両親がマンションの荷物を引き取りに来たようでした。
それ以来、連絡を取っていないのでその後のことは分かりません。
あの話を聞いて以来、私は風呂の中で呼び出しボタンを押さないように、細心の注意を払っています。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/22 21:31
【娘だけに見える顔】
現在小学五年生の娘が3才位の時の話です。
小さい子供には霊感があるとよく聞きますが、まさしく私の娘もそうでした。
よその家を見て「窓にガイコツがいるよ」とか玄関を指差して「おじさん入ってきたよ」と言ったり。
あまりにも娘がケロッとしているので、はじめは冗談を言っていると思ったのですが、ある日私のケータイで写メを撮って遊んでいる娘が不思議な写メを撮りました。
その写メには空が写っているのですが、画像の中央には人の目が一つだけハッキリ写っているのです。それを私に「お空にオメメがあるよ」と無邪気に笑いながら見せてきたので驚きました。
と同時に、今まで言ってた不思議な話は本当だったのかなぁ…と思えるようになってきました。
娘の発言で一番怖いと思ったのは、娘と二人だけで私の部屋でお人形遊びをしていた時のことです。
私の部屋には帽子がいくつか壁に飾るように掛けてあるのですが、その帽子の方を指差して娘が笑っているのです。
壁に背を向けて座っている私は「どうしたの?」と聞くと娘はニコニコしながらこう言ったのです。
「お顔が出てる」
指差しているのは壁に掛かった帽子の一つです。私の背後にある帽子を恐る恐る振り返って見たのですが私には何も見えませんでした。
小学五年生になった娘ですが、その時の事を覚えてないようです。そして今では霊感も無いようで、やっぱり小さい頃にだけある特別な能力だったのでしょう。そう思ってます。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/22 21:30
【恐怖という感情】
あれは私が子供のころ、幼稚園児ぐらいの事だったと思います。
そのころ、私は夜になるとよく、パパに連れられて公園にお散歩におでかけしたものでした。
だいたい30分ぐらい?夜の公園をめぐって帰ってくるのですが、昼間遊んだ公園とは全く違って見えて、ちょっとした冒険をしているよな感覚でワクワクしたものでした。
ある日のこと、この日は泊まりに来ていた従妹とパパと3人で、いつものように夜の公園へお散歩にでかけました。
自宅から200mぐらいのところにある公園で、昔は今ほど外套も少ないので、日が暮れたばかりだというのに真っ暗に感じられました。
近所の公園は割と大きく、公園の真ん中には冬場は軽くスキーができるような2つこぶの山があって、その周辺がサイクリングロードで囲まれているような構造をしていました。
公園に足を踏み入れてすぐに、ベンチに女の人が座っているのを見掛けました。
その女の人の髪は長くて、ちょうど斜め右後ろから眺めていたのですが、長い髪のせいで顔は見えません。
その女の人は真っ暗だというのに、雑誌のような本を読んでいました。読んでいるというよりも、仕切りにページをめくっていました。
バサッ バサッというページをめくる音が何かその女の人の感情を表現しているかのようで、私はココロのどこかで「オバケかな?」と その状況から判断できる最も妥当な回答を思い浮かべました。
しかしお化けなどそれまで見たこともなく、さらに好奇心の方が上回っていたので、その女の人の顔を見たい!という衝動にかられました。
右足を一歩踏み出して、その女の人の顔を見てやろうと動いた瞬間でした。
「アレ、この角度なら顔が見えてもおかしくないのにな?」
なぜか女性の顔が見える位置まで移動したのに、女性の顔が見えません。
言うならば、私が一歩ふみだすと同時に、同じ方向へ女の人の周囲だけがその角度分回って見えなくなった、という感じです。
その時、私のちょうど右側から「何してるの?」と従妹が話しかけてきました。そしてその日はそのまま帰宅しました。
ですが公園の外に出て、そろそろ家に着くという頃に従妹が
「あのベンチに座っていた女の人、顔がないからオバケかと思った」
と言ったのです。
それをきいたパパは一目散に「逃げろ〜」といって走っていってしまい、私たち二人も後を追うように逃げました。
ここで不思議なことに気づきました。
私と従妹はオバケかな?と思ってはいたものの、逃げよう、怖いとは思っていなかったのです。
一方大人のパパはその後もものすごく怖がってました。
私と従妹の結論としては、子供はおばけがこわくない、怖いって知らされる以前の状態なのだ。
お化けが怖いというのは周囲の影響に曝された結果で、それを怖いものだと認識させられてしまうだけの錯覚(若しくは洗脳)なのかと、今でも思っています。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/20 21:59
【霊の通り道】
元同僚Sが体験した話です。
当時マンションの一室を借りて営業してた小さなデザイン会社に勤めていました。
業種柄連日遅くまで作業することが多々あったのですが、
その日もSは一人で深夜まで残業していました。
トイレに行って、仕事部屋に戻ると、バルコニーに出る戸のところにおじさんが突っ立ってSをじっと見てるというのです。
Sはなんというか無頓着で、一風変わった感覚の持ち主で、とくに恐怖心は感じなかったような口ぶりでその状況を語ってくれるですが、そんなSもなんだかまずい雰囲気であるということは察したようで、とりあえず近くのコンビニで立ち読みをして時間をつぶしていたそうです。
暫くして、「そろそろ行ったかな」と思ったSは(その予想も意味不明なのですが)、事務所に戻って荷物を持って帰宅したそうです。その時はいなかったそうです。
後日、同僚Kの母親(霊能力者)に事務所を見てもらったところ、その建物自体が、霊の通り道になっているらしく、角部屋であるその部屋がかなりの交通量(っていうのか?)になっているとのことでした。
彼女曰く、中でも一番ひどいのが、Sの席の壁のところだそうです。
恐らくその出来事となんらかの関係があると思うのですが、その事務所の隣の部屋の住人のことはどの同僚も殆ど目にしないのです。
電気がついていたりと、たしかに生活感はあるのですが、なんというか異様な雰囲気なのです。
玄関の扉の郵便受けに新聞やら広告が溜まることは度々あって、よくそれをぶちまけていました。
よく玄関の脇に2つ盛り塩していました。
昼間コンビニに行こうと前を通ると、玄関を少しだけあけ、小さな娘さんが静かにこっちを覗いてることもありました。
連日深夜まで作業していて、結構大きなボリュームでラジオを流していたり、テンションの高まった同僚が騒いだりすることも度々ありましたけど、苦情が来たことは一度もありません。
ちなみに、おじさんが立っていたのは、隣の部屋の真隣でした。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/20 21:58
【ビジネスホテルの怪 in 大阪】
先日、大阪(伊丹)空港近くのビジネスホテルに滞在した時の実話。
ホテルは翌朝のフライトに備える為のもので、とりあえず寝られれば言う程度だったので
インターネットで発掘した格安ホテルにした。
ビジホの外観は格安ビジネスホテルの典型とでも言うべきもので、真っ白だったコンクリート壁が、
長年風雨にさらされて黒いシミだらけになり、日暮れには幽霊屋敷の様に見えてもおかしくはない。
このホテルには旧館と新館があったが、予約が取れていたのは当然の如く旧館。
部屋は4階の端の部屋で、部屋の窓からはホテルの看板が通路に良く見えるように
無理に支柱をつけて取り付けられている、ホテルの看板の裏以外何も見えない。
必要最低限のものは揃っているが部屋は非常に狭く、スーツケースを床に置いていると歩く度に
足がどこかにぶつかるほど。
当初の雰囲気自体は悪いものではなかったが、1つ気になったことがあった。
それは、ユニットバスのドアの鍵穴にこじ開けられたような跡があると言うこと。
この手の鍵は内側からプッシュしてロック、ドアノブを内側から回すと自動的に解錠されるタイプ。
つまりユニットバスの鍵は内側に誰かいないと施錠されず、外から鍵をこじ開けようとすることは
内側に誰かがいる場合の確率が高いことになる。(その意味することは・・)
とは言っても、鍵を押して外に出てからドアを閉める等、色んな可能性が考えられるわけで、
頭から余計な不安は押しやって翌朝の体調を万全にすることに集中した。
就寝したのは恐らく夜中の12:00頃、翌朝は6:00起床なので十分な睡眠時間だろう。
やがて眠りに落ちて行ったが、しばらくして頭の後ろから壁をドンドン叩く音に目がさめた。
音の方に集中すると、なにやらひそひそ話す声もしている。
半ば寝ぼけまなこのことだったが、重要なことに気が付いてしまった。
この部屋は4階の端の部屋で、ベッドの配置から寝ている頭の向こうには部屋などないのだ!
ちょっと気味が悪くなり、無理やり寝てしまおうと気にしないように努力したが、
今度はひそひそ話をする声がユニットバスの中からと思えるような距離から聞こえ始めた・・
心地良いはずの眠りが何処へやら、血圧は一気に上昇して眠気は吹き飛んでしまった。
それでもこのまま眠りに再び落ちれればと思い、寝ようとしたが今度は煙草の匂いが漂い始めた。
実はこの階にある部屋は全て禁煙で、煙草の匂いがすると言うことは誰かが
部屋の前で煙草を吸うこと以外に考えられないのだが、こんな夜中にしかも禁煙の部屋しかない階で
しかも一番端の部屋の前に来て、煙草を吸うなどと言うのは非常に確率の低いことのように思える。
ここで耐えきれずに目を開け、ベッドに座った状態で照明を点け、辺りの状況をしばらく伺っていたが、
煙草の匂いは、どうもユニットバスの中から漂ってきてるようで、
気は進まなかったが、ユニットバスの中を確認する必要があると思うようになってきた。
時計を確認すると、午前2:53。
ベッドから立ち上がり、ゆっくりユニットバスのドアを開けようとドアノブを回したがノブが回らない。
どうやら内鍵が、かかっているようだ。
当然、寝る前に使った時は問題なく開閉できて、施錠してドアを閉めると言った凡ミスは犯していない。
意味不明にガチャガチャとドアノブを回したが、やはりドアはビクともしない。
煙草の匂いはついに部屋の中に充満し、部屋の中かユニットバスの中で誰かが煙草を吸っている様だ。
さすがに気味が悪くなり、部屋を飛び出そうかとも思ったが、何もしないまま時間だけが過ぎて行った。
すると突然、ベッドの脇あるアラームが午前3:00を指して鳴り出した。
疲れきっていたので、部屋備え付けのアラームを確認せず寝てしまったようだった・・
ビックリしてベッドに戻り、アラームを消して...
さっきまで充満していた、あの煙草の匂いが嘘のように消えている。
壁の向こうの騒音も、ひそひそ話す声も聞こえてこない。
まるで夕立ちが過ぎ、全物が活動を始める直前の静寂、雨がどんよりした空気を洗い流し、
浄化された空気が、部屋中に立ち込めているようだ。もしやと思い、ユニットバスのドアを急いで開けてみると...
これも何事もなかったかのように開閉できる。
煙草の匂いもない。
狐につままれたような感じだったが、耳を澄ますとホテルの同じ階に設置してある自動販売機の、
冷凍機のブーンと言う音が聞こえ、この階全体が普通の夜を取り戻したと言う実感が湧いてきた。
翌朝、睡眠不足のままホテルを経つことになったが、フロント係にあの部屋について尋ねたところ、
しばし考えた末、就職して間もないから分からないと言う回答が返ってきた。
結局、ドンドンと言う騒音が何なのか、話声の正体は何だったのか、
煙草の匂いは何処から来て何処に消えたのか等、謎ばかりが残ったが、
今から思うと、わざと誰かがアラームを午前3:00にセットし、怪現象が止むようにしたとも思える。
もし、大阪(伊丹)空港周辺で、格安ホテルに宿泊する際には十分に注意を払って頂きたい。
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196
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/20 21:55
【幽霊トンネル】
これは、自分が大学生だった時の話だ。
当時、やんちゃだった自分は、よく心霊スポットに出かけていた。
ある日、遊び仲間の友達が、「すぐ近くに幽霊トンネルがあるらしい」と教えてくれた。
早速、週末に数人の仲間たちと一緒にその幽霊トンネルへと出かけた。
そんな近くに幽霊トンネルがあったとは、自分は知らなかった。
市街地から車で10分ほどの所にそのトンネルはあった。
かなり大きなトンネルで、出口が見えない。
奥からは、かすかに風が不気味な音と共に流れてくる。
トンネルの上部には「大東亜トンネル、昭和十七年三月五日竣工」と書いてあるのが辛うじて読めた。
そして、何故だかトンネルの端っこのレンガが崩れたいた。
鉄柵があったが誰かが蹴り破ったのだろう、中央の部分が大きくひしゃげていた。
自分達は、そこから入ることにした。
その時自分は時計を見た、11時30分だった。
かつては蒸気機関車が走っていた鉄道トンネルだったのだろう、天井部分が真っ黒に変色している。
ただ、側壁のレンガだけは何十年も放置されている割にはきれいだ。
最初は緊張していたが、すっかり気も緩んで、友達とふざけ合っている時に異変が起きた。
突然、手に持っていた懐中電灯の明かりが消えたのだ。
故障か、電池切れ、はたまた接触が悪いのかと叩いたりしてみたのだが、一向に点く気配がない。
薄気味悪くなり、皆で立ちすくんでいた時、突然強い風が奥の方から吹いてきた。
友達は、我先にと逃げ出した。
自分はというと、逃げようとした際に足もとの何かにつまづいてしまい、尻餅をうってしまった。
自分も必死に逃げようとするものの、金縛りにあったように体が動かない。
その時、前の方からかすかに足音が聞こえてきた。
良かった…大方このトンネルはまだ使われていて作業員が点検をしに来たんだ…
そう思っていたが、後々考えると鉄柵で封鎖されているのに使われているはずがない。
そうしている間にも、足音はだんだんと大きくなり、やがて人影が見え始めた。
案の定、現れた「人」は作業員などではなかった。
防空頭巾を被った女性、顔の半分吹き飛んだ男、半ばミイラになり、目玉が飛び出した男だ。
逃げようとするが、腰が笑って立ち上がることすらできない。
後ずさりすることしかできないのだ。
段々と距離がつまり、やがて眼の前に近づいてきたときに、指に何かが触れた。
それは、先ほど逃げようとしてつまづいた物だった。
鉄かぶとを被った頭蓋骨だ。
普通ならそっちの方を怖がるのだろうが、冷静さを失った自分は何とも思わない。
何故だか分からないが、その頭蓋骨が目の前の「人」のものだと直感した。
そして、唐突に「これですね?これでしょう!?」という言葉が口から出てきたのだ。
なぜそのような言葉が出てきたのかは分からないが、助かるにはそれしかないと思った。
効果は、予想以上に大きかった。
今まで、あれほど恐ろしい顔をしていた「人」がみるみるうちに変わっていったのだ。
本当の「人」になっていった。
20歳くらいの男性、眼鏡を掛け、襷を肩にかけた男性、お下げの女学生…
まるで生きているようだった。
その時、後ろの方で叫び声がした。
友人たちが意を決してトンネルの中へと入ってきたのだ。
はっとして再び前を見たとき、彼らの姿はすでに消えていた。
「友達がトンネルから出てこない」と、友人は警察にも通報していたのだ。
役場の人、警察官もでる騒ぎとなった。
立ち入り禁止のトンネルへ入ったのだから当然だ。
もちろん、親にもさんざん怒られた。
そのあと、「大東亜トンネル」を知っている親戚から話を聞くことができた。
大東亜トンネルは、太平洋戦争が開戦した翌年に完成した。
開戦を記念してその時の太平洋戦争の名称「大東亜戦争」から付けられた。
このトンネルが心霊スポットと化す原因は、戦時中の「事件」からだった。
10両編成のうち、5両に出征兵士を乗せた列車が米軍機に攻撃されたのだ。
その列車は「大東亜トンネル」の手前で攻撃され、トンネル内部で脱線した。
機銃掃射のほか、4発発射されたロケット弾のうち3発が命中、列車は炎上したのちトンネル内部で脱線転覆した。
外れた1発がトンネルの入り口付近に命中した。
端っこのレンガが崩れていたのはそのためだったのだ。
結局、焼死、生き残った者もトンネル等密閉空間のために大部分が発生した煙に巻かれ死亡し、
500人の乗員乗客のうち生存者はわずか54人だけだった。
時間は昭和20年8月14日の午前11時30分、時間も同じだった。
大惨事だったが、戦時という非常時だったために事件は次第に忘れ去られたいったのだという。
自分は確信した、あの人たちは、そのことを知ってもらいたくて出てきたのだと。
大東亜トンネルは、子供が入ってきたりして危険なため、取り壊そうという話が何度も出た。
しかし、そのたびにトラブルが頻発して中止になったのだ。
その騒ぎののち、大規模な慰霊碑が設置され、発見された遺骨もおさめられた。
それから後、再び取り壊し工事が行われる事になったが、心霊現象はぴたりと止んだという。
そして、工事はスムーズに行われてトンネルは解体され、現在は慰霊碑のみが残っている。
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195
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 22:58
【こんなところで何やってるの?】
二十歳の夏の時の話
友達と車で毎晩のようにナンパに行っていた。とある海岸通りを過ぎ、友達が「収穫ないし、今日は帰るか?」と話かけてきた。
明日も仕事だしな、帰るか、と俺。そんなこんなで帰り道、車を走らせていると
あるトンネルの入り口に白いワンピースを着て、むぎわら帽子を深々と被った女の子を発見!
時計を見ると夜中の2時を回ったあたり。こんな時間にこんなところで何やってんだ?と友達。
とりあえず車をUターンさせろと俺。車をUターンさせ彼女の近くへ
こんなところで何やってるの?助手席から話かけるも無言…とりあえず車を脇に寄せ、歩いて彼女に近づき、再度話かけるも無言…
ふと彼女の足元を見ると裸足、しかもびしょびしょに濡れている。
友達が深々被ったむぎわら帽子を覗き込もうとすると顔を背ける。???
こんな時間に一人でこんなところいたら危ないから送ろうか?
またしても無言…
何かえもいわれぬ気味悪さを覚えその場を退散。
その日はそのまま帰宅し、数日たったお盆休み。両親と弟は田舎に墓参りにいって、その日は一人。
昼の2時?くらい、連日の夜遊びで疲れが溜まっていたのかウトウトと昼寝をしてしまった。
一時間位昼寝をして、時計を見ると15時過ぎ。
すると、玄関が開く音がする。アレ?誰かきたのか?横になったままボーッとしていると
勝手に上がりこんだみたいな足音がする。
足音をよーく聞くと、ピチャピチャと濡れたような音。しかも一人じゃない…
やがてその足音は2階にいる俺に気づいたのかしらないが、階段を上がりだした。
あまりの恐怖でガタガタと震えている。無意識のうちに、身体は金縛りなのか寝た状態から動かない。
ガチャン!! と部屋の扉が開く
そこには、数日前の夜中、トンネルで見た白いワンピースの女と、もう一人ひまわり柄のワンピースをきた女が立っていた。
二人ともむぎわら帽子を深々被り顔が確認出来ない。
幽霊ってこんな昼間でもでんのかよ??と呟く余裕もなく
二人がベッドの側に歩みよってくる。
そしてベッドの横に立ち、白いワンピースの女がひまわり柄の女に
「ねぇ、誰かさんに似てない?」
するとひまわり柄の女が、俺の顔を覗き込むように顔を近づけた。
「うん、似てるフフッ」
その女、目は空洞 顔は真っ黒。
ギャーーーーと力の限り叫んだところ、身体が動くようになり、その女達も消えました。
が、自分の部屋のベッドにいたつもりが、なぜか風呂場で倒れていて時間は夜の10時を過ぎていました。
未だにあの日の経験はなんだったのか?不思議で仕方ありません。
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194
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 22:56
【どこか行け!!】
夏の出来事。
学生だった俺達は、夏休みに男5人でキャンプに行こうってことになった。
ワンボックスカーで**県の山に向かった。
酒を飲んで騒ぐことが目的だったので、周りに他のキャンプ客のいない(当然民家も無い)山奥の河原にテントを張った。
誰に気を使うことなく、BBQを食いながらビールとワインを飲んでドンチャン騒ぎをした。
俺達の声以外には、川の音と虫の鳴き声しか聞こえない。
深夜になるとみんな酔っ払って、誰からともなくテントで寝だした。
俺も寝ようとテントに入ったんだけど、山の夜は寒くて寒くて寝れたもんじゃなかった。
俺はテントで寝るのをあきらめて、車で寝ることにした。
車の後部座席をフルフラットにして毛布をかぶって寝ていると、後部座席のドアを外からコンコンって誰かがノックした。
俺は「テントで寝ていて寒くなった誰かが避難してきたな」と思いながら、スライドドアをガララと開けた。
その瞬間、幼稚園児ぐらいの男の子が車内に入ってきた。
「!!」
車内に入ってきた男の子は後部座席から運転席に行き、シートに立って、オモチャの車で遊ぶようにハンドルを動かしている。
こんな山奥にこんな小さな子供がいるわけない!
俺はハッチバックを内側から開けて外に転がり出て、裸足で河原まで走って行き、テントで寝ていた4人を叩き起こし、今起こった事を半泣きで説明した。
「寝ぼけてたんじゃないのか?」
と1人の友人が言ったとき、
ビーーーーーーーッ!!ビビーーーーーーーーッ!
と俺達の車のクラクションが鳴った。
「…これはやばいな」
震えた声で1人がそう言った。
俺達はテントで夜が明けるのを無言で待った。
クラクションが鳴ったのはその2回だけだった。
30分ぐらい経った頃、イライラしだした1人の友人が、
「幽霊かナニか知らないけど、こーゆーときは弱気になったらダメなんじゃね? 子供なんだろ? 『どこか行け!!』って怒鳴ったら消えるんじゃないか?」
と言い出した。
そのとき、テントの入り口から男の子がヌッと中に入ってきて、
「お前たちがどこか行け」
と無表情で言った。そこから記憶が無い。気付くと朝になっていた。
逃げるようにその場所を離れた。
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193
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 22:53
【真夜中に置き去りにされて・・・】
忘れもしない二十歳の誕生日、よりによって深夜。
山道をドライブ中、些細な口論から彼氏の怒り爆発、山頂(?)の駐車場に置き去りにされた。
友達か警察に連絡しようかとも考えたが、後々語り話で「真夜中ひとりで!しかも歩いて下山したんだよー!」とか(笑)そんな武勇伝にしたくて、私は歩き出した。
若かったし、本当に馬鹿だったと思う。
所々、電灯はあるものの(ちゃんと歩道もあった)かろうじて点いてる感じ。
かなり薄気味悪い。
だけど猛烈に頭にキていたので恐怖はなかった。
途中、何台か車が私を追い越していった。
中には歩道スレスレをゆっくりと徐行して走り、私が振り向くと脅えた様子で逃げて行く車もいた。
地元の人間だって深夜ひとりでこんな場所を歩かないだろう。
きっと良くあるネタの幽霊だと思われてるに違いない。
それがちょっと面白くなって、こんな状況下だというのに楽しみながら下山していた。
「ねえ、どーしたの?」
真横から突然男の声がして思わず叫ぶ、膝がガクンとなってうずくまってしまった。
すると「ごめんごめん」と笑い声、見れば白っぽい車がすぐ脇にある。
「どーしたの?ひとり?」
「実は彼氏と喧嘩して?」
派手に驚いた手前恥ずかしくて余計な事まで話してしまった。
同じ年くらいの好青年で(ものすごく爽やかだったので)後部座席に黄色の服を着た女の子もいたから妙に安心してしまったのかも。
暫く話をして「乗せてくよ」と親切を言ってもらえたけど、一番近くのコンビニまで後10分くらい?という所まで下山出来ていたので断った。
コンビニを過ぎれば民家がちらほらある。
二人は特別しつこくするわけでもなく「じゃあ、気を付けて」「頑張ってね!彼氏殴っちゃいなよ?」といい雰囲気で別れた。
世の中捨てたもんじゃない。あんな親切な人もいるんだな。そこに比べて彼氏は最低だ!付き合いを本気で考え直さなきゃ!
なんて言ったらいいのか分からないけどすごく満たされた気分になって、怒りもおさまった。
夏だったけど妙に涼しくて、いい気持ちで足取りも軽く進んでいると、また「どーしたの?ひとり?」声を掛けられた。
あれ、おかしいな、車の近付いてくる音なんてしなかったのに。
ふと横を見るとさっきの二人、白っぽい車…。
咄嗟に「もー、やだぁ?」と私は言った。
からかわれてると思って。
私の反応に二人は笑顔を返してくるだけ。
そこで、ふと、考える。途中から合流出来る訳がない山道だ。
前方に走り去った車が一体どうやって後方から現れるのか。
また山を登り直したと言うのには時間的に無理がある。
「どーしたの?乗せていくよ」
「女の子ひとりじゃ危ないよ?」
足もあるし、火の玉も見あたらないけど、この二人怖い。
私は恐がっているのを悟られまいと必死の笑顔で再び断った。
そうして、車は走り去ったけど、1分もしないうちにまた後ろから…。
うわー、ダメだ、幽霊装って車脅かしてる場合じゃなかった。
なにあの車、車ごと幽霊だー!
もう頭の中ゴチャゴチャになって、少し先に見えているコンビニに走ればいいのに足が動かない。
やっぱり音もなく近付いてくる車をただただ、待ち構えてしまった。
心臓が止まりそうだった。
車は私のそばまでくるとスピードを落として、だけど今度はそのまま通り過ぎた。
通り過ぎる瞬間、運転席の男は前を向いたままだったけど、後部座席の女の子が私をジッと見ていた。
あわせちゃった視線が逸らせなくて私も凝視、すると、女の子が、ガオーッて感じで(獣が口を開ける感じ)歯を剥き出しにした。
覗けた口の中は真っ赤だった。
見た感じ血っぽくて、黄色の服にポタポタ滴っていた。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 12:10
【かるさん】
私には双子の姉がいます。
これは私達が10歳の頃の冬休みに、家族揃って父の実家へ泊まりに行った時の話です。
そこへ行くのは本当に久しぶりで、年の近い親戚や祖父母に会える事がとても楽しみだったのですが、まさかあんな怖い事が起こるなんて思いもしませんでした。
父の実家はY県にあり、周りはぽつんぽつんと民家がある位で昼間でもあまり人通りがありません。
それでも子供にとって普段行かない場所というのは冒険心に満ち溢れており、着いて早々姉と共に遊びに出て行きました。
姉と懐かしいねなんて話しながら田んぼに挟まれた1本道を歩いていると、向こうから足を引きずった女の子が歩いてくるのが見えました。
道幅がとても狭いので、その女の子が先に通ってから私達も先へ進もうと思い立ち止まりましたが、不意に姉が私を強く引っ張り、元来た道を戻ろうとしたのです。
どうしたのか聞いても
「いいから、急いで帰るよ!」
としか言わず、そのまま私達は父の実家へ帰りました。
玄関に着くと祖母が迎えに出てくれましたが、顔面蒼白な姉を見てとても驚き、何があったのか聞いてきました。
すると姉は
「そこの1本道でA子ちゃんを見たけどA子ちゃんじゃなかった!」
と泣き出しました。
A子ちゃんとは親戚の子で、私達より3歳年上の女の子です。以前に来た時はよく遊んでいたのですが、あの時見た人は腰まで伸びた髪もぐちゃぐちゃで服も泥で汚れており、面影は全くありませんでした。
姉の話を詳しく聞いた所、足を引きずっていた女の子はA子ちゃんに似ていますが違う化け物で、本物のA子ちゃんはその化け物の引きずっている方の足を掴んで引きずられていたと言うのです。
姉の話を聞いた祖母は
「かるさんが出たんか。」
と言い、部屋の中へ急いで入ってしまいました。
その後は両親や祖母に「何もないから心配するな」と言われ、無理やり寝かしつけられました。
そしてまだ数泊する予定だったのを切り上げて、翌朝早くに自宅へ戻る事となったのです。
この時の事は親に聞いても何も答えてくれませんでしたが、先日やっと「もう大人になったし」と教えてもらえました。
どうやら「かるさん」というのは方言で「借りる」という意味らしく、あの地域では昔から、時々亡くなった人間が生きている人間の体を借りて歩き回るという事があるのだそうです。
誰彼構わず借りる訳ではなく、亡くなった人と近しい人の体を借りる事が多いらしく、あのA子ちゃんだと思った人は数年前に亡くなったA子ちゃんのお母さんだったのです。
かるさんは体を借りて歩き回って気が済めば(それが何時間後か何日後かはわかりませんが)元に戻れるらしいのですが、その間体を取られた本人は体の一部にしがみついていないと戻れなくなってしまうそうなんです。
でもかるさんが借りるのは今まで成人のみで、子供の体を借りる事はこれが初めてとの事でした。
子供の体に大人の魂では体が衰弱死してしまうと、あの後祖父や親戚達がお坊さんを呼んだりして大騒ぎだったそうです。
結局祈祷師さんか誰かが「かるさん」を引きはがして事無きを得たそうですが、A子ちゃんは数週間程入院したらしいです。
私にはあの時しがみつくA子ちゃんは全く見えませんでした。
しかし姉にはしっかりと、必死の形相で足を掴んでいるA子ちゃんが見えていたようです。
かるさんも恐ろしいですが、姉の知らない部分も垣間見えて怖くなった出来事でした。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 12:10
【助手席に話しかける人】
先日、車にのってちょっと買い物に出かけたのよ。
んで目的地に向かって走ってたら前に車が入ってきたんだ。
最初は別に気にもしてなかったんだけども、ふとなんか気になったのよ。
その車の運転手、なんかうるさいくらい助手席の奴に話し掛けてるんだよ。
まぁ後ろから見てたんで黒いシルエットしか見えないわけ。
でもなんかこう助手席向いたり体近づけたり、あんまりその動きが激しいもんで俺さ
「こいつちゃんと前みてんのか?彼女かなんかしらんが事故に巻き込むなよ」
っておもったのよ。
そしたら前の車が右折のために車線変更して赤信号で止まったわけ。
そうなると必然的にその車と並ぶじゃない?
んで見たわけよ、どんな奴がどんな奴に話し掛けてるのか、気になるからさ。
運転手は中年くらいだった。
んでそいつが今信号待ちしてる間も話し掛けてる相手はさ
マネキンなんだよ。
一気に鳥肌たってすぐに目そらした。
んでそのままその車は右折していった。
俺はその日おとなしく家に帰って寝たわ。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/19 12:02
【やっちゃいけないこと】
俺が高校時代の話
学園祭が近かったからその日も学園祭の準備をしていた。
俺たちのクラスはお化け屋敷をやることになった
翌日に学園祭を控えてついに俺たちのお化け屋敷は完成したんでクラスの1人が写メとろうって言い出したからみんながそのお化け屋敷内で並んで記念撮影?をすることに。
ちなみにこいつはちょっとオカルト好きのやつで何度も金縛りにあったことがあるようなやつだった。
そいつが撮るっていうから俺たちは冗談で「なんか変なの写すなよー」とか言って笑いあってた。
んでそいつは写メを撮った。
写メもちろん何事もなかった、と思っていた。
んでもう遅かったから帰ろうってことになったんだけどその霊感ある友達がトイレ行きたいっていうから男子2,3人でトイレに行った。残りのやつらは先に玄関に向かった。
うちの学校のトイレは引き戸?みたいなのになってて開けたら勝手に閉まってくみたいな造りになってるんだ。
んでいつも通りに開けて入ったんだが信じられないスピードでそのドアが閉まったんだ。
みんなびっくりしてそのドアのほうを見たんだけどそのドアが何度もすごい速度で開いたり閉まったりしている。
結構時間も遅かったからか学校には俺等のクラス以外のやつは誰も残ってなくその異常には誰も気づいてないみたいだった。
俺等はめっちゃ怖くなってそのトイレから出ようと思ってドアを開けようとするんだけどドアが冬でもないのにものすごい静電気みたいなのでとても触れない。
30秒くらいかな?ずっとそんなんなってて俺等は震えてたんだけどドアが普通の状態に戻って俺たちは外に出れた。
んで急いで出たんだけどそのとき霊感がある友達の携帯が鳴ったんだ。
あのお化け屋敷内でとった写真の残ってる友達の携帯がね。
それはメールだったんだが見覚えのないアドレス。
そいつがそのメールを開くとそいつの携帯にしかないはずのあの写メが送られてきていた。
ただひとつ違うところがあった。
送られてきた写メには壁という壁におびただしい量の人の顔がびっしり浮かび上がっていた。
そんでマジでやばいと思ったそいつはその携帯を逆パカしてぶっ壊したのよ。
んでトイレいった俺含む3人は今あったことは全部忘れようってことでみんなには何も言わないで帰ってきたの。
でもその壊した携帯をそいつは捨てないで家に持って帰ったんだ。
んで俺自身は別に何事もなくその日をすごしたんだけど、次の学校祭の日にそいつが青い顔して学校にやってきたんだ。
「なんかあったのか?」って俺が聞くと昨日金縛りにあったって言うの。
やっぱなぁとか俺は思ったんだけどそいつはいっつも金縛りにあうようなやつだったからそんなに怖がらなくても大丈夫だろって気軽に言ったんだけど、そいつが言うには「俺の部屋の壁にさ・・・あの写メに写ってた顔が浮かび上がってくるんだ」っていうわけさ。
もう1人のやつとも相談してさやっぱその携帯が良くないって思ったからお寺に持ってこうってことになって持ってったの。
そいつん家は結構裕福ですごい街中にあるでかいマンションに住んでるんだけど
そいつの家に行って一番近い寺に向かおうと思って地下鉄目指して街中歩いてたのね。
したら途中に占い師がいたわけ。
その人の前通りかかったときにさその占い師が急にひきつけ?みたいなのを起こして過呼吸も起こしたりしたんだ。
なんか嫌な予感はしたんだけどさ、正気に戻ったその占い師が俺の友達のほうに歩いてきて
「あんたやっちゃいけないことしたね」って真顔で言ってくんの。
マジで怖くなった俺等はそっからタクシーに飛び乗って寺行ってその携帯供養してもらった。
お化け屋敷用に飾りつけした教室内で写メとるのがそんなにもやっちゃいけないことだとは思わなかったw
ちなみにこれ、マジで全部実話だから
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189
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/18 22:52
【田舎の夜道】
これは10数年前、仕事で地方に行っていた時のお話しです。
仕事の関係で寮に数ヶ月泊り込んでいたのですが、これがかなりの田舎で寮の周辺には何もありませんでした。
現場近所に立てた簡易施設が寮になっていたので、夜になればポツポツと立っている街灯のみが辺りを照らすのみで、現場が稼動している昼間とは対照的にとても暗くひっそりした景色に変わります。
暇なので一人で周辺を散歩しようにも、その暗さですから大人でも少々尻込みをしてしまうような状況です。周りに商店もなく、遊びに行くような場所も無い状態ですから、夜の楽しみといったら同僚と酒を飲むことくらいしかありませんでした。
ある晩、同室の同僚と部屋で飲んでいたところ、盛り上がって気がついたら深夜になっていました。
いつもなら水を飲んで済ます所なのですが、手持ちの酒も終わってしまい、どうしても炭酸が飲みたくなって同僚と共に外へ炭酸飲料を求めに出かけることになりました。
幸いにも、寮から数百メートル歩いた所に自動販売機がある事を知っていたので、そこまで酔い覚ましの散歩も兼ねていってみよう、という事になりました。
2人とも酔いも手伝って思ったよりも怖いと思わず、グダグダ喋りながら自動販売機まで無事に到着しました。
「なんてこと無かったね」
などなど話つつ、私は自動販売機に小銭を投入しました。
先にジュースを購入した同僚は、少し離れて飲み物を飲みつつ辺りを眺めていました。
シーンとした暗い風景の中、聞こえるのは虫の鳴き声と田んぼからのカエルの合唱。
こんなに真っ暗じゃなければ、夜も静かで本当にいいところだな、と思いつつ自動販売機の取り出し口に落ちたジュースを取り出そうとしたところ、引っかかってなかなか出てきません。
するとその時
「おい…おい…」
間を空けて、すごくしわがれた低く野太い声が耳元で聞こえました。
これは同僚がふざけて自分を驚かそうとしているに違いないと思い、その声を無視してジュースを取り出そうとしていると
「おい!」
先ほどよりも若干大きめの声で呼ばれました。
さすがに耳元で大きな声を出されたので、少々悪ふざけがすぎる同僚に苛立ち、文句を言おうと勢い良く振り返ったところ…
そこにいたのは同僚ではなく、巨大な獣の部分を持った人間の顔がありました。
自分の顔の三倍ほどの大きな顔。獣の部分とは、顔の下半分が肉食獣のように大きく割れた口でした。上半分はお爺さんなんです。
「うおおお!」
と叫ぶと私は一目散に走っていました。
後ろから驚いて追いかけてくる同僚の声が聞こえますが、何を言ってるのかも解らず頭が真っ白で、とにかく夢中で走りました。
寮の部屋に戻って気持ちが落ち着いた頃、同僚がぽつりと言いました。
「もう夜は出ないようにしよう」
それからその現場での仕事が終わるまで、その夜の事については私も同僚も頑なに喋る事はありませんでしたが、無事現場が終了し、数ヶ月経ってから一緒に飲みに行った際、あの時に見た化け物の話になりました。
すると言いにくそうに、同僚が話を始めました。
実はその同僚は、いつもではないが霊などの類が見えることがあるようで、あの自販機に辿り着いた時、すでに半獣人な爺さんの巨大な顔を見ていたそうです。
ですがその時は
「すごく怖くて声も出なかったんだけど、お前も怖がらせるといけないから、そっと離れて落ち着こうとジュースを飲んでいた」
のだそうです。
今となっては「怖かったね」で終われる話ですが、当時怖い思いをした場所の近くに数ヶ月も寝泊りをしなければならない状況は相当怖かったです。
幸いにもその後、その顔を見る事はありませんでしたが…今でもその顔ははっきりと思い出せるほどのインパクトと恐怖がありました。
あの時に見たものが何なのか、今では知る術はありませんが、たまに夜道端の自動販売機で飲み物を買う時に、思い出してしまいます。
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188
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/18 22:51
【落ちる黒い影】
16歳の頃に交通事故に遭って、右足を骨折して数か月入院する事になりました。
私が入院した病室は4人部屋で、そこには同じ年頃の女の子が3人入院していたのです。
1人部屋ではない事にガッカリしましたが、年も近くで話しも弾み、楽しい入院生活を送っていました。
入院して2週間程経った頃、同じ病室のAさんBさんが退院する事になりました。
その為に、私とCさんはそれまでAさんBさんが使っていた窓際のベッドへ移る事になりました。
Cさんと何だか寂しくなったねと言い合ってその日は眠りましたが、私は夜中に変な物音で目が覚めました。
コツコツと硬い物を叩く音が、どこかから聞こえてくるんです。
Cさんが何かしているのかと思って、ベッドの仕切りカーテンを開けましたが、Cさんのベッドは明かりがついていませんし、どうやら眠っているようです。
私もその日はとても眠かったので、そのまま朝まで眠ってしまいました。
しかし翌日から同じような時間に、同じような音が聞こえてくるようになったんです。
時間は毎晩3時頃、何度確認しても音の出どころがわかりません。
窓からかと思いましたが、窓の方を向くと途端に音は止むのです。
Cさんに相談しましたが全く聞こえた事がないと言っていたので、益々気になってしまいました。
ある晩、いつものようにあの音が聞こえてきたので私は急いで窓の方へ行き、その窓を開きました。
すると、上から何かが落ちてくる影が見えたんです。
もしかして屋上からの飛び降りかと思って、急いで松葉づえをつきながら当直の看護師さんが居る所へ行きました。
そこに丁度いた婦長さんに今起こった事を説明すると、婦長さんは顔を青ざめつつ
「夢でも見たんでしょう、体に障るので早く病室に戻りなさい」
と言って、半ば無理やり話しを切り上げられました。
私も見間違いかと思ったのですが、その次の夜もまた次の夜も、同じ影が落ちる所が見えるのです。
これはもしかして幽霊なのではと思って怯えて過ごしていると、決定的な事が起こってしまいました。
いつものように眠っていて、いつものように物音がして起きて、いつものように窓辺の落ちる黒い影を見たまでは、今まで通りです。
しかしその日はその影が落ちた後に「ドサッ」という鈍い物音がしました。
「えっ?!」
慌てて窓を開けて下を見た瞬間、ぐいっと何かに腕を引っ張られたんです。
何だと思って引っ張られている手の先を見ると…黒く長い髪で顔が隠れた女の人が、私の手をぐいぐいと引っ張っているのが見えました。
顔ははっきり見えなかったのですが口が異様に大きくて耳まで裂けており、それが涎を垂らしながらニタニタ笑っているんです。
突然の恐怖に声を出す間もなく、病室は5階だったので落ちたらひとたまりもないと思い、必死に耐えていました。しかし相手の力が強くて
「あ!もうだめだ!」
と落ちそうになりました。
するとその瞬間、誰かが私を部屋側へ引っ張って助けてくれました。
慌てて振り向くと、そこには顔を強張らせたCさんがいました。
どうやら私は毎夜、ブツブツ独り言を言いながら窓の方を見ていたようで、怖くて見ないフリをしていたそうです。
でもこの日は窓を開けて下に飛び降りようとしている所を見たので、危ないと思って助けてくれたとの事でした。
引っ張られていた手を見ると、強く握られた指の跡が紫のアザになってついており、爪のひっかき傷もありました。
当直の看護師さんの所で事情を説明して手当をしてもらった時に聞いたのですが、この病院には以前から上から落ちる影の噂があったようです。
でも噂なので皆知らぬフリをしていたけど、もしかしたら昔に何かあったのかもねと言われました。
今ではその病院の全部の病室の窓に、落下防止の対策がされています。
あの黒い人影、そして不気味な女性は何だったのか…。婦長さんなら知っていそうですが、聞く勇気がなく退院してしまいました。
その病院は今でも、現役で運営しています。
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187
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/18 22:49
【海で撮った写真】
これは仲の良い友人たちで集まって、夏に海へ遊びに行ったときの話です。
最初は浜辺ではしゃいでいたのですが、そのうち仲間の一人が
「あそこから飛び降りてみようぜ」
と小高い崖を指差して言いました。
その浜辺にはちょっとした崖になっている部分があり、飛び込んで遊ぶには格好の場所です。
高さはさほどないのですが、小さい頃は飛び込むのも勇気が試されたものでした。
久しぶりに海に来てテンションの上がった私たちは、早速その崖に走り出しました。
仲間の一人が高性能のカメラを持ってきていたので、みんなで思い出作りにとおもしろいポーズをとって飛び込む瞬間を撮影し、しばらく遊んでいました。
どのくらいたったでしょうか…。しばらくすると
「あれ?Nどこいった?」
と一人が言い出しました。
いつの間にかNの姿が見当たりません。
みんなで浜辺を探し回りましたが見つからず、監視員のお兄さんにも話をして一緒に探しましたが、やはり見つかりません。
皆が「ひょっとして海で…」と最悪の事態を考えていました。
そのうち日も暮れてしまい「後はこっちで探しておくから帰りなさい」という監視員の方の言葉で、皆帰宅しました。
Nが見つかったのはそれから1週間ほど経った頃でした。残念ながら悪い予感は当たってしまい、Nは海で溺れたらしく帰らぬ人となってしまいました。
ショックを隠し切れない私たちはかなり動揺しましたが、いつまでも落ち込んでいてはNの魂も浮かばれないぞ!と思い、せめて最後の思い出となった海ではしゃいでる写真をN家族に渡そうと思いました。
ですがその写真の持ち主・Yが、いまいち乗り気ではありません。
問い詰めてみると、なにやら変なものが写真に写り込んでいる…というのです。
あまり喋りたがらないYの態度に痺れをきらした私たちは、Yの家で写真を見ることになりました。
写真には、楽しそうな皆やNの姿がありました。
「なんだ、良い写真じゃん!」
とYに言うと
「最後まで見てよ」
と一言。
最後に出てきた写真は、Nがふざけたポーズで海に飛び込む瞬間の一枚でした。
しかしその後ろには、海から伸びる無数の白い手が、ハッキリと写っていたのです。
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186
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/18 07:49
【祖母の骨】
父方の祖母が亡くなった時のこと。
通夜の時、親戚が座る席に見知らぬ男性がいた。
父方の親戚たちは毎年集まる習慣があったのだが、その男性の姿は一度も見たことがなかった。
母にそっと
「あの人誰?」
と聞くと、父の兄だという答えが返ってきた。
当時私は小学生だったのでよく分からなかったのだが、父の兄(以下伯父)は昔ギャンブルで多額の借金を背負い、実家に多大な迷惑をかけたため、縁を切られていたのだという。
しかし、実母の葬儀ということで連絡がいっていたため、顔を見せたらしい。
奥さんも連れてきており、そちらは普通のおばさんという感じだったが、伯父の方は陰気な雰囲気で、子供心に「ちょっと気持ち悪いな」と思った。
そんなこんなで葬儀は進み、祖母の遺体が荼毘に付された後のこと。
親戚一同が箸で骨を拾い、互いに渡し合っている時、小学生の私には見慣れない光景なので所在無さげにキョロキョロとしていたところ、ふと伯父が目に入った。
するとなんと、伯父が祖母の骨を食べていた。
どうやら本人も他の人に見られてはまずいと思っていたらしく、せわしなく視線を泳がせていたので、バッチリ目が合ってしまった。
伯父は口をモグモグさせながら、心なしかニヤニヤと笑っているように見え、心底ゾッとした。
小学生だったので「骨を食べてる!」と衝撃を受け本当に怖かったが、何だか親に言ってはいけないような気がして、このことは10年以上誰にも言えずにいた。
しかし大学に入って民俗学に明るい友人ができ、ふとこのことを思い出したので話してみたところ
「ああ、骨噛みでしょ。九州地方にそういう風習があるよ」
と、そんな恐ろしいことじゃないよとでも言うように答えてくれた。
父の実家は中部地方なのだが、詳しく調べてみると九州に限らず日本各地にそのような【骨を噛む・食べる】という風習があるようだ。
故人を悼む気持ち・大切に思う気持ちや、故人の生命力・能力にあやかろうとする感情から行うという意味があるのだとか。
もしかしたら伯父は、縁を切られてしまった実家・あるいは母との繋がりを保つために、骨を食べたのかもしれない。
しかしその行為はある事だとしても、あの時の不気味な伯父の眼差しは、今でも目に焼き付いて離れない。
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185
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/18 07:48
【近づく子供達】
これは私が20歳を越えたばかりの、今から20年ほど前の話です。
その頃私は、とある地元の警備会社のガードマンのアルバイトをしていました。
その頃は体質的なものか、とても霊感が強くなっていて3日に1回は金縛りにあうなど、とても霊的な体験が多い時期でした。
地元の浄水センターのガードマンをしていたのですが、巡回地域は広いものの人が入り込むような所ではなく、本当は夕方から朝まで4回程巡回するところを、面倒くさいので2回程度回ってあとは仮眠時間で朝まで寝る、という怠惰な勤務をしていました。
警備員室は門の脇に専用のプレハブ小屋があり、クーラーは無いものの雨露もしのげて寒さも酷くなく、割と快適な環境だった事を覚えています。
そこで好きな深夜ラジオを聞いたり、趣味の書き物をしたりして、今考えればとても楽な仕事でした。
そんなある日の事です。妙に身体が強張っていたので
「あぁ、今日は金縛りにあうかもしれないな」
と思いながらもウトウトしていると、案の定ピキ―ンと金縛りになりました。
それとほぼ同時に、耳に子供達がボール遊びをしている声が入ってきました。
時刻は午前3時です。子供達どころか静まり返った浄水場には猫一匹すらいない状況です。
背中がゾワゾワしてきましたが、金縛りが解けないので私はただひたすらに眠っているフリをしていました。
ボール遊びをしていた子供達の騒ぎ声が次第に近づいてきました。複数人いる様子ですが、恐らく生きてはいない子供達なのでしょう。
その子供達は、ついに私のいるプレハブのすぐそこまで来て、ボール遊びを止めました。
真っ暗闇で姿は見えませんが、私には感じました。
大きな窓に顔をひっつけて、何名もの子供達が私の姿をのぞき込んでいるのです。
窓の下から上、隅々まで張りつくような子供の視線を感じました。
私は恐ろしくなって、目を閉じて見えないようなフリをしながらひたすら念仏を唱え続けました。
それからどのくらい時間が経過したでしょうか。
いつしか子供達の視線や声は聞こえなくなり、なんとかどこかへ行ったんだろうなと思って安心して眠ろうとすると、今度はとても息苦しくなってきました。
息をしようにも、まるで鼻と口を抑えこまれたように呼吸が出来ないのです。
それと同時にキ―――――ンという電子音が耳に響きました。
私の場合、このような状況は霊的な存在が近くにいるという証なのです。
「このままでは窒息してしまう…。神様、仏様、どうか助けて下さい…。」
そう念じながら、私は渾身の力を込めて跳ね起きました。
その時、目を開いた私の眼前の窓に紅葉の葉のような沢山の小さな手が見えました。
それはほんの一瞬で消えましたが、間違いなく無数の子供の手でした。
もうすでに夜は明けていて、小鳥のさえずりが聞こえてきました。
あまり考えたくはないのですが、私は金縛りが解けた瞬間に見た小さな手の大群を、一体なんだったのかと考えました。
一つ考えられるのは、彼等が私が本当に寝てしまっているのかを確かめる為にわざと顔の上に手を置いて、息苦しくなって起きてくるようにイタズラしたのか。
もう一つは、彼等を無視して寝たふりをした私に怒り、息の根を止めようとしたのか。
調べてみるとわかったのですが、水場というのは浮遊霊が集まってきやすいのだそうです。
私の勤務していた場所は浄水場。まさしく水の集積する場所です。
しかもこの体験は8月でお盆の前だったと記憶しています。
あの子供達は、私に遊んで欲しかったのでしょうか。それとも…。
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184
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/17 23:44
【飛び降りビル】
弱小の広告代理店に僕が勤めていた頃の勤務地は、小さいながらも出来たばかりの綺麗なビルだった。
その会社が事務所として使いだした当時でも、築5年程度だったと思う。
このビルに移転する前、僕たちはボロ事務所で夏は冷房の効かなさに、冬は隙間風の寒さに悩まされながらも働いていた。
取引先に行くたびに、きれいな建物や清潔なトイレ、快適な暖冷房、エレベーターに憧れたものだ。
しかし少人数の会社らしく、社内はアットホームな環境なので社員の意見はダイレクトに社長へ伝わり、丁度仕事も増えてきて事業拡大を計画した社長は、事務所の移転を考えてくれるようになった。
引越の為に物件を探しだしたのは秋だった。
繁忙期から外れていたお蔭か、探しだしてすぐに希望通りの物件があると連絡があり、社長自ら物件の下見にいったそうだ。
紹介された物件は、事業拡大をするにしては少し狭いものの、建物の新しさと利便性の高さは理想通りだった。
社長に不動産屋が提示した値段は相場通りで、予算の範囲内でもあったので契約をすることにして話を進めたらしい。
物件について詳しい話を聞いていても、不審な所はほとんどなかった。
一点だけ気になる事があるとしたら、以前そのテナントに入っていた人たちの事を不動産屋が愚痴のように漏らした事くらいだったらしい。
前にテナントで入っていた企業は、突然逃げるようにテナント契約の解除を求め、出て行ったらしいのだ。
移転の際も、引越の荷物は本当に最小限としか思えず、移転作業もかなり雑だったのだとか。
その後の対応に不動産屋は少々手間がかかったらしく、契約はほぼ確定して口が軽くなっていたのか、よくある苦労話として笑いながら社長に話していたそうだ。
その話に少し興味を持った社長が、実は問題のある物件なのではないかと尋ねると、不動産屋は慣れた様子で否定をしたらしい。
この物件にまつわる不審な話もないし、念の為にテナントが空いた時にお祓いも済ませてあるとのことだった。
オカルトには一切興味のない社長の事だから、事故物件だったら値切ってやるつもりだったようだが、物件自体は既に気に入っていたためすぐ事務所の移転を決めてきた。
小さい会社だったので年明けには事務所を移転する準備をはじめ、繁忙期になる前には念願の新しい事務所に移転を終えることができた。
キレイな設備はもちろん、アクセスが良くなったことで通勤時間も減って、僕たち社員は快適に仕事が出来る事を喜んでいた。
ところが春頃になると僕の向かい側の席、窓際で働いていた先輩の様子が少しずつおかしくなっていった。
そのビルは12階建てで、僕たちはその7階に事務所を構えていた。
事務所の窓はかなり大きめで、窓際は日当たりがとてもよく、ポカポカとして眠気を誘われる。
だから最初は先輩が居眠りをしていて、体がビクッとなるあの現象に見舞われているだけだと思っていた。
しかしどう見ても先輩は居眠りをしている様子はなく、何よりその後は決まって窓から下を眺めるという奇行をしていた。
僕が先輩の行動に疑問を持ち、その謎の動きが天気のいい日にしか起こらない事に気付く頃には、先輩の『ビクッ』はかなりの頻度になっていた。
移転して最初の秋ごろになると、秋晴れの天気のいい日が続いていた。
その頃には、先輩は毎日のようになにか外を伺うようにきょろきょろするようになり、出来る男として社長に頼られていたはずが、ミスも目立つようになり頬や体が痩せてしまっていた。
社内でも問題視する声が挙がっていたので、仕事でお世話になっていた僕が社長とその先輩を飲みに誘い、事情を聴いてみる事になった。
先輩が言うには、天気のいい日中になると、窓に飛び降りていく小さな人間が見えるらしいのだ。
最初は、虫か鳥が飛んでいるのだと思ったそうだ。
しかし何度が見かけると人間の形をしていて、その落ちていく人間は先輩が見つけるたびに大きくなっていくそうだ。
夏頃には落ちていく人間の服装や性別がわかるようになり、最近では表情までわかるらしい。
なぜかその男は天気のいい日の昼間にだけ落ちてきて、その時間も決まっておらず、ハッキリ見えているのに顔の部分だけが思い出せない、というのが先輩の話だった。
先輩の『ビクッ』は落ちていく男を見つけた時の反応で、飛び降りた男の行方を探す為に、つい窓から下を見てしまっていたそうだ。
あまりにも現実離れした話ではあったが、先輩の憔悴しきった様子と、以前ここを事務所として使っていた会社が不自然な契約解除をしたという話を聞いていた社長は、その話をすぐ信じた。
有能な社員を失うわけにはいかないと判断した社長により、その後すぐまた事務所を移転することになったので、先輩が見ていた男が何だったのかは今でもわからない。
そのビルには自殺した人がいるわけでもなく、その先輩以外に男の姿を見たという人もいない。
事務所を移転したことで、幸いにも先輩は本来の調子を取り戻して元気になった。
今でもその男は、天気が良い日になるとあのビルから飛び降りているのだろうか…。
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183
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/17 23:43
【医師のカルテ】
これは2年前の夏、まだ私が中途で入職したての頃、病院で夜勤中に体験した出来事です。
その日、私は夜勤をする救急室にて患者対応をしていました。
何台か救急車が入り、その内の1人が当院かかりつけの患者でした。
そこで当直医から「カルテが必要」と言われ、内科外来へカルテを取りにいきました。
救急室と内科外来は場所がかなり離れており、5分くらい歩いてたどり着く所にあります。
夜間なので内科外来までの電気は完全に消えており、懐中電灯を持って取りに行くのです。
病院勤務は慣れていたものの、やはり怖いなーと思いつつ、私はカルテを取りにいきました。
やっとの思いでたどり着き、内科外来のドアを開け、電気をつけます。
やはり夜の病院というのはとても不気味です。実際に何人もの方が亡くなっている場所なので、霊という存在に対して敏感になります。
必死で今度の休みは何をしようか、などと楽しいことを考えながらカルテを探し、見つけて帰ろうとすると、先程開けたドアの前にカルテが一冊落ちていました。
見てみると、そのカルテは山中さんという方のものでした。
こんなとこにカルテなんて落ちてたかな?と思いつつ、元あっただろう場所へ戻しておきました。
その瞬間。
プルルルルルルル
電話が鳴りました。
この時間に内科外来に電話…?
疑問に思いつつ電話をとってみると
「……みてよ…」
と囁くような声がしました。
私は真っ青になり、一心不乱に内科外来から抜け出しました。
そして救急室に戻り、先輩に今あった出来事をすべて話しました。
すると先輩は真っ青になりながら私に昔の話をしてくれました。
この病院で働いていた山中という研修医がいたこと。
そして、その山中という研修医が夜勤中にトイレで首を吊っていて、満面の笑みで死んでいたことを。
あの声は研修医の山中という方だったのでしょうか。
だとしたら、彼は一体何を見て欲しかったのでしょう。
カルテの中には、何が書いてあったのでしょうか…。
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はっしー◆FA//69upcU
2022/09/17 23:41
【美人の肩こり】
これは私が大学の頃に知り合った、超美人な友人の話です。
彼女は芸能人に例えると、某清楚系多人数アイドルグループのセンターで活躍されている方に似ている程の容姿を持っていました。
彼女くらいの美人さんだと、もはや女性からは嫉妬ではなく崇拝の対象となり、私も例外ではなく崇拝していました。
男性にも女性にもモテモテの彼女ですが、繁華街に行けばスカウトマンからの声掛けも日常茶飯事です。
彼女といるとナンパとスカウトの2つで行列ができることもあり、あまりの注目ぶりにはただただ驚きました。
そんな超美人の彼女ですが、私は知っています。
ルイヴィトンのバッグに密かに忍ばせていたもの。それはアン○ルツヨコヨコでした。
20歳前後なのにアン○ルツヨコヨコが手放せない彼女は
「これ良いわよ〜」
と、いつも私に勧めていました。
そんな彼女と久しぶりに再開した時、丁度肩こりを感じてアン○ルツヨコヨコを使っていた私は「本当にコレいいね!」と話を振ったら、彼女は思い出すようにこう言いました。
「実はね…私、もうアン○ルツヨコヨコいらなくなったの。」
理由を訊くと、こんな答えが返ってきました。
「この前、合コン言ったの。そしたらある男性から『あなたの背中にたくさん乗ってますよ』って言われたの。」
そこまで聞いた私は、その男性が美人の彼女の気を引こうと新手の口説きをしただけだと思いました。
さらに彼女はこう続けます。
「背中に向かって塩をまくといいよと言われ、すぐに実践したの。翌朝、昨晩塩をまいたことなんてすっかり忘れていたけれど、肩の異常な軽さで思い出したの。それから、アン○ルツヨコヨコは使ってないの。」
肩こりの原因が幽霊なのかは分かりませんが、彼女のように類い稀な容姿をもつ女性は、アチラの世界の方々にも好かれているのでしょうか。
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