【SWSS】古き機械は意思を兆す
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/16 19:17
オリキャラのオールドマンの話を殆どSSを書いたことが無い者がやるという無謀な状態ですが宜しくお願いします。
【絡まった世界】深縁都市カルヴァート辺りを主軸にしていきます。
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オールドマン過去話
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オールドマンとロウ=ゴクロウとの出会い
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/19 17:32
かつて大きな戦争があった。
『魔法の世界』亜人や魔法などが存在する世界。
『科学の世界』科学文明が発達し機械の世界。
『謎の世界』と呼ばれる未だ謎に包まれる世界。
超常現象によってそれぞれの世界が1/3ずつ交じり合い、そして一つの新たな世界となった。
後の【大災害】と称される出来事。
この【大災害】によりそれぞれの元の世界では陸地の上に作られた街だったものが直後に海に沈んだ。
航海中だった船が気がつけば山の麓に出現する。
切り離れた世界に残された家族の安否。
それは途方もない恐ろしい恐怖を元の世界の人々に与えた。
そして、この事は文化の異なる住民同士の出会いは友好的な出会いではなかった。
互いを未知の侵略者とし、時を待たずして三つ巴の戦いとなる新たな世界にて初めの大きな戦争が始まる事になる。
終戦から100年ーーー
今はそれぞれの世界の住民同士は【大災害】での大きな傷を互いに折り合いつけて、新しい世界にて魔法の世界と科学の世界は復興へと手と手を取り合い互いの文化を尊重しながら進んだ。
だがしかし、残されたもう一つの謎の世界は他二つの世界との和睦はしつつも一定の距離を離し、己が世界を独自に進んで行くことを望む事だった。
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/20 23:03
戦争があった。
雨が降り荒ぶる曇天の空の下に自分は何をするでも無く立ち続けていた。
戦いは一先ずの終わりを告げていた。
それぞれの世界の代表が話を交わし合い互いの過ちを理解した。
ーーーただ分かち合った時には周りには鉄の塊や焦げた肉の塊が積もり、土地はオイルと血で汚れた大地が広がっていた。
そのような中で微かに声が雨の音に掻き消されながらも威厳ある声が響いていた。
「ーーーーべてのーーーはーーー能をーーー止せよ。ーーー繰り返ーーーーー」
「ーーーーの権限により。全ユニットは機能停止」
戦いは終わり動くモノは無い。
だが、自分は命令の為動けずにただ、在るだけの存在なことを漠然ながら何故か不思議と理解していた。
このままでは周りの仲間だった筈の鉄のスクラップと同じ運命辿るだろうと。
分かっていても自分の視界は薄れていき、時は留まること無く無情にも過ぎ進んでいく。
ーーーどれだけの時が進んだか。
オイルと血で汚れていた土地に新しい生命を育み、動植物達は逞しく育ち元の豊さを少しずつだが取り戻していた。
機械の塊だったモノの隙間から芽が育ち、木々が生えしっかりと絡み付けながら根を降ろし、土地を固めて本来の生命力を魅せていた。
血肉は小さな虫達が、また動物達の餌となり、木々の恵みを食べては数を多く増やしていく。
その増えた動物を狙いに大きな動物達が住み、あるべき循環を始めていた。
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/20 23:28
ーーー命令は未だに無い。
僅かながら視界を動かし、今の状況を記録する作業を意味も無く淡々としていた。
そんな日々が永遠に続いていき、誰からも自分でさえいつか忘却の彼方へと流れていく事を夢想していた。
あの日のような曇天の空の朝方、雲の隙間を通り抜けるように空から甲高い声を響かせながら、何かが墜ちてくるの認識した。
「きゃああぁ?!」
人だ。それも少女のようだった。
何故。空から墜ちてきたのかは検討も付かないが。
あの戦いから今迄、何もなかったこの場所での初めての出来事だった。
ーーー残念ながら落下地点にはクッションに成りそうな木々などが運悪く無い。
少女の結末は残酷な死しかないようだった。
自分が動ければ或いは助けられるかも知れない。
だがーーー命令がなければどうすることも何も出来ない。
………何故だろうか。
自分でも初めてのことだった。
命令などでは無く、自分の意思。想いが。
人をあの子を助けるべく、機能を停止してから今まで一歩も動く事が無かった。
足が。腕が。自然と墜ちて来る少女の元へと駆け出し、助けようと動き走り始めた。
落下地点にたどり着き、腕を掌を広げながら、墜ちてくる少女をなるべく優しく受け止めるを成功することが出来た。
しかし、不思議な事に落下の衝撃や重さを感じない。
おかげで、高所から落下であるにも関わらず、少女には大した怪我をしてない様子だった。
「あありがとう、助けてくれてありがとうございます!」
自分の腕からゆっくりと地面に降ろし、少女は軽く服の乱れを正してからこちら向き感謝の言葉を伝えてきた。
「此処には色んな人達のーーー想いが、ーーへの楽しみが、沢山感じる場所だったから覗いて観ようと思ったら」
少女の話してる中で聞き取れない言葉を使い、少女は曇天な空に手を伸ばしながら言葉を続ける。
「まだ上手くカタチが出来てないみたいで、もう少し深く観ようと身体を乗り出したら手が滑ってしまって…。」
とこの木々以外何も無い場所をぐるりと周りを眺めてから、
少女は頬を赤く染め恥ずかしそうに自分に向かって微笑みを観せた。
白黒でこのまま誰からも忘れ去れていくはずの場所に。
この世界に。
一筋の虹が架かった。
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/27 22:07
それから自分は少女と共に、この森を冒険のような探索していくことになった。
少女は事あるごとに、この場所に住む動植物達に驚き。喜び。笑い。
自分のようなモノに色んな表情を見せてくれた。
そんな時間も緩やかに進んでいき、気が付けば太陽も地平線の向こうへと落ち、辺りは薄暗くなり星が美しくも輝き魅せていた。
「あぁ、楽しい時間は本当に早く進んで行ってしまいますね・・・」
少女はぼそりと小さく呟きながら、此方にと振り向き、少し寂しそうに微笑んでいた。
ふっと周りを見渡せば、いつの間にか鬱蒼とした森を通り終えていて。
遠くには何か建造物のような歪な形をしてる建物が聳え建っていた。
その下の麓には僅かながらも家々が建ち並び集落を築いており、また人工らしき光源を点々と灯していた。
自分は少女が居る方向へと振り返ると、少女はその建造物に指先を差して話を始めていく。
「今はまだまだ小さな集まり。でも今後様々な人達や物が出来ていく場所。想いが集う箱舟。どうか、貴方にはその往く末を見守って欲しいんです。」
「もしかしたら、ただ朽ちていくだけかも知れない、うたかたの夢となって大きな物語も小さな幸せも始まらないかも知れない、・・・いえ、それどころか、また貴方を置いてきぼりにしてしまうかも知れません。それでも見守ってくれませんか?」
少女はうっすらと頬に涙を流し、震える声を発しながらも真っ直ぐに自分に顔を向けていた。
『ーーーそれは命令ですか?』
「命令なんかじゃない!命令な・ん・・か・・・じゃないです。ーーー違います」
少女は自分の問いに大きな声を上げて否定の言葉を伝えるが。
最後には声を細めていき、堪えられなかったのか大粒の涙を貯めて流し始めた。
「でも、この歪に絡まった世界は『安心して下さい。』
少女の言葉を遮り、安心させるように戦争の為に造られた筈の、機械の心から生まれた言葉を続ける。
『この出会いがなければ仲間達と同じく。忘れられ、壊れていく筈でした』
『この出会いに自分には、ただただ感謝しかありません。本当に私に出逢って下さってありがとうございます』
『この先同じ結果に。運命に。成ろうとも貴方との同じ時間を過ごした事。色んな話をした事。そして、この記録ーーーいえ、記憶はどれほどの時を過ぎようとも忘れません』
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
03/27 23:41
赤く泣き腫れた少女の目線に合うようにして、柔らかくさらさらとしながら少し癖っ毛な髪を軽く撫でた。
『私には個別の名は在りませんが、この身に賭けて約束「大丈夫!貴方には」
少女は唐突に顔を上げ言葉にするが、突然の大きな声を出してしまった事に、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして慌てながら話しだす。
「え、えーと、あ、あそこの人達がきっと素敵な名前を付けてくれる筈だから!」
『それはーーー楽しみです』
それか少女とは軽く別れの言葉を告げて、あの大きな建物を目指し歩き始めていた。
命令は未だに無いーーー。
それでも少女との約束を違えぬように。
これからどんな波乱万丈の出来事が起きようと。
また何処かで少女と会えると信じてしっかりと前に進んでいった。
end
突然、何もない空間から切れ目が出来て、其処には人が通り抜けるほどの穴が開き、自分よりも小さな少女が顔を慌てて飛び出してきた。
「ーーーちゃん!やっと見つけたよ」
「ーーーちゃん」
「もう、ホントびっくりしたんだからね!気が付けば何処にも居ないから私、心配で心配で。でも見つけられて良かったよ。早く家に帰ろう?」
「ごめんね、心配させちゃって。」
「ーーーーまた何処かで会えるよね。ーーーーオールドマンさん」
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ひらひら◆EXSSue1J7A
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03/30 12:20
◇古き機械は半獣人少女ロウ=ゴクロウと出逢う。
深縁都市カルヴァートは大災害後のこの3つの世界が混ざった世界の中では、数少ない人間や獣人など、違う種族が互いに支えながらも共存共生をしている珍しい大きな都市である。
元は魔法の世界に存在していた芸術と学問の都市カルヴァートが、大災害以後の科学の世界から科学技術の提供により。
総合的な学問・商業を扱う方向に復興、発展へと進んでいく事となる。
また、戦火により一度失われてしまった作物を奇跡的に残った歴史資料などを元に、復元、栽培、を終戦から集まった人々が行った結果。
大規模な農園を整備する事が可能となった。
そのおかげで、戦争によって荒れ果ていた土地を耕し。
水を隅々まで渡らし。
木々には果実がたわわに実る事が実現した。
そして、深き緑の豊かな都市「深緑都市カルヴァート」と人々から呼ばれる様になった。
そんな、都市の片隅に佇んでいる小さなスクラップ工場から表へと歩いてくる、古い人型タイプの機械が姿を現した。
現在では3つ世界との技術の融合と進歩によって、人間に近いタイプの人型等が存在している中で、無骨で古い型のままにしている不思議な機械であった。
何時の間にかに都市に流れ着いた。名前の無い彼に、都市に住んでいた住人達は誰が付けたか(古い男)オールドマンと呼ぶようになった。
あの大災害後に出逢った空から墜ちてきた不思議な少女と別れて。
この深縁都市カルヴァートに無事に辿り着く事が出来、オールドマンはこの都市に住み着き。
時折には、自分と同じように古いタイプや小さな機械を修理などを請け負たりして暮らすようになった。
そして、暇な時間を見付けてはこの大きな都市カルヴァートの人々の生活を観ては困っている人に手助けを行う。
昔とは違う日々を穏やかに過ごしていた。
『本日は快晴。また、特に大きな事件も無しで善日で宜しい』
『前日は表通りを通ったので。今度は細道の方を重点的に見て廻ろう』
と一人で納得しながら、工場のシャッターを締め切り扉の前に黒板の看板を置くと。
白いチョークにて【只今、街に出撃中!!御用の方は午後に!】と描き残した。
再び、満足げに納得してから。
戸締まりを確認を終えると、新たな発見や出逢いを心に秘めて。自分の工場を後にする事にした。
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
04/02 12:02
同時刻の別の一角にて。
農作業の傍ら、様々な場所へと旅業をして見聞や交流をしている。
半獣人少女ロウ=ゴクロウは、自分で育てた新鮮な果物等を所狭しと詰め込んで、自宅の勝手口のドアを自慢の尻尾で器用に開いた。
その腕には大きな荷物を抱えていて時折、ふらふらと左右に揺れながら危なげそうにしていた。
「う、ち、ちょっと、詰めすぎたかな?でもこれだけあれば、あのおばあさんも喜んでくれるかな。」
少し前に一人暮らしをしている獣人のおばあさんと仲良くなり、栽培をしてる果物をお裾分けに来ますから。
そう約束をした時の、おばあさんの本当に嬉しいそうに楽しみに待ってるよ。
と言って笑顔を見せていたことを想い出し、自分自身の心が温かくなっているのを感じた。
早く会いたいと、急ぐ気持ちを落ち着かせる様に荷物を持つ力を込めて家から駆け出した。
表通りは商業等で人が溢れて賑わっているため、他人との衝突を避けるのに丁度良い近道の人通りから離れた狭い裏道を選び通っていたが。
運悪く、横の古びたバーの扉から飛び出してきた人影に当たってしまい、その腕に抱いた物を地面へと散乱してしまった。
「いたた。あ、ぶつかってしまってごめんなさい」
「おっと。獣人のお嬢ちゃん、こっちもすまんね」
と自分が急ぐあまりに、周りを注意することを出来なかった事を素直に頭を下げて謝り、その人を改めて顔を見上げて見てみると。
随分と大柄で古びたコート着たおじいさんで道に落ちてしまった果物を素早く拾い集めて、その大きな荷物を渡してくれていた。
「どうやら、その大きな荷物は無事のようだよ」
「拾い集めてくれて、ありがとう!」
その荷物を両手でしっかりと受け取り、その手渡してくれたおじいさんに、再び大きく頭を下げて御礼を言うと。
「お「あっ!?」」
しかし、不運が重なり抱えていた果物の一つが地面へと落ちていき。
そして、そのままの勢いに面白いように坂道を下の道に転がっていく。
「わ!?待ってよ!!おじいさん!ごめんなさい!私、転がったのを拾いに行くから!」
礼を素早く終えて転がり落ちる果物を大慌てに追い掛け、その古びたコートを着ているおじいさんと別れる。
後ろから何かを小さく呟く声が聴こえた気がしたが、その声は別の音にて掻き消えた。
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ひらひら◆EXSSue1J7A
SOV32
04/09 11:19
裏通り探索が夢中になり、予定より随分と時間を喰ってしまっていた為、裏通りから近道になる道を選びながら、少し早足に自宅の工場へと帰宅を急いだ。
その時に、オールドマンはふっと足元から何かを踏み潰した音を感じて立ち止まり、脚を横に退けてみると元は新鮮だったであろう果物を踏み潰していた。
辺りからはその甘い香りを周囲に漂わせているが、それを尻目に何処から来たのか?と周りを見回して思考する。
この場所は卸売り場からは離れていて、近くには店も無かった筈だったが、ーーーまさかまた、空からでも墜ちてきたか。
「ああぁぁぁ。そんなぁ」
思案の底に入りそうになった時に、後ろから悲しげな声を上げながら、涙目の大きな荷物を持っている獣人の少女が現れた。
『この果物は貴方の物でしたか?これは・・・申し訳無い事をしました』
「・・・うん。でも仕方ないから。気にしないで大丈夫だよ」
少女はこちらを気遣いながら微笑み返した、その姿に何か謝罪の代わりになる事が無いかと、軽く観察をしていると。
その小さな身体には不釣り合いな大きな荷物により前方が見えずらくなっているようだった。
『いえ、それでもこちらが悪いので。!見てみればその大きな荷物で苦労をしてる御様子。ならば、謝罪の意味を込めて代わりに私が荷物持ちをさせて下さい』
「そ、そんなの悪いよ!?」
少女は突然の申し出に戸惑い見せていたがその事に構わず少し強引に話を進めた。
『大丈夫です、そしてお嬢さん!どうぞ肩に乗ってください!そのまま目的地まで御一緒致します』
「あうう、でも。・・・分かったよ。ありがとう」
その強引さに、自分がいくら言ようと退く事が無いと感じ取ったのか、諦めた様子で荷物を手渡して私の肩に身軽に登り、少し恥ずかしそうに軽く座るの確認した後、互いの名前を言うのを忘れていた事を思い出して今更ながらに答える。
『申し遅れました。私の名前はオールドマン。この深縁都市カルヴァートの人々に名付けて下さった名前です。貴女の御名前を聞いても宜しいですか?』
「私はロウ=ゴクロウ。ロウで良いよ、オールドマンさん。それじゃあ道はあっちだからね」
『ええ、お任せ下さい!』
何か用事を忘れている気がしたオールドマンだが、今は少女の為に差し示す道に行動しようと思い、目的の場所へと脚を進めた。
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