ジララ大尉がジャパリパークで余生を過ごすようです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/11/22:09
コミカルヒーローズ
http://ibbs.info/thread.php?no=28&id=nijisousaku
第9話A「救われた暗殺兵」より
念雅山、ネンガの屋敷
小雪「……」パチ
ドロロ「小雪殿!」
小雪「ドロロ? 私…」
ドロロ「…拙者、このペコポンに来て、小雪殿に出会えて、本当によかったでござる」
小雪「ドロロ…」ニコ…
ナレーション「暗殺兵…、それは悲しき運命を背負った悲運の兵なり」
ナレーション「ドロロは改めて、その運命から救ってくれたこの緑成すペコポンに感謝をするのであった…」
◆
屋根の上
ジララ「…まだまだ未熟だな」コソッ
マタタビ「やっぱり、まだ生きてたか」
ジララ「マタタビ、気づいていたのか?」
マタタビ「昔、死んだと思った奴に後ろから刺されたことがあったからな」
マタタビ「…これから、どうするつもりだ?」
ジララ「これで俺は自由の身。残り少ない人生、どこかの星で静かに暮らすとしよう」
ジララ「あいつの言う心とやらを、俺も取り戻してみたくなった」
ジララ「礼を言うぞ、『ドロロ』…」
#スピンオフです。人によってはとても不愉快な組み合わせでしょうが、ジララ大尉はアニメから逆輸入された、本来原作にはいないはずだったキャラクターなのでご容赦願います。
#クソハンにて連載していたものに加筆・修正を加えてみました。大筋は同じです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:28
ジララ「そうか。何処とも知れぬ場所で目覚め、自分の名前もわからない、と」
ジララ「しかし、腹の虫をそのまま仮の名前にするというのは安直すぎじゃないか?」
カラカル「しょうがないじゃない、他にいい名前が思いつかなかったんだから!」
キュルル「僕はこの名前、気に入ってるよ。何か、妙にしっくりきたし」ニッコリ
カラカル「そ、そう?」
キュルル「…でも、どうしてキルルは僕を狙うんだろう?」
ジララ「何? キルルがおまえを狙うだと?」
キュルル「うん」
カラカル「ずっと追いかけてくるのよ。しつこいったらありゃしないわ」
ジララ「奇妙な話だな。キルルが特定の個人を狙うとすれば、活動の障害となる存在だけのはず」
キュルル「そ、そんな。僕にそんな力は無いよ」
ジララ「…少し、調べさせてもらうぞ。暗殺兵術"鑑定眼力"」ピピピピ…
ジララ「…水35L、炭素20s、アンモニア4L、石灰1.5s、リン800g、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3g、その他少量の15の元素を確認。つまり…」
キュルル「つまり?」ゴクリ
ジララ「正真正銘、ただのヒトだ」キッパリ
キュルル「がくー!?」
カラカル「紛らわしい前ふりしないで!」
ジララ「すまん。それで、自分の本来の家を探して旅をしているんだったな」
ジララ「しかし、少なくともこの島には、ヒトの群れが住む巣はないと聞いたぞ?」
キュルル「僕が探してるのは、あくまで僕のお家だよ。他のヒトに会いたいわけじゃないんだ」
ジララ「そうか。しかし、手がかりはあるのか?」
キュルル「このスケッチブックなんだけど……ここに書いてある絵に、見覚えのあるものはないかな?」
ジララ「ふむ…」ペラ…ペラ…
ジララ「ん? これは、ゴリラの後ろ姿か?」
キュルル「知ってる場所があるの?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:29
ザバザバザバ…
アムールトラ「………………」ブルブルッ
アムールトラ「…はっ」ガクッ
アムールトラ「いい加減にしろ! いつまでこんなことをさせるつもりだ! 私の中から出ていけ!」
カタカケフウチョウ「言って聞くようなやつではない」バサバサ
アムールトラ「!?」ビクッ
カタカケフウチョウ「必要なエネルギーを溜め込むまで、オマエに寄生し続ける魂胆だろう」スタッ
カンザシフウチョウ「ようやく見つケタぞ。破滅の使者、キルル」スタッ
アムールトラ「や、やめろ、来るな……傷つけたく、ない…!」フルフル
カタカケフウチョウ「落ち着け。我々はオマエを助けに来た」
カンザシフウチョウ「我々は"伝承者"。ヒトから真実の歴史を教わり、ソレを後世に伝えるモノ」
フウチョウコンビ『オマエの身に何が起きているか、我々には手に取るようにわかる』
アムールトラ「…っ」
アムールトラ「お願い……助けて…!」
カタカケフウチョウ「わかっている」
カンザシフウチョウ「ソレもまた、我々の役目」
アムールトラ「ありがとう……う!?」
ピカァッ!
カタカケフウチョウ「何!?」
カンザシフウチョウ「これは…!?」
アムールトラ「」ドサッ
キルル「キルキルキルキルキル…」
カタカケフウチョウ「キルル!?」
カンザシフウチョウ「自ら出てきただと!?」
キルル「キルキルキルキルキル…」カァッ!
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:30
巨大化キルル「キルキルキルキルキル…」ズーン…!
カタカケフウチョウ「キルルが巨大化した!」
カンザシフウチョウ「いけない、アムールトラを連れて離脱する!」
バサバサッ!
巨大化キルル「キルキルキルキルキル…」ズーン…ズーン…!
カタカケフウチョウ「ドコへ行くつもりだ?」バサバサ
カンザシフウチョウ「どうする? カタカケフウチョウ?」バサバサ
カタカケフウチョウ「決まっている。こうなった以上、我々は"審判を下す者"の元へ行く」
カンザシフウチョウ「そうだナ。"審判を下す者"は、"実行する者"キルルの封印が解けたと同時に目覚めた」
フウチョウコンビ『"審判を下す者"に、真実を伝える!』
アムールトラ「」ブラーン…
◆
ジャングル
ジララ「ただいま」
豹×2『お帰り〜』
ジララ「イリエワニとメガネカイマンは、まだ帰ってきてないのか?」
ヒョウ「あいつら、博士の所に行く言うとったで」
ジララ「そうか」
ゴリラ「おお、ジララ。お帰り」
ジララ「ああ、ただいま。ゴリラ、おまえに客だぞ」
ゴリラ「客? 俺に?」
キュルル「は、はじめまして」ペコッ
ゴリラ「ああ……おまえ、ヒトか?」
キュルル「はい、キュルルといいます」
カラカル「あたしはカラカル」
クロヒョウ「キュルル?」
ヒョウ「そう言えばジララ、キルルはどうなったんや?」
ジララ「すまん。見つけたんだが、逃げられた…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:31
ゴリラ「……」ジー
キュルル「どうですか?」
ゴリラ「確かにこの絵に描かれているのはゴリラだし、これはこの場所だが、このゴリラが俺かどうかはわからないな」
ゴリラ「俺はヒトと関わりを持ったフレンズだが、残念だけど、おまえには見覚えがない」
キュルル「やっぱり」
ゴリラ「やっぱり?」
キュルル「このスケッチブックに描かれた場所には、必ずヒトの痕跡があるか、かつてヒトと触れ合ったフレンズがいたんです」
キュルル「それが何を意味するのかは、僕にはわからないけど…」
ジララ「……」
ヒョウ「…ほんで? カラカルはあのガキンチョのどこがええの?」
キュルル「が、ガキンチョ?」
カラカル「はぁぁぁぁあっ!? どういう意味よ!?」
ヒョウ「うち知っとるでぇ。カラカルっちゅうけものは警戒心が強いってな」
ヒョウ「それが自分の縄張りから出て、行く宛もないヒトと一緒に旅するなんて、『キュルルのことえっらい気に入ってはるから』としか思えんわ」
カラカル「か、勘違いしないでよね! ここまでついてきたのは、その……気まぐれと成り行きよ!」
ジララ「あんなこと言ってるぞ?」
キュルル「カラカルが素直じゃないことには、もう慣れっこだよ」ハハハ
キュルル「手掛かりを探すために沖に行かなくちゃいけなくなったことがあったんだけど――」
バンドウイルカ『ねえ、本当に大丈夫なの…?』
カルフォルニアアシカ『やっぱりあなたは陸にいた方が…』
カラカル『や! 行くったら行くのー!』尻尾ブワー ←マストにしがみつきながら
キュルル「って、水が苦手なのについてきてくれたんだ」ニッコリ
カラカル「その話はやめてー!/////」
ヒョウ「ジララ、見習え」
ジララ「何をどう見習えばいいんだ?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:31
イエイヌ「ジララさーん!」タッタッタッタッ
ジララ「イエイヌ」
ヒョウ「お、ちょうどええタイミング」
クロヒョウ「あれ? 山の上のカフェに行ってたんとちゃうん?」
イエイヌ「途中まで、トキさんに、運んでもらったんです…!」ゼーハー
ジララ「わかったから、まずは呼吸を整えろ」
イエイヌ「すー、はーっ…」
ヒョウ「そこはひっひっふーやろが!」
イエイヌ「ええー!?」
ガシッ
ゴリラ「ヒョウ、少し静かにしてくれ」
ヒョウ「…はい」コクッ
ジララ「それで、どうしたんだ?」
イエイヌ「大変なんです! 大きな白いケロン人が、サンドスターの火山に向かって行ったんです!」
ジララ「何!? キルルめ、第二形態になったか…!」
クロヒョウ「第二形態とかあるん!?」
バサバサ
カタカケフウチョウ「その通りだ」
カンザシフウチョウ「キルルは得たエネルギーの量によって、その姿を変える」
キュルル「君たちは、僕に『スケッチブックを失くすな』って言ったフレンズ!」
ジララ「おまえたち…! アムールトラも一緒だと!?」
アムールトラ「」グッタリ
カタカケフウチョウ「フレンズ相手では、かつてヒトに同化した時と同じようにエネルギーを得ることができないと判断したキルルは、このアムールトラだけに同化し、孤立させることで、彼女だけからエネルギーを得ることにした」
カンザシフウチョウ「時間はかかったが、姿を変えるのに十分な量を得ることに成功したようだ」
カタカケフウチョウ「大規模な同化を行っていなかったからこそ、我々の目を掻い潜れた」
カンザシフウチョウ「とも言える」
ジララ「ずいぶん詳しいな」
カタカケフウチョウ「我々は伝承者」
カンザシフウチョウ「ヒトから真実の歴史を教わり、後世に伝えるモノ」
ジララ「そうか……おまえたちは、最初から全て知っていたのか」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:32
カラカル「キュルルを追ってたと思ったら、今度はサンドスターの火山に向かうなんて、何を考えてるのかしら?」
ジララ「やつの目的はこの星全ての生命体を滅ぼすこと。ならば、火山を破壊するつもりだろう」
ジララ「サンドスターを失えばフレンズは衰退し、その不安からエネルギーを得ることができる。一石二鳥だ」
ヒョウ「言うとる場合かい!」
ジララ「無論、阻止する。今度こそ、確実に仕留める!」
ジララ「その前に…」
イエイヌ「はい?」
ジララ「おまえたちを、俺の暗殺兵術でイリエワニたちがいるであろう図書館に送る。そしたら、バスで遠くに避難しろ。戦火がどれほどのものになるか、わからんからな」
カタカケフウチョウ「ケロン人よ、我々も(ry」
ゴリラ「ちょっと待ってくれ!」
クロヒョウ「親分?」
ゴリラ「ジララ、これはお願いじゃない、命令だ。正直に答えてくれ」
ゴリラ「キルルを倒したとして、おまえは俺たちの所に帰ってくるのか…?」
ジララ「………………」
ジララ「キルルは倒す。確実にな」
ジララ「だが、十中八九、俺の命と引き換えになるだろう」
イエイヌ「え…?」
ヒョウ「は、はぁぁぁぁあ!?」
クロヒョウ「何を言うとるんや! とうとうボケたんか!?」
ジララ「ボケてなどいない。もちろん、生き残る努力はしよう。だが、キルルはそれを許してくれるような存在ではない」
ジララ「そうだろう? フウチョウたち」
カンザシフウチョウ「確かにそうだ。だが(ry」
ヒョウ「ふっざけんなや! もっと自分の命、大事にせえ!」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:33
ジララ「何をためらう必要がある。俺は、老い先短い老人だ」
ジララ「それに全ては、俺たちケロン人が招いたこと」
ジララ「ならば、この場にいる唯一のケロン人である俺が、全ての責任を取るべきだ」
ゴリラ「背負い込みすぎだ!」
ヒョウ「せやせや! 問題を起こしたのは大昔のケロン人で、ジララは関係無いやろ!」
イエイヌ「ジララさん、私はあなたを嫌いになってなんかいません! 私と一緒におうちに帰りましょう? ね!?」
ジララ「…おまえたちは、本当に優しいな」
ジララ「だが、その優しさに何時までも甘えるわけにはいかん。その優しさに報いる時がきたんだ」
ジララ「俺はおまえたちから、たくさんの物をもらった。捨てた心を取り戻すことができた」
ジララ「もう十分だ」
ジララ「夢も、明日も、何もいらない。おまえたちが生きていてくれればそれでいい」
ジララ「やつを倒し、俺も消える。それが、俺にできる、おまえたちへの最大最高の礼だ」
ジララ「みんな――ありがとう」ニコッ
イエイヌ「…!」
ゴリラ「や、やめろ。ジララ、早まるな!」
ジララ「暗殺超魔術"母の力・鬼子母神"!」ドーン!
キュルル「うわー!?」
カラカル「飛ばされるー!」
ゴリラ「ジララぁーーー!!」
イエイヌ「いやああああああッ!!」
ジララ「これでいい…」
空の彼方に消えていったゴリラたちを見て、ジララはぽつりと漏らした。
サンドスターの火山はパークの重要な場所。どこにあるかは既に把握している。
最終決戦に向け、ジララは瞬間移動を行った。
第7話「キルル」完
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/17/21:34
第七回ミニコーナー
ジララ「この星に来て、本当に色々なことがあった」
ジララ「このジャパリパークに来て、フレンズたちに出会えて、本当によかった」
ジララ「今なら、ドロロの気持ちがよくわかる気がする」
ジララ「…名残惜しいが、この物語は終局を迎える」
ジララ「できれば、結末を最後まで見届けてほしい」
ジララ「最後に、俺というキャラクターを生み出した脚本家の山口宏と、アニメ『けものフレンズ』という"優しい世界"、そしてアニメ『けものフレンズ2』という、"改造のしがいがある世界"を創造した全てのヒトに感謝を」
ジララ「ありがとう…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:44
最終話「フレンズ」
サンドスターの火山に着くと、キルルは目の前であった。
小さな山ほどの大きさとなった巨体を前にして、ジララはまっすぐ視線を向ける。
ジララ「ここから先へは通さん!」
ふわり、とその体が浮く。実はジララは、鳥のように飛べるのだ。
彼には多くのことができた。
その鉤爪は鉄をも切り裂き、カメレオンのように姿を消し、蛇のように赤外線を探知でき、マーゲイのように声を自在に変えられる。
それが、キルルと戦う上で、どれほど役に立つのだろうか。
ジララ(それでも、負けることは許されん!)
ゴオッ!
ジララはキルルに向かって突撃した。対するキルルは、両腕を帯のような形に変え、鞭のようにしならせ迎撃を試みる。
ジララは持ち前のスピードと、瞬間移動を駆使してキルルの攻撃を回避しつつ接近。一気に懐に飛び込む。
ジララ「暗殺超魔術"零次元斬・月影(げつえい)"!!」ズバァッ!
巨大化キルル「!?」
先手を取ることに成功したジララだったが、ダメージを確認する一瞬の隙をついてキルルの反撃を食らって吹き飛ばされてしまう。
ジララ「ぐぅ!」
なんとか体勢を整え、着地には成功したが、衝撃で地面にクレーターができた。
巨大化キルル「!」シュルルッ!
そこへキルルの追撃が来るが、ジララはこれも瞬間移動で回避する。
現状、ジララがキルルを一撃で倒せる手段は二つある。
一つは、暗殺超魔術"零次元斬・満月影(まんげつえい)"。当たればキルルさえも真っ二つになるだろう。
ただし、威力の代償として、発動までに溜めが必要となる。キルルと一対一で戦う以上、そんな余裕は無い。
もう一つは、暗殺超魔術"場吸無(バキューム)"。あらゆるものを吸い込み、消滅させる技で、本来ならもはやこれまでと悟った暗殺兵が自分の記録を抹消するためのもの。
もちろん、使えばジララもキルルも消えることになる。
ジララ(短期決戦が望ましいが……長期戦は不可避だ)
幸い、ジララは体力作りだけならこの星に来ても定期的に継続していた。持久力では、まだまだ若い者には負けはしない。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:45
それから、どれほどの時間が経っただろうか。
ジララの攻撃がキルルに当たればジララが反撃を食らい、キルルの攻撃がジララに当たればキルルが反撃を食らうことが当たり前になった頃、戦いの余波で周囲の緑は全て火によって赤く染まり、地獄のような光景が広がっていた。
ジララ「お互い、しぶといな…」
巨大化キルル「……」
巨大化キルル「キルキルキルキルキル…!」
ジララ「む!」
その時、キルルが更なる変化を遂げた。最終形態である塔の姿となったのである。
ジララ「……」
キルルタワー「……」
量産キルル『キルキルキルキルキル…』
キルルタワーの隙間から、おびただしい数の量産キルルが現れる。
ジララ「やはり、こうなったか」
ギュオッ!
キルルタワー「…!」
ジララ「暗殺超魔術"場吸無"! 異物同士、一緒に消えてもらうぞ!!」
「「「ちょっと待ったぁー!!」」」
ジララ「何!?」
推奨BGM『トゲのある花』
イリンクス「"ハードトランス"!」
ミミクリ「"マジカルフライト"!」
量産キルル『!?』ボガーン!
ゲムム「よし! アレア、今の内に、大尉に回復魔法を!」
アレア「はい! 癒しの光、"セインヒール"!」ピカーン
ジララ「おまえたち、何故ここに!?」
ゲムム「気になって調査を進めたところ、キルルの存在を知り、いてもたってもいられず、お助けに参りました!」
ジララ「…来るのが遅かったな。キルルは最終形態へと至った。おまえたち4人が来たところで――」
カゲゲ「否。4人ではない」
ジララ「カゲゲ!?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:45
カゲゲ「古代兵器キルルか、相手にとって不足無し!」
カゲゲ「暗殺超魔術"影分身"!」
量産キルルの影『……』ニュー
量産キルル「…!」
カゲゲ「さあ、己の影と泥仕合を始めるがいい!」
ドドドドド!
ジララ「何のつもりだ、カゲゲ。"影分身"は影のあるところでしか使えん。既に日が傾いた今、悪あがきにしかならんぞ!?」
カゲゲ「和解する時間稼ぎにはなろう」
ジララ「和解だと? 誰と…」
ゴリラ「ジララぁーーー!!」
ジララ「ゴリラ!?」
ゴリラ「このっ、バカヤロー!!」ブンッ
スカッ
ゴリラ「避けるな!」
ジララ「あ、すまん。条件反射だ」
ジララ「というか、何故戻って来た!?」
ゴリラ「何故、だと!? あんな悲しい『ありがとう』はいらないから返しに来た、とでも言えば満足か!」
イリエワニ「あんたを助けに来たに決まってるでしょー!」
メガネカイマン「とりあえず、間に合って良かったです…」
ジララ「イリエワニ、メガネカイマン……火を恐れていたのに」
ヒョウ「火があるとか無いとか、そんなん関係無いわ! おまえ見捨てたら、うちらもうフレンズやないねん!」
クロヒョウ「せやせや! そんなんサンドスターを浴びる前のけもの……いや、それ以下の畜生や!」
ジララ「ヒョウ、クロヒョウ…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:46
よく見ると、見慣れたフレンズたちの背後にはバスがあり、大量のフレンズがそこに控えていた。
見慣れない顔もあったが、ジララが関わったフレンズは、全員いるようだった。
ジララ「…コノハズク博士は何故細くなっているんだ?」
博士「シークレットなので(ry」
助手「ここに来る途中――」
ゴリラ『おい! 俺の記憶が正しいなら、バスはもっと速く動くはずだぞ!』
博士『い、今の博士にはこれが精一杯なのです!』
イエイヌ『どいてください!』
博士『何をす(ry』
アクセル < ギュムウ
バス < ブルアアアアアア!!(時速100q)
博士『ぎゃーっ!!?』
プロングホーン『おおっ、速い速い♪』
助手「ということがありまして」
博士「助手ーっ!」ポカポカポカポカ
ジララ「……」
キュルル「まだ、納得していないみたいだね」
ジララ「キュルル」
キュルル「じゃあ、これでどう?」スゥ
キュルル「ミラミラミラミラミラミラミラミラミラ…」
量産キルル『…!』ギシッ
カゲゲ「むっ、キルルどもの動きが鈍った」
ジララ「これは、ミランシリーズによる干渉!?」
フウチョウコンビ『その通りだ』
ジララ「フウチョウたち!」
カタカケフウチョウ「全く、一方的に話しすぎだぞ」
カンザシフウチョウ「誰かの話は、最後まで聞くべきだ」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:46
カタカケフウチョウ「ヒトとその文明が衰退したのは確かにキルルが原因だが、それはヒトの自業自得でもあったのだ」
ジララ「何?」
カンザシフウチョウ「キルルを発見したヒトたちは、キルルの力に魅せられ、その力を支配のために使おうとした」
カタカケフウチョウ「手始めにヒトは、"実行する者"キルルを制御するOS"審判を下す者"ミランシリーズを破壊した。新たなOSを作ることで、キルルを自在にコントロールしようと考えたんだ」
カンザシフウチョウ「だがそれは結果として、キルルの暴走を招いてしてしまった」
フウチョウコンビ『もう一度言う。ヒトが衰退したのは、ヒトの自業自得。"ヒトの業"だったのだ』
ジララ「…では、ミランシリーズの共鳴が使えるキュルルは、ヒトが造り出した新たなOS"審判を下す者"ということか?」
カンザシフウチョウ「その通りだ」
カタカケフウチョウ「生き残りをかけた戦いにおいて、残されたヒトたちは、"審判を下す者"を造り上げることに成功した」
カンザシフウチョウ「ただし、オリジナルのミランシリーズには程遠い粗悪品だった。そこでヒトは、人造の"審判を下す者"を量産することでキルルに対抗したのだ」
ジララ「そうか……だからキルルは活動の邪魔になるキュルルを狙った。そして、一体一体の精度が低いから、"鑑定眼力"に引っ掛からなかったのか」
カタカケフウチョウ「我々が教わった歴史には、キルルがあのような姿になった記録は無い。当時のキルルは第二形態で敗れ、封じられたのだろう」
カンザシフウチョウ「戦いにおいて、残ったOSは彼一人だけだった。ヒトは、何もしないよりはマシだとして、キルルが再び目覚めた時に備えて、キュルルを封印することにした」
ジララ「となると、キュルルのスケッチブックは、キュルルが封印されている間に記憶障害に陥った時のための、ヒトからのメッセージということか」
カタカケフウチョウ「その通りだ。ヒトは、ヒトの痕跡や、ヒトと関わったフレンズと遭遇させることで、キュルルの記憶を甦らせようと考えた。次、キルルが目覚めた時、フレンズ相手ではヒトと同化した時より、大幅に活動が遅れると見越していたからな」
カンザシフウチョウ「そしてヒトは、サンドスターによって着々と数を増やす我々フレンズこそが、『地上を支配する新たな種』であると判断し、姿を消した」
フウチョウコンビ『これが歴史、これが真実だ』
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:47
ジララ「……」
イエイヌ「ジララさん」
ジララ「イエイヌ」
イエイヌ「ここにいるみんなは、パークを危機から救うために集まりました」
イエイヌ「だけど同時に、あなたを助けたいと思ったからここに来たんです!」
イエイヌ「それでもあなたは、自分が消えるべきだと考えるんですか!?」
ジララ「………………」
ポタッ…
ジララ「…涙? 俺が、泣いた…?」
量産キルルの影『……』シュウウウ…
カゲゲ「そろそろ限界か。ジララ、決断の時だ!」
キュルル「僕の共鳴だけじゃ、キルルを完全に抑え込むのは無理だよ!」
ジララ「どうやら俺は、とんでもない思い違いをしていたようだ…」ゴシッ
ジララ「みんな、聞いてくれ!」キッ
ジララ「こうなってしまった以上、キルルを止める手段はただ1つ。本体であるキルルタワーを破壊するしかない」
ジララ「俺ならキルルタワーを一撃で破壊できる。だが、そのためには"零次元斬・満月影"を発動させるためのエネルギーを溜めた後、量産されたキルルの群れを掻い潜らなければならない」
ジララ「そこで、おまえたちに量産されたキルルの相手をしてもらいたい!」
ジララ「量産されたキルルは弱い。キュルルの共鳴による干渉によって動きが鈍った今、おまえたちでも対処できるはずだ」
ジララ「だがそれは、悪く言えば、おまえたちを囮に使うということでもある。俺に、おまえたちを助ける余裕は無い」
ジララ「それでも、俺についてきてくれるか?」
フレンズたち『当たり前だ!!』
『当たり前です!!』
『当たり前よ!!』
ジララ「そうか。では、行くぞ!」
フレンズたち『おおーっ!!』
推奨BGM「ようこそジャパリパークへ」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:47
クロヒョウ「うー! がぉー!」
イエイヌ「わおーん!」
アムールトラ「よくも私の体で好き勝手やってくれたなぁ!」
ヒョウ「狩りごっこやのうて、ほんまもんの狩りやー!」
チーター「私だってぇ!」
カラカル「キュルルだけに、いいかっこさせるわけにはいかないのよー!」
イリエワニ「ワニの顎の力、思い知りなさい!」
メガネカイマン「はぐー!」
ゴリラ「ゴリラの腕力と握力もなぁっ!」
ヘラジカ「真正面から、叩き潰す!」
ライオン「私たちの島――荒してんじゃねえぞぉ!」
マーゲイ(ジララボイス)「おーい、俺はこっちだ! こっちに来い!」
プリンセス「キルルが来たわよ!」
コウテイ「チョップで叩き落とせー!」
ジェーン「おー!」
イワビー「アイドルは運動もできないとな!」
フルル「キュートに決めて媚びまくれー!」
プロングホーン「ははっ! 私の一世一代の走りだ! 捕まえられるのなら、捕まえてみろ!」
G・ロードランナー「どうしたどうした! ついてこれないのか? おっせーなぁ!」
キタキツネ「『ゆーしゃ』は仲間を見捨てない!」
ギンギツネ「こんな時までゲームに例えて……ま、怖がるよりマシか」
カピバラの群れ『数なら負けないわよよよ〜!』
アルパカ「絶滅なんか止めて、私の紅茶を飲みなさーい!」
トキ「私の歌も聞けー!」
フウチョウコンビ『キルルよ、我々と共に踊るがいい!』
博士「助手、我々も行くのです!」
助手「博士、体が元に戻ってからの方がいいのではありませんか?」
アレア「イリンクスちゃん、ミミクリちゃん、あれをやるわよ!」バッ
イリンクス「わかったわ、姉さん!」バッ
ミミクリ「りょ〜かいっ!」バッ
三姉妹『"トリニティレイジ"!!』ズドーン!
ゲムム「ふはははっ! せめて奥義で葬ろう、跡形なく消え去るがいい! "ダークブラスター"!!」ビィィィィッ!
カゲゲ「テメーのそのじゃがいも頭ぶち割って脳みそストローでチューチューするぞガキィ!!」
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灰色ねこ◇4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◇4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:51
それぞれが、思い思いの方法で量産キルルの行動を妨害していく。
その隙に、ジララはキルルタワーへの抜け道を見定めた。
ジララ(そこか。みんなの頑張り、無駄にはしない!)
バッ!
一気に駆け抜ける。宣言通り、フレンズたちには目もくれず、必要最低限の量産キルルだけを仕留めて、キルルタワーへと近づいた。
キルルタワー「…!」クワッ
キルルタワーは再びエネルギーの波を放ってジララを追い払おうとするが、
ジララ「同じ手は二度も食わん! 暗殺兵術"母の力"!」ドゴーン!
自らを"母の力"で突き飛ばし、強引に突破する!
ゴリラ「いいぞ、ジララ!」
ヒョウ「ヤキ入れたれー!」
クロヒョウ「いけいけー!」
イリエワニ「決着をつけなさい!」
メガネカイマン「もう終わりにしましょう!」
ゲムム「大尉!」
カゲゲ「ジララよ!」
イエイヌ「ジララさん……勝ってぇーーー!!」
ジララ「ああ――任せろ! 暗殺超魔術"零次元斬"!」ギュオン!
キルルタワー「…!?」
ジララ「" 満 月 影 "!!!」ズバンッ!!
キルルタワー「!!!!」
満月のように丸く、そして大きなエネルギーの刃によって、キルルタワーは斜めに両断され、ついに崩れ去った。
それに伴い、量産されたキルルも消滅していく。火事も嘘のように鎮火した。
フレンズたち『やったー!!』
ジララ「ああ、終わった。おまえたちが時間を稼いでくれたおかげだ」
ジララ「今度こそ、ありがとう」ペコッ
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:52
イエイヌ「ジララさぁーんっ!」ガバッ
ジララ「むおっ!?」ギュウウウ
イエイヌ「良かった……本当に良かったです…!」グスッ スリスリ
ジララ「…すまん。俺が愚かだった」ポンポン
テクテクテクテク
ジララ「ん?」
イエイヌ「ボスさん?」
ピタッ
ラッキービースト「………………」ジー
ジララ「俺に、何か用か?」
ラッキービースト「………………」
ラッキービースト「ヨウコソ、ジャパリパークヘ」尻尾フリフリ
ジララ「!」
ジララ(そうか。これで俺も、ようやく――)
ジララ「ああ、ありがとう。これからも、よろしく頼む」
ラッキービースト「………………」尻尾フリフリ
ゲムム「あの時と同じだ…」
カゲゲ「何?」
ゲムム「かつてトリニティアにプレイヤーとしてケロロ小隊がやって来た時、我はラスボスとしてケロロ小隊と拳を交えた」
ゲムム「敗北した我は、ケロロ小隊に、我に止めを刺すよう促した。それが、プレイヤーに敗北したラスボスの運命(さだめ)だと」
ゲムム「だがその時、我の危機に妹たちが駆け付けたのだ」
三姉妹『……』
ゲムム「それでようやく、我は気づいたのだ。彼女たちが本当に我を慕っていると。"ここ"が我の居場所なのだと」
カゲゲ「…なるほど。確かに、今のジララとよく似ている」
キュルル「居場所、か…」
カラカル「キュルル?」
キュルル「"審判を下す者"として造られた僕に、最初からおうちなんて無かったんだ」
キュルル「そして、キルルも倒された。そんな僕に、居場所はあるのかな…」
カラカル「あ…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:52
博士「キュルル、かばんを追うのです」←さすがに戻った
キュルル「かばん?」
博士「およそ一年前、サーバルキャットのフレンズ、及びラッキービーストと共に旅をしていたヒトがいたのです」
ジララ「確か、俺が初めてジャングルにやってきた日に、ゴリラから似たような話を聞いたな」
ゴリラ「あの噂は本当だったのか!」
博士「かばん達は海の向こうにある、ゴコクエリアに行きました。フレンズ、ヒト、楽しいこと、面白いこと、色々な事柄を探すためです。おまえもそこへ行くべきなのです」
キュルル「でも、僕はヒトに造られたヒトで…」
カラカル「いいんじゃない? 造られても、ヒトはヒトでしょ?」
キュルル「カラカル…」
カラカル「ひょっとしたら、あんたを造ったヒトもいるかもしれない。会ってみたいと思わない?」
キュルル「…!」
キュルル「うん! 僕、会ってみたい! 僕を造ったヒトに!」
カラカル「じゃあ、決まりね。ゴコクエリアに行くわよ」
キュルル「え!? カラカル、一緒に来てくれるの!? 海の向こうなのに!?」
カラカル「当たり前じゃない。ここまで来たんだもの、最後まで付き合うわよ」ガクガクブルブル
キュルル「……」
キュルル「うん、ありがとう」ニコッ
カラカル「………………」ポー
アムールトラ「ちょっと待った」
キュルル「え?」
アムールトラ「旅立つ前に言わせてくれ。『ごめんなさい』」ペコッ
キュルル「そんな、君はキルルに操られていたんじゃないか」
アムールトラ「操られていたけど、私がやったことには変わりない」
アムールトラ「私はこれから、迷惑をかけたみんなに謝るための旅に出ることにするよ」
アムールトラ「まあ、旅って言ってもすぐに終わると思うけどね。次に謝る相手、すぐそこにいるし」
博士「です」
助手「です」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:53
カゲゲ「その旅、我も同行させてもらえないだろうか?」
アムールトラ「…あんた、名前は?」
カゲゲ「おっと、これは失礼した。カゲゲと申す」
アムールトラ「そう。私はアムールトラ」
アムールトラ「どうして一緒に行きたいの?」
カゲゲ「此度の件、我々ケロン人が原因の一端であることには変わらんからな。ケロン人を代表して、我が謝罪しようと思う」
カゲゲ「まずはこの場にいるフレンズ達だな。『すまなかった』」ペコッ
ジララ「カゲゲ、別におまえでなくてもいいんじゃないか?」
カゲゲ「ジララ、貴公は既に『キルルを倒す』という大役を果たした。今はしばし休め」
カゲゲ「それに、我は貴公と違い流浪の身。フレンズと交流を深めるのに、ちょうどいい機会だ」
ジララ「…そうか」
カゲゲ「して、アムールトラ殿。返事は?」
アムールトラ「いいよ。私も、あの怪物を造ったやつらのことをよく知る必要がある。必要以上に憎まないためにね」ニヤリ
カゲゲ「はっきりと言う。お手柔らかに頼む」
アムールトラ「うん」フフッ
ゲムム「…さて、妹たちよ。我らはトリニティアに帰るとしよう」
三姉妹『はーい!』
ゲムム「ジララ大尉、おさらばです。いつまでもお元気で」
ジララ「ああ、おまえも、おまえの妹たちも達者でな」
ゲムム「はい」
カンザシフウチョウ「…これで、我々の役目も終わりか」
カタカケフウチョウ「いや、終わりではない」
カンザシフウチョウ「え?」
カタカケフウチョウ「キルルが倒されたこと、その戦いのこと。歴史に新たなページが刻まれたのだ」
カタカケフウチョウ「我々は次世代にこれを伝承しなければならない。未来ある限り」
カンザシフウチョウ「そうか。そうだな」
バサバサバサ…
[SHV41]
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2020/06/18/22:53
後日、ジャングル
紙相撲 < やぁ。
ヒョウ「ぬおおおお!」トントントン
イリエワニ「てりゃー!」トントントン
ジララ「…何をやってるんだ?」
ゴリラ「紙相撲っていう遊びだ。図書館にあった本に書いてあったらしい」
ジララ(紙相撲は知ってるんだが……あそこまで力む必要があるものだっただろうか)
パタッ
ヒョウ「ああっ、また引き分けや!」
イリエワニ「これで5回連続ね…」
ジララ(仲が良いんだな)
イリエワニ「あ、ジララ。あんたもやる?」
ジララ「いや、せっかくだが遠慮しておく。今日はイエイヌの家に行く約束をしているのでな」
ヒョウ「デートやな」ニシシ
ジララ「年寄りをからかうんじゃない。とにかく、行ってくる」
ゴリラたち『行ってらっしゃーい』ノシ
◆
ジララ(フレンズたちは本当に俺を大切な存在としている。このジャパリパークが俺の居場所)
ジララ(キルルとの戦いは、そのことを俺に強く自覚させた)
ジララ(だが、歳のせいか、『本当にそれでいいのか?』と思ってしまうことがある)
ジララ(そんな時に、俺はイエイヌの所に行くのだ)
ドア < コンコン
ジララ「イエイヌ、ジララだ。入ってもいいだろうか?」
イエイヌ『ちょっと待ってください、今、開けます!』
ガチャ
イエイヌ「ジララさん、いらっしゃい!」ニッコリ
ジララ「ああ、邪魔をする」ニコッ
ジララ(この笑顔が守れただけでも、俺が生き残る意義はあった。そう思うことができるから――)
最終話「フレンズ」完
『ジララ大尉がジャパリパークで余生を過ごすようです。』おわり。
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