ガンプラビルドガールズ
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プラネテューヌ親衛隊
2016/09/04/18:14
七森中在校生赤座あかりはいつも通りの日常を過ごしていた。
二年生に上がり三年生が受験勉強に勤しんでいる季節。
ひょんな事から幼馴染みの歳納京子が部室にガンダムのプラモデルーーーガンプラを持ってきてーーー。
この物語はガンプラファイトを通じて成長する少女の物語である。
[SC-05G]
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/23/19:10
一時的に二人は協力体制を結ぶ。
最強タッグがここに誕生した。
「ふん、いいだろう……元よりこの大会を潰すのが俺の目的だ。邪魔をするなら先にお前らを消してやる!」
「そんなことはさせません! 行くよ、あおいちゃん!」
「……うん!」
二人は空中に滞在する五機に向かって突進していった。
◇
『ああ、え? これは何かのイベントなの?』
目の前で起こったイレギュラーな事態にMCは混乱している。
同様に観客達も何があったのかと、動揺していた。
「……とんでもない展開になっちゃったね」
「まさか……御大将がわたし達を利用してたなんて……」
突然の事態にうまるの頭も困惑して、頬に汗を垂らす。
京子は驚きを隠せないでいた。
「これ、夢じゃないんだよね?」
「残念ながらね。なんなら頬でもつねってみる?」
「や、やめとく……」
頬を引っ張ろうとする動作をしたので、京子は咄嗟に身構えた。
「あわわわ……どうしたらいいんッスかっ! 先輩達の師匠が実は悪い人でこの大会をめちゃくちゃにしようとしてるなんてぇ〜!」
「真依ちゃん落ち着きなって、焦っても仕方ないよ」
「そ、そうは言いますッスけど〜」
真依の目は泳いでいる。かなりパニックに陥っているようだ。
「ユウキちゃん。嫌に冷静だね?」
「ボクも動揺してない訳じゃないよ。でも、取り乱しても何も解決しない……うまるちゃんだってそうでしょ」
「まあね。私もユウキちゃんと同意見だ。この状況をどうにかしたいと思ってる」
「なら、わたしらでどうにかしようっ!」
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2017/05/24/04:53
いきなり席を立ち、宣言した京子に皆目が点になって視線を集中させる。
「自分達でって、どうやるんス?」
「あおばさんを探そう。こういう時って審査員のあおばさんなら、頼りになりそうじゃん」
「なるほど。いままで幾つものトラブルを解決してきた彼女なら……」
「それもいいけど……外に救助を求めた方がいいんじゃないかな」
と、ユウキがごもっともな意見をする。
「甘いねユウキちゃん。こういう時って漫画だと連絡取れなくなったり、通路が塞がってたりして閉じ込められたりするんだよ」
「いや、流石にそんな都合のいい展開がある訳が……」
「みんなっ!」
結衣とちなつが血相変えて駆け寄ってきた。
「お! 結衣。ちなつちゃん! 無事だったんだ!」
「まあね。それより……まずいことになったぞ」
「まずいことって……」
「ま、まさか……」
結衣の発言にうまるとユウキは嫌な予感を感じた。
「外に連絡が出来ないんですよ! しかも、出入口とBブロックへ続く通路の防犯シャッターが降りてて通れなくなっちゃったんです!」
「「やっぱりねーっ!?」」
嫌な予感が的中してうまる。ユウキは汗を滲ませながら叫んだ。
「う、うわ〜……京子先輩の予感当たっちゃったッスね」
「こうなってくると、お客さんがパニックになって大変なことになるね……何とかしないと……」
「その前に状況を説明してくれない。まだ私達この状況をよくわかってないんだよ」
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2017/05/24/20:21
「ああ、そうだったね」
京子は二人に今の状況を説明した。
「嘘……御大将さんが……」
「信じられないけど事実だよ。本人が堂々と説明してたからね」
うまるが帽子を深々と被る。短い期間とはいえ、彼女にとってもギムは尊敬できる師であった。
それが全て偽りと知って、うまるの心は傷つく。今の表情を誰にも見られたくなかった。
「綾乃達は例のDG粒子って、言うのに操られてる……どうにかしないとあかり達が危ない。幾ら二人が強いからってあの人数相手はキツいよ」
二人の戦闘を見据えて、あかり達が不利であると感じた結衣。
ここで京子は疑問に思う。
「にしても、どこから乱入したんだろう……この会場のシュミレーターからではないみたいだけど」
「ここの会場じゃない……あ!」
京子の言葉で真依は何かに気がついた。
「も、もしかしてBブロック会場じゃないッスか! さっき言ったッスよね。向こうの通路のシャッターが降りてて通れないって、それって向こうに皆が居て操作の邪魔をされたくないから近づけさせないようにしてるんじゃっ!」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/25/21:48
「なるほど、それはあり得そうだよ。真依ちゃん冴えてるね」
「え、いや……まぐれッスよ」
うまるに誉められ、真依は頬を赤らめて後頭部を掻いた。
「御大将がBブロックにいるなら……こうしちゃいられない!」
何を思ったのか京子は突然走り出した。
「おい、京子っ!?」
「きっとBブロックに向かったんじゃ……追いかけましょう!」
ちなつの言葉に皆が頷き。全員京子の後を追った。
「う〜。開かない……」
京子が眉根を歪める。思ってた以上に行き詰まるのが速かった。
結衣の言っていた通り、Bブロックに向かう為の通路全てにシャッターが降りていた。
「言わんこっちゃない。どうするつもりだったんですか?」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/26/04:49
「いやぁ、何とかなるかな〜って……」
根拠のない返答にちなつは深い溜め息をついた。
「あおばさん達がいるのは、この向こう側なんだよね」
「そうだよ。ここが開かないことには二人と合流なんて出来やしない」
ユウキの疑問に答えたのは結衣だった。管理室はBブロック側にある。なので、このシャッターをどうにかしないと二人と合流出来ないのだ。
「うーん。どうすれば……」
ピピッ!
悩んでいるとシャッターの向こう側から何か音がした。その音に反応して京子はシャッターを見つめる。
「え、え? 何が?」
その時。硬く閉ざされていたシャッターが音を立ててゆっくりと上昇していく。
「シャッターが開きましたよ!?」
「京子ちゃん。もしかして何かやった?」
「いやいや、わたしは何も……」
「あ、みんなっ!」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/26/19:39
シャッターが開き終えると、そこに立っていたのはあかねとあおばだった。
「あかねさん! あおばさん! え、どうやってシャッター開けたんですか?」
再会の喜びより、シャッターを開けた驚きの方が勝ったユウキは二人は尋ねるとおおばは、手にした携帯端末をコンコンと叩いた。
「私にかかれば、この程度のロックなんて簡単に解除出来るわ」
「審査員って、そんなことも出来るんですね……」
審査員ではなく、もはやスパイなのではないかとツッコミたくなる結衣だったが、その衝動を抑えた。
「あおばさんがシャッター開けられるなら話は早い。これでBブロック会場に向かえるね」
「……そこにギムさんがいるのね?」
あかねの返しに皆が目を丸くした。
「あの人がこの騒動を起こした張本人って、知ってたんですか……」
「ええ、戻る途中にあおばから……彼女の部下達が捕まえた犯人から聞き出したの」
「そ、そうだったんですか……あの……」
かつての師に騙されていた二人をどうにかして励まそうとしたちなつだが、思うような言葉が出てこなかった。
「Bブロック会場ね……あかね。向かいましょう」
「そうね。さっさと止めないと」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/26/21:35
が、二人はそれほど気にしていないようだった。
「あ、あれ……ショック受けてると思ってたんですけど……そんなに気にしてない?」
「気にしてないって言ったら嘘になるわ。騙されていたと知って傷ついたもの……でも、それよりもね」
「……怒りの方が勝ってるのよ」
あおばは目を細めて骨を鳴らす。
その怒りに染まった表情を見るに、どうやら一同が心配する必要はなかったようだ。
あおばは表情を戻すと、あかねに横目で見る。
「先に観客を避難させましょう。観客の安全が第一よ」
「そうね。あなた達も手伝ってくれる?」
あかねの問いに全員が首を前に倒した。
「ありがとう皆。それじゃ行きましょう」
あかねとあおばを先頭にAブロック会場へと急ぐ。
「京子ちゃん、ちょっといいかな?」
「ん、なに?」
走りながらうまるが声をかけてきた。何事かと京子は耳を傾ける。
「京子ちゃんも師匠……ギムがやったことに頭きてるよね?」
「そりゃもちろん。あんなことされりゃねぇ……」
「じゃあさ……」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/27/11:17
うまるは京子の耳元でひそひそと囁く。最初こそ驚きはしたものの、京子は笑みを作って頷くのだった。
◇
「はははははっ! 無駄無駄っ!」
ギムの不愉快な高笑いが会場に響く。
「わかってたけど、強い」
「……あなた達の師匠だけのことはある。それに……」
二人でギムに挑むが苦戦を強いられていた。その理由が操られた綾乃達にある。
四体とも統率の取れた動きで攻撃。防御を行いあかり達を追い詰めていた。
「……彼女達を攻略しないかぎり。彼に攻撃を与えるのは難しい」
「どうにかして正気に戻さないと……」
「……千歳さんが正気を取り戻したのは、ファイトに負けたからと聞いた」
「うん。あかりも聞いたよ。それが?」
「……洗脳の解き方が知れたなら簡単。彼女達の耐久値を0にすればいいだけ」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/27/22:11
「そうか、いつものようにすればいいんだね」
「……そう。私が囮をやる。あなたは隙をついて誰でもいいから倒して」
「わかったよ」
あかりからの返答を受けると、リボーンズガンダムは一機で四機と戦いに挑む。隊列の中心にビームを撃って列を乱し、自分に注意が向けられるよう立ち回る。
(あおいちゃんに気を取られてる。この隙に誰か正気に戻さないと……まずは)
最初に狙っている相手は決まっていた。あかりはその機体に向けてダブルオーライザーを加速させる。
「杉浦先輩すいませんっ!」
「っ!?」
狙うは綾乃のノーベルガンダム。リボーンズガンダムに気を取られて反応に遅れたリボーンズガンダムの胴体を斬り裂く。
「まずは一撃……あと一回与えればっ!」
ノーベルの耐久値は大幅に減少した。あと一撃を加えれば0になる。
あかりは続けざまに攻撃を繰り出す。
「え……」
が、ダブルオーライザーは攻撃の手を止めた。すかさずノーベルガンダムはビームリボンでダブルオーライザーを弾く。
「くうっ!」
「……あかり!」
迫っていたリゼルを蹴飛ばし、リボーンズガンダムは吹き飛ばされたダブルオーライザーを受け止めにいった。
「……何故攻撃を止めたの」
「だって、あれ……」
「……これは、どういうこと?」
ノーベルガンダムを見て、何故あかりが攻撃を止めたのかあおいはわかった。
ノーベルガンダムの胴体に『何かに斬り裂かれたような傷』があったからだ。
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2017/05/28/09:01
「あれは……GNソードの傷……どうして……」
「ふはははははっ! 驚いているようだな、これもDG粒子の効果だ!」
ターンXが自慢気に胸を逸らす。
「どういう……ことです……」
「さっきも説明しただろう。俺の理想のガンプラファイトを、その理想こそがこのDG粒子によって起きる現象『リアルダメージ』なのだ!」
「リアル……ダメージ……」
「……つまり攻撃すれば相手のガンプラは破損するということ?」
「その通りだっ!」
「そんな……それじゃ、攻撃出来ない……」
ギムから告げられたDG粒子の隠された効果。それを聞いてあかりは綾乃達のガンプラへ攻撃することに躊躇いが生まれてしまった。
「……いつの間にこんな仕掛けを」
「お前達が大会に集中している目を盗んで、俺は管理室へ赴きDG粒子で全員を洗脳しておいたのだ。決勝になったらバトルフィールドにDG粒子が排出されるように命じていたのだ」
「……じゃあ、彼女達もその時に」
「ああ、そうだよ」
ギムから真相を聞いてあおいはコントローラーを握る手を強くした。
あかりとの戦いを邪魔されたのもそうだが、彼女の友人を騙し。操り人形としている彼が許せなかった。
「……あかり。戦える?」
「そ、それは……」
あかりに問いかける。あかりはあおいの質問に戸惑っていた。
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2017/05/28/09:30
「……私は戦うよ」
「っ! で、でも……皆がっ!」
「……わかってる。彼女達に攻撃はしない。私の狙いはアイツ」
リボーンズガンダムがビームサーベルでターンXを示す。
「アイツを倒さなければ、彼女達の洗脳を解くことも。この事態を解決することも出来ない……私は姉さんを利用しようとしたアイツを許さない。だから倒す……それに」
リボーンズガンダムは顔を少し傾けてダブルオーライザーに視線を送る。
「……あなたとの決着がついてない。あんな奴に邪魔されるのは嫌だ」
「……あおいちゃん」
あおいが再戦を望んでいる。それはつまり……戦いを楽しんでくれている。
その言葉を聞いてあかりに笑みが戻った。
「そうだね。そういう約束だったね……うん、あかりもあおいちゃんと戦いたい。その為には……あの人を止めて皆を取り返さなきゃ!」
あかりに闘志が戻る。強い眼差しでターンXを見捨てた。
彼女達のやり取りを真上から見ていて、ギムは鼻を鳴らす。
「まだ俺に歯向かうか、もういい……ここで終わりにしてやる! やれ、お前達っ!」
ギムの号令で四機が一斉に襲いかかってくる。
「うりゃあああああっ!」
その時。どこから現れたのか、ちなつのキュベレイが姿を現してリゼルに体当たりをくらわして吹き飛ばした。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/28/18:50
「助けに来たよ、あかりちゃん!」
「ちなつちゃんっ!?」
「私達もいるよ!」
結衣の声。それからすぐにゲートが出現してガンダムデスサイズヘルカスタムが現れた。
その後にザクとガンダムヴァーチェも発進され、ノーベルガンダム達を突き飛ばす。
「結衣ちゃん。真依ちゃん。それにユウキちゃんまでっ!」
「綾乃達の相手は私達でやるから、二人はあの人を!」
「任せたよ、あかりちゃん!」
「先輩のお役に立ってみせるッス!」
「あおい、頑張ってね。ここはボク達が食い止めるから!」
四人は自身のガンプラを突進させ、綾乃達のガンプラをこの場から遠ざける。
「貴様らっ! どこから沸いて出てきた! 邪魔をするなぁあああっ!!!!」
「「それはこっちの台詞っ!」」
ダブルオーライザーの後方から、ビームと実弾の両方が飛んでくる。
ターンXに被弾し、爆発を引き起こした。攻撃が飛んできた方を向くとそこにはシルヴァ・バレトとガンダムバルバトスがいた。
「京子ちゃん。うまるちゃん……皆どうやってここに来たの?」
「忘れたの。元々ここは多人数対戦出来るんだよ、開いてるシュミレーターから乱入してきたんだ。二人を助ける為にね〜」
「そういうこと。後は……あの馬鹿師匠を一発ぶん殴りにね。その為にあかねさん達に避難誘導任せて来ちゃったのは不味かったけど……」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/29/18:30
◇
「あおば。避難終ったわよ」
「ありがとう。助かったわ」
あおばとあかねの迅速な対応で、会場内にいた全ての人間の避難を完了させた。
「あれ、ところで皆は……?」
避難を手伝っていた筈の京子達の姿がどこにもない。
二人は周囲を見回すと、あかねは姿を消した六人を見つけた。
「あおば……皆あそこにいるわ……」
「って、何をやってるのあの子達はっ!?」
あかねの視線の先を追うと、そこにはあかり達と共に戦う六人の姿があった。
「止めないと……危険だわ」
「待って、ここはあの子達に任せましょう」
連れ戻そうとするあおばを、あかねは腕を掴んで引き留める。
あおばはその手を振り払った。
「任せるって、何を考えているのあなたはっ!」
「落ち着いて、きっと皆は私達をBブロック会場へ行かせる為にギムさん達の相手をして気を逸らしてるんだと思うの」
「どうしてそう言えるの?」
「あの子達はそういう子達だから、あおいちゃんだって同じ立場だったらそうするわよ」
「……」
あおばはバトルフィールドを見つめ、数瞬考えたあとに肩を竦めた。
「わかった。任せるわ。あの子達に……」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/29/18:47
「ありがとう。あおば」
「お礼を言われることはしてないわ。それに……あの子達に中断しろって言っても聞かないでしょ?」
「確かにね」
二人揃って苦笑した。もう一度あかり達の戦いを見つめ、健闘を祈るとBブロック会場へと足を進めた。
◇
「ぶるわあああああっ!!!!」
咆哮を上げながら上空にビーム放ったターンX。その余波で煙を吹き消した。
「あんまりダメージ受けてないね」
と、うまるが相手の機体の破損状況を見ながら言った。
「……気をつけて、このフィールドはガンプラにリアルダメージがくる。下手をすればあなた達のガンプラが壊れてしまう」
「知ってるよ。さっき御大将がでかでかと言ってたじゃん」
「え、知ってて助けに来てくれたの!」
あかりは目を見開いた。てっきり知らずに乱入したのだと思っていたから。
「当たり前だろ。二人が危ない目にあってんだから……見過ごせないよ〜」
「京子ちゃん。ありがとう」
京子の一言が嬉しかった。この状況で危険をものともせずに駆けつけてきた彼女達の存在は頼もしかった。
「で、あかりちゃん。君は師匠だったアイツに攻撃出来るの?」
「うん」
「意外……躊躇するかと思ってたんだけど、即答するなんて……」
意外な返答にうまるは目を丸くした。あかりは強く頷くと話を続ける。
「お姉ちゃん達を騙していたのは許せない。けれど、あかりはそれ以上に悲しいんだ」
「……悲しい?」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/05/30/19:24
何故あかりはそのように思ったのか、あおいは首を傾げた。
「御大将さんだって……最初はガンプラファイトが楽しいって気持ちを持ってた筈。それがどうして……相手のガンプラを破壊するシステムを作ろうとしたかわからないけど……こんなことを続けさせちゃダメ。ガンプラファイトを復讐に使うなんて……止めなきゃ、御大将さんにガンプラファイトが楽しいって気持ちを思い出して欲しい」
「なるほど……あくまでも師匠を救いたいってことね。そういうことなら私も手伝うよ。京子ちゃんも手伝ってくれるよね?」
「もっちろん、復讐なんて考えらんない程楽しいって気持ちを教えてやんないとね!」
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2017/05/30/20:29
「……私はあなたの判断に任せる」
三人とも協力的だ。あかりは皆の優しさに涙を流しそうになるが、それを堪えて前方の敵を見据える。
「ありがとうみんな。あかりに力を貸して!」
「おう!」
「任せて」
「……了解」
四人は愛機を発進させる。先に仕掛けたのはうまるのバルバトスだ。
ターンXに急接近する。
「お喋りはもうお仕舞いでいいのかぁっ?」
「もう終ったからね。そっちこそ、話してる間に攻撃しないなんてずいぶんと余裕じゃん」
レンチメイスを振り下ろした。
振り下ろすタイミングに合わせてターンXは右腕を上げる。先端が分裂してレンチメイスを掴んだ。
すると、次の瞬間掴まれた場所からメイスが溶かされていった。
「はははっ! ターンXにはシャイニングフィンガーがあるのを忘れたなぁ! このまま溶かしてやる!」
「や、ヤバイっ!」
メイスが完全に溶かされて使い物にならなくなった。右腕が頭に迫る。
が、ターンXの右腕にGNファングが突き刺さり軌道が逸れた。
その瞬間にバルバトスは距離を離す。
「ありがとう。あおいちゃん」
「……礼はいらない。次が来る」
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2017/05/31/19:42
ターンXの各パーツが分離して四機に襲いかかってくる。
全方位から繰り出されるオールレンジ攻撃の前に四人は避けることしか出来ない。
「はははははっ! 四人揃ってその程度か? 少しは反撃してきたらとうだ」
「全く隙がないから反撃しようがない……」
「……私達四人の動きを呼んで的確に攻撃してきてる。これを破るのは至難の技」
絶え間ない攻撃に追い詰められつつあることに焦るあかり。
あおいは何か打ち破る方法がないかを考える。
「くっそ……せめて相手の視界を遮るものがあれば不意をついて一撃かませられるんだけどなぁ〜」
「視界を遮る……そうだ!」
京子の呟きを聞きあかりは閃いた。
あかりが何かを思いついたと察し、うまるはそれに希望を願って言う。
「何か思いついたの?」
「うん、皆聞いて」
通信であかりから説明を聞き、四人はそれぞれ口角を上げて確信すると早速実行に移す。
シルヴァ・バレトはキャノン砲の発射体勢をとった。
「こいつをぶち当てる」
「ふん、当たるかそんなものっ!」
「……せーの!」
と、シルヴァ・バレトはターンXじゃなく地面に向けて発射した。爆発と共に地面の破片が舞い。土煙が立ち上る。
「ふん、どこを狙ってる……もはや狙う気力もないか」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/01/05:01
ギムの言葉に何も反応せず。京子は一心不乱に地面に向けて撃ち続ける。
何度も撃ち続けた結果。煙が辺り一面を覆って視界が悪くなった。
「……お前、いったい何をーーー」
言葉の途中でギムは気づいた。京子の行動の意味を……。
「ま、まさか!?」
「気づくの遅いよ!」
煙幕の中からバルバトスが飛び出す。手にした太刀を横に振り、ターンXの右腕を斬り落とす。
「ぐうっ! これでは使い物にならん」
右腕を捨て、煙幕の中から逃げ出そうとするも左腕と両脚が爆発した。
「なっ!?」
「へへ、やったね」
「……」
撃ち落としたのはシルヴァ・バレト。リボーンズガンダムの二機。
残りは頭部と胴体のみとなった。ギムは逃げようとしたがもう遅い。
眼前にトランザムを発動させたダブルオーライザーが迫っていた。
「う、うわああああああっ!」
頭部と胴体が同時に攻撃され、大会をめちゃくちゃにしようとした首謀者は撃墜されるのだった。
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2017/06/01/18:39
「何故とどめを刺さない……」
ターンXの耐久値は僅かに残っていた。目の前にはダブルオーライザーを含めた四機がいる。
攻撃をしたいところだが、頭部以外のパーツは破壊されているので何も出来ない。
「あかり。貴様……手加減したな。何のつもりだ?」
ターンXの耐久値が残っている理由。それは最後の一撃の時。ギリギリ残るようあかりが手を抜いていたからだ。
ダブルオーライザーはターンXの頭部まで近づく。
「ただ勝っても意味がないからです。御大将さん……ギムさん。聞いてもいいですか?」
「ふん、嫌みでも言うつもりか……」
「違います。あかりが聞きたいのは……ギムさんは、ガンプラファイトが好きかってことです」
「何故そんなことを聞く……?」
あかりの問いにギムは眉根を歪めた。
「ちょっと聞いてみたかったからって理由じゃダメですか?」
「………」
ギムはほんの数秒黙った後に渋々口を開いた。
「そんなの。好きに決まっているだろう。俺が小さな頃からあったガンプラがこうして動くようになって、アニメのように戦えるんだ。こんな夢のようなことを嫌いと言える訳があるまい!」
「そうですか、やっぱり……」
あかりはギムがそう言うのをなんとなく予想していた。本当にそう思っていて嬉しく思う。
「ガンプラファイトが大好きだから、アナハイム・プラフスキーに入社したんですよね。自分が好きなガンプラファイトをより良く面白くするように」
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2017/06/02/20:11
「でも、やり方が間違ってた……よりリアルにするのはいいけど、ガンプラが破壊される仕様はやり過ぎだよ」
「お前に何がわかる。リアルさを求めて何が悪い!」
うまるの発言に激昂するギム。戦闘描写をより本家に近づけることに信念を注いでいた彼にとって、侮辱とも言える言葉だった。
「もっと他にやり方はなかったんですか……」
「ないな。俺が長年考えて出した答えがDG粒子だ……他に方法なんてなかった」
「ん〜……本当にそうかな?」
シュミレーター内部の京子が腕を組んで唸る。
「ガンプラファイトシュミレーターなんて凄い物開発できる時代になってるんだよ。ちょっと時代が進めば御大将がやろうとしていたことも実現してると思うんだけどなぁ〜」
「え、ちょっと進めば……皆がガンプラを壊し合うの。それは嫌だよ」
ガンプラファイター達が、発狂しながら互いのガンプラを破壊し尽くす将来を想像してあかりの顔は青くなっていく。
「違う違う。御大将のやり方じゃなくてさ……シュミレーターを実際のコックピットみたくしてさ、箇体に自分のガンプラを読み込んでゲーム内で戦わせるんだよ。そうすれば実際のガンプラが破壊されなくて安心でしょ」
「それは今流行りのVRかな?」
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