リンゴアメ
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1
]
葉月
🕐06/05 00:09
「また、会ったね」
また、彼はそう言ってふわりと柔らかく笑う。
私の顔はリンゴアメのように紅く染まる。
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2
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葉月
🕐06/05 00:10
「みんなー!
ねえ、どこー!」
周りは、人々の声と子供達の笑い声と屋台のいろんな料理の匂いが混ざった煙ばかり。
中学生にもなって、友達と来たお祭りで迷子とか、本当に落ち込む。
張り切って来てきた浴衣は歩きにくいし、
無理して履いてきた下駄に靴ズレしたしで、もう最悪。
ああ、疲れたなあ。
そう思って人混みから離れて近くの石に座り込む。
みんなどこなんだろう。
なんで私、うかれすぎちゃって迷子になっちゃったんだろう。
自分が情けなさすぎて、視界がぼやけてくる。
泣いちゃダメだ自分!
泣いちゃダメだ自分!
そう思っても涙はどんどん溢れてくる。
「大丈夫?」
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[
3
]
葉月
🕐06/05 00:10
見知らぬ男の子が私のことを心配そうに見つめている。
私と同じぐらいの歳の男の子だった。
「だ、大丈夫!まったくもって大丈夫!」
無理して笑顔を作って男の子の方を見る私。
見知らぬ男の子への不信感より、
人に泣き顔を見られたことへの恥ずかしさが自分の中で勝ってしまう。
人に泣き顔を見られたなんて、恥ずかしさで泣ける。
「嘘。本当に大丈夫な人は泣かないよ」
男の子が真剣な顔して私に一歩近づいてくる。
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[
4
]
葉月
🕐06/05 00:10
「ほら、涙拭いて?」
男の子がハンカチを差し出してくる。
「あ、ありがとうございます」
ああ、恥ずかしい。
誰かに迷子で助けられるなんて。
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[
5
]
葉月
🕐06/05 00:11
「ねえ、誰と来たの?」
「と、友達です」
「ふーん。俺とおんなじだ」
「え!あ、そうなんですね!」
「ははっ。もういいよ。話ずらいから敬語崩して」
彼はふわっと笑った。
「は、はい!」
「こら、また敬語じゃん」
コンッ。
彼が私のデコちゃんをピンッと弾く。
デコピンなんて、されたことなかったのに!
「イタッ、え、あ、ゴメンでしゅ」
「でしゅって、ハハハハハハハハッ!」
「噛んじゃったの!笑いすぎだし!」
彼はニカッと歯をだして笑った。
ドキッ。
なんか、きゅーと心臓を絞られてる感じがする。
なんだろうな?
彼は笑ってばっかりだ。
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