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…嗚呼、言葉が可哀想でならんよ。 持ち前の比喩にはかなりの腕が有るも、 大仰だの表面だの貶せば、負け犬の遠吠え。 誤った時点で既に言語は枯れていると思え。 それで表現を語るには程度が余りにも低く、 連ねても連ねてもただただ喧しい文字数。 綾の隠れ蓑で我を誇張したカリカチュア、 物書きにあるまじき姿勢、許容し難い数々。 まず武骨の粗に甘んじないこの綴字が、 美学の内外を支える何万字内の根底にある。 無論、“偏には”脱せない不文律は万国共通。 開き直ればブーイングすら跋扈する構図。 何時かの骨身の潤けた水死体も腐りて、 その骸に熾す気炎で鼓吹した理論体系。 碌にプロパガンダも噛み合えず楯突く、が 俺はこう“説”いた筈だ。“物差しは千差万別”。 憎悪の黒、皮肉の黒、渾沌の黒、追求の黒… 何れも有する不可侵の個性に付随する特長。 最適解のない己の色で埋めるパレットは、 脊髄反射の否定では抉れぬ“過程”と成る。 そしてイズムの相対する醍醐味で満たす。 お前はかの三者三様の戦で何を見ていた? そうあれ、とさもそれしかない様に囀って 大見得を切るが、未だピントにさえブレる。 観念の凝り固まった醜文は不愉快で酷い詩、 ふんぞり返る視野狭窄に風化する海底都市。 一時の徒桜も現へ絡まらずに死んだ枯れ野。 自前なのは分かったから早く岸に上がれよ。
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