VAVA「大いなる遺産を手に入れるのは、この俺だぁ!」
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灰色ねこ◇4aH6a11ZwA
2017/06/16/22:21
VAKAがロックマンDASHの時代で復活したようです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/08/22:42
ガキン
VAVA「何ッ!?」
と、ここで飛んでいったハンムルドールの両腕が、そのまま真っ直ぐ戻ってきて、元の場所に収まった。
ハンムルドールは今度は両腕を同時に振り上げる。そのまま二本同時に振り下ろして、俺を叩き潰すつもりなのだろう。
VAVA「チッ!」
とっさに後方へと跳び、攻撃を回避しようとするが、ハンムルドールが両腕を床に叩きつけた時に発生した爆風によって、俺は吹き飛ばされることになった。
VAVA「ぐお…っ!」
受け身を取り損ねた。が、この程度で終わる俺ではない。すぐに立ち上がる。
VAVA「クハハハ…」
これがリーバード。
遺跡を守るために作られた番人。
侵入者と戦うために造られた存在。
VAVA「そうだ…、それでいい…。もっと俺を楽しませろぉぉぉぉ!!」
俺は再びハンムルドールに突撃し、やつとの戦いを楽しんだ。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/08/22:43
…視点変更→『アイラ』
◇
私の名前はアイラ。カトルオックス島に住んでいる女の子。
自分で言うのもあれだけど、つい最近まで一人称に自分の名前を使っていたぐらい幼い。
そんな私には、ある目標があるの。それは、『一人前のディグアウター』になること。
実は私は、一年ぐらい前まで、ある病気で歩くことができなくなり、入院生活を送っていたの。
設備さえあれば簡単に治る病気だったらしいのだけれど、あの時市長のアメリアさんは、リーバードの謎の活性化や空賊騒ぎの対応を追われていて、病院にかまっている余裕は無かったんだって。
そんな時に、私の前に現れたのが、他の島からやってきたディグアウターの、ロックのお兄ちゃん。
私とお兄ちゃんは少し会話をしただけだったんだけど、後になってディグアウトで手に入れたお金を、病院に、私の治療のために寄付してくれたの。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/08/22:44
嬉しかった。お兄ちゃんの優しさで胸がいっぱいになった。
だから次にお兄ちゃんにあった時、私は両足で小走りしてみせ、精一杯の笑顔で「ありがとう!」って言った。
そしてお兄ちゃんが島から旅立っていったあの日、私はお兄ちゃんと約束したの。「いつか一緒にディグアウトしよう」って。
その約束を果たすために、まずはメインゲートでのディグアウトを認められるようなディグアウターを目指してるんだけど…。
アイラ「はぁ…」
市役所のソファに腰掛けて、私はため息をついた。
ディグアウターとしての腕前を認めてもらうには、市役所にディグアウトで手に入れたものを持っていって、それを評価してもらわないといけない。
でも、私はまだディグアウターとしては駆け出しで、装備も弱くて、リーバードもホロッコとかミルミジーとか弱いのしか倒せない。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/08/22:45
だから、ディグアウトで手に入るものも、安いお金として使えるディフレクターぐらい。つまり、私の評価はいつも低い。
アイラ(これじゃあ、メインゲートのディグアウトどころか、A級ディグアウト免許を手に入れるのもいつになるかわからないよぉ…)
手に持ったB級ディグアウト免許を見ながらしょんぼりしていたんだけど、急に市役所の中がざわざわと騒がしくなったから、私は顔をあげた。
アイラ「?」
すると、ある受付の前で一人の男の人(…だよね?)が、立っているのが目に入った。
紫色のアーマーにヘルメット、肩についたキャノン砲…。
アイラ(昨日、遺跡で会った、Tみたいな顔の人だ…)
確か名前は……ババ、だっけ?
どうしたんだろう? と思って身を乗り出してみると、私は信じられないものを見てしまった。
ババさんは、受付の人にリーバードの瞳を見せていたの。
それも、小型じゃなくて、大型リーバードの瞳を。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/09/22:13
…視点変更→『VAVA』
◇
市役所の職員「こ、これは…!?」
VAVA「ハンムルドールの目玉だ」
ディグアウトで手に入れたものを提示しろと言ってきたのはそちらだろうに、職員は驚愕の表情を浮かべていた。
市役所の職員「しょ、少々お待ちください…!」
そう言って、職員はその場から立ち去った。何だってんだ…。
VAVA「……」
手持ち無沙汰な俺は、ハンムルドールの目玉に視線を落とす。
撃破したハンムルドールは、その巨体に見合った爆炎と爆風を巻き起こして消えていった。残った残骸のうち、一番きれいに残っていたのがこれだったのだが。
VAVA(角とかアームパーツの残骸の方がよかったのか?)
そんなことを考えていると、さっきの職員が別の職員を連れてやってきた。
別の職員の話によると、リーバードの瞳は第一級国宝品に指定されるほどのお宝で、最初の職員は俺が美術館にあるものを盗んできたのではないか、と思ったらしい。ふざけるな。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/09/22:14
結局、職員たちの調べにより、俺が持ってきたハンムルドールの目玉は美術館に飾ってある物とは別物だと判明し、俺は大型リーバードを倒せるほどのディグアウターだと認められた。
残念ながらA級ディグアウト免許に更新とまではいかなかったが、そこまでの不満は感じなかった。
VAVA(認められた)
俺の強さが。
俺の力が。
俺自身が。
今はそれだけで十分だった。
市庁舎を出てすぐそばの噴水まで行き、ベンチに腰掛ける。背もたれに身を任せ、空を見た。
VAVA(いい天気だ…)
アイラ「あの!」
VAVA「ん?」
声のした方を見ると、見覚えのあるガキがいた。薄桃色のアーマー、アイラだ。
アイラ「私、アイラっていいます!」
VAVA「知っている」
VAVA「昨日の礼ならいらんいぞ。俺は言われたことをやったまでだ」
アイラ「そうじゃなくて、あの」
アイラ「――弟子にしてください!」
……………は?
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/09/22:15
VAVA「……」
アイラ「……」
大きく頭を下げたアイラ。フリーズする俺。
弟子? 俺の?
アイラ「お願いします! 早く一人前のディグアウターになりたいんです! 弟子にしてください!」
VAVA(そういうことか)
VAVA「なぜ俺なんだ。おまえには、ジャンク屋のおやじがいるだろう」
アイラ「だっておじさん、まず逃げることばっかり教えるんだもん…」
VAVA(おやじ…)
間違ってはいない。ディグアウトは遺跡の中にある資源を発掘する仕事だ。途中で死ぬなど、本末転倒だろう。
それに、こいつはまだガキだ。あのおやじとしては、こいつに怪我してほしくないだろうし、その親に迷惑をかけたくもないに違いない。
だが、ディグアウターをやる以上、リーバードとの戦いは、必然ではないにしろやらねばならんことだ。
俺に弟子入りを志願した、ということは、こいつが目をつけたのは俺の力だろう。なら…、
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/09/22:16
VAVA「強くなりたいのか」
アイラ「うん…じゃなくて、はい!」
VAVA「そうか」
真っ直ぐな瞳だ。迷いがない。純粋に一人前のディグアウターになりたいと願っていることが、よくわかる。
だから、
VAVA「なら一つ、質問に答えろ」
俺はショルダーキャノンの照準を、アイラの顔面にセットした。
◇
…視点変更→『アイラ』
◇
ババさんのキャノン砲が、私の方を向いている。何でだろう?
そう考えていると、ババさんは変なことを言ってきた。
VAVA「もしおまえが、どうしようもない危機に直面したとする」
VAVA「おまえは、『自分の力』と『危機を脱することができるかも知れないという可能性』、どちらを信じて危機に立ち向かう?」
アイラ「え?」
本当によくわからない質問だった。
VAVA「答えろ。俺はどちらかと言えば、気が短い方だ」
アイラ「え。うーん…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/16/22:13
どうしようもない危機。
私にとって、一番どうしようもなかったのは、やっぱり病気で歩けなかったあの頃だ。
そして私の足を治したのは、『いつか治るかもしれないという可能性』ではなく、ロックのお兄ちゃんが持つ『ディグアウターとしての力』。
アイラ「私は…、力を信じる」
VAVA「……」
VAVA「命拾いしたな」
アイラ「え?」
ボソッと呟くと、ババさんはすくっと立ち上がる。
VAVA「俺が師匠(せんせい)か。いいだろう、やってやろうじゃないか」
アイラ「! ありがとうございます、ババさん!」
VAVA「発音が違う、VAVAだ。下唇を軽く噛むような感じで言ってみろ」
アイラ「バ…、VAVA、さん?」
VAVA「よし。では、行くぞ」
アイラ「え…、待ってください!」
私は、どこかへ向かって歩き出したVAVAさんの後を追った。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/16/22:14
やってきたのは、島の北側にあるヤスの草原、そこにある地下遺跡の中だった。
一本道を進んで、広い部屋に出ると、VAVAさんはそこにいたリーバードをさっくりと全滅させ、私の方を向く。
VAVA「最初に言っておく。俺はロボットだ」
アイラ「え!?」
驚いた。それに構わず、VAVAさんは続ける。
VAVA「だから、俺が強いのは戦うために作られたからだ。俺は最初から強い」
VAVA「だが、おまえたち人間は違う。鍛えなければ強くはなれん」
VAVA「まずは…、バスターの攻撃力、アーマーの防御力、そしておまえ自身の力を見せてみろ」
アイラ「どうやって?」
VAVA「俺と戦ってだ」
……………え?
アイラ「え、えぇ〜!?」
VAVA「どうした? 何を驚く必要がある。おまえは強くなりたいのだろう?」
VAVA「だったら、俺と直接戦うのが一番だ」
アイラ(この人スパルタだ!)
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/16/22:15
VAVA「俺を倒すべき敵だと思って、全力でかかってこい!」
VAVAさんは私に突撃してきた。こっちの気持ちなんて全然考えてない。
アイラ「う、うわ…!」
私は必死で戦ったけど、すぐに負けてしまった。
VAVAさんは、私が戦ってきたリーバードよりもずっと強かった。
VAVAさんは、私のバスターが当たってもびくともしない。
私はアーマーで守られてるのに、VAVAさんの攻撃を受けるとすごく痛い。
何より、私はVAVAさんの動きに全然ついていけなかった。
VAVA「もう終わりか」
うつ伏せで倒れた私を見下ろして、VAVAさんは言う。
VAVA「バスターもアーマーも貧弱。おまけに動きはド素人…。弱すぎて話にならんな」
アイラ「…っ!」
そんなにはっきり言わなくても…!
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/16/22:16
アイラ「う、うぇ…っ!」
ああ、駄目だ。涙が出てくる。今泣いたら、もっとひどいことを言われてしまうに違いないのに。
VAVA「泣いているのか」
VAVAさんは私の両肩をつかんで起きあがらせ、私の顔を覗き込んだ。
VAVA「…それでいい」
アイラ「え…」
VAVA「怒れ、憎め、悲しめ、悔しい思いをしろ」
VAVA「そして、見返してやる、認めさせてやると、心の底から思え。そして――」
VAVA「おまえの中に『鬼』を宿せ。そうすれば確実に強くなれる」
アイラ「……」
VAVA「…今日はここまでだ。俺はヤスの草原にある空き家に住んでいる。いなければどこかの遺跡の中だ」
VAVA「会いたければ自力で探せ。それも修行の内ってやつだ」
そう言って、VAVAさんはその場から去ろうとする。
アイラ「あ、あの!」
VAVA「何だ」
アイラ「VAVAさんは、何に対してそんな考えを持ったんですか?」
VAVA「…おまえが知る必要は無い」
VAVAさんは今度こそ、私の前から去っていった。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/23/22:29
…視点変更→『VAVA』
◇
ヤスの草原にいくつかある小屋。そのうちの一つを俺は家として使っている。
VAVA(……)
そこに戻ってきた俺は、床に座り込むと、アイラのことを思い返した。
正直なところ、あいつがもう二度と俺の前に姿を現さなくなったとしても、俺は気にしない。あれで音をあげるのなら、所詮あいつはそれまでの小娘だった、それだけのことだ。
VAVA「小娘、か…」
そう言えば、ハンターの元同僚たちにも、何人か女性型レプリロイドがいたことを思い出す。どいつもこいつも似たような顔で、ろくに名前を覚えなかったが。
…いや、名前は忘れたが、一人だけ顔を覚えているやつがいた。イーグリードの恋人だ。俺はイーグリードのしたり顔が気に入らなかったから、何となくだが覚えている。
俺たちレプリロイドは人間に近い思考ができる。恋愛感情とやらを抱いても、おかしい話ではない。
もっとも、俺としては邪魔にしか思えんが。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/23/22:30
例え俺に好意的であろうと、俺が気にくわないのなら、俺の邪魔になるのなら、俺は容赦なくぶっ潰してきた。オクトパルドも、カメリーオも。
だから俺には仲間などいなかった。今も、昔も。
――だからエックスに負けた。
VAVA「…ッ!」
その結論に至った瞬間、俺は強制的に視界をブラックアウトし、電子頭脳をシャットダウンする。
すなわち、眠りについた。
◇
…視点変更→『???』
◇
時刻は夜中。かつては『草木も眠る、丑三つ時』と呼ばれた時間帯での出来事。
ヤスの草原でVAVAが使用している小屋の扉の前で、傍らに一体のリーバードを従えた一人の青年が佇んでいた。
「ふむ…」
ところどころ赤い線の入った白いアーマーを着込み、肩までかかる紫色の髪の毛と、額のほくろが特徴的な青年は、顎に手を当て何かを考えるような素振りを見せる。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/23/22:31
「クロ、どう思います?」
青年は傍らに浮く翼竜のような姿のリーバードに声をなげかけると、クロと呼ばれたリーバードは、その見た目からは想像もつかないかわいらしい声で返した。
クロ「どうって……何が?」
「彼は私たちが知る過去の遺物なのか、それとも――」
クロ「ディグアウターが設計図かなんか掘り起こして、新しく造ったんじゃないの?」
クロ「だって、あり得ないじゃない。君が今、こうしてそこに立っているのは、メインゲートに予備の端末を隠しておいて、かつ僕を君の外部記憶装置として改造していたからだけど」
クロ「あいつにはそんな都合のいいものはない。そもそも数千年前の、それも人間がまだたくさんいた時代のロボットが、いまだに稼働してるなんて」
クロ「本当にあり得ないことだよ」
「……」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/23/22:32
クロ「それに、あいつがもし記録に残っている“紫の鬼札”本人だったとしても、君には関係ないでしょ?」
「確かに関係はありません。しかし…」
クロ「しかし、何さ?」
「わくわくしませんか? クロ。面白いものが見られるかもしれませんよ」
口の両端を釣り上げ笑う青年を見て、クロはため息をついた。
クロ「面白い、って…。見つかって破壊されても知らないからね」
びゅう、とひときわ強い風が吹く。
それが収まった時、一人と一体は消えていた。
◇
…視点変更→『VAVA』
◇
翌日、俺は再びカードンの森にある地下遺跡の中に入った。
一刻も早くA級ディグアウト免許を取得し、より大金を稼げるようにならなきゃいけないからな。
VAVA「おらぁ!」
俺は今、シャルクルスという名前のリーバードと戦っていた。
シャルクルスは高い攻撃力と機動力を活かし、積極的に攻撃してくることから、初心者殺しとしてディグアウターたちの間で恐れられているという。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/30/22:51
当然、レプリロイドは恐怖を感じることもできる。俺だって拘束された状態でシグマに斬られそうになった時は正直ビビったし、任務先に大量にトゲがあったら足がすくむ。
トゲほど恐ろしいものは無い。あれの前ではどんなレプリロイドも鉄くずになってしまう。
だが、こいつには俺を恐怖させることも、鉄くずにすることもできないようだ。
VAVA「行くぜ!」
後退して距離を取ると、シャルクルスは一直線に突っ込んできた。
そこを狙って、頭部をキャノン砲で狙い撃ちにする。頭を失ったシャルクルスは、そのまま勢い余って横転した。
VAVA「ふん…」
いつもだったら跡形なく破壊しているところだが、今回は違う。
前回はハンムルドールの目玉、今回は頭の無いシャルクルスだ。これで、俺の力はますます認められるだろう。
VAVA「ククク…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/30/22:52
市役所の職員「こ、これが今回の査定品ですか!?」
VAVA「そうだ」
何で引いてるんだこの男は。他にどんな代物で実力をはかろうってんだ。
市役所の職員「しょ、少々お待ちを…!」
VAVA(またか)
ジャンク屋にだってホロッコの剥製が置いてあったじゃないか(なぜかザコポンとか呼ばれていたが)。どうして他の職員に掛け合う必要があるんだ?
「あなたが、VAVAさんですね?」
少しイライラしながら待っていると、一人の女が俺に話しかけてきた。あの髪型は……リーゼントか?
VAVA「そうだが」
アメリア「はじめまして。私はアメリア。カトルオックス島の市長です」
VAVA「市長だと?」
この女がこの島のトップか。
VAVA「その市長が、俺に何の用だ」
アメリア「ここでは話しづらいので、市長室までいらしてもらえないでしょうか?」
VAVA「…いいだろう」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/30/22:53
アメリアについていって市長室へとやってきた俺は、ソファに腰掛けてアメリアと向かい合った。
VAVA「それで、何の用なんだ?」
アメリア「単刀直入に聞きます。ハンムルドールにシャルクルス、あれは、あなた一人の力で倒したのですか?」
VAVA「当たり前だ。俺に仲間などいない」
アメリア「……」
アメリア「遺跡の番人リーバードは、危険な存在です。ましてやシャルクルスやハンムルドールは、ディグアウターを始めて一日二日の新人で倒せるような存在ではありません」
VAVA「俺は戦うために作られたロボットだ。そんな常識は通用しない」
アメリア「つまりあなたは、自らがシャルクルスやハンムルドールよりも危険な力を持った存在であると認めるわけですね?」
VAVA「……」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2017/07/30/22:54
『危険』。俺に対してよく使われる言葉だ。
確かに俺はハンター時代、イレギュラーを処理することを狩りのような感覚で楽しんでいた。余計な被害なんて一切省みず、障害はすべて破壊した。そんな俺を『危険』と判断することは、間違ってはいない。
だが、余計な被害を出していたのは何も俺だけじゃない。エックスだってそうだった。
あの甘ちゃんがうじうじ悩んだ結果、イレギュラーによる被害が拡大したことは何度もあった。そのたびにゼロやシグマといった他のレプリロイド(俺も含む)が、エックスの尻拭いをすることになった。
そのエックスが、レプリロイドの未来を変える可能性? ふざけるな! 真に賞賛されるべきは、確実にイレギュラーを処理している俺の方だろう!
アメリア「あの、どうかしましたか?」
VAVA「…何でもない」
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