ガンプラビルドガールズ
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プラネテューヌ親衛隊
2016/09/04/18:14
七森中在校生赤座あかりはいつも通りの日常を過ごしていた。
二年生に上がり三年生が受験勉強に勤しんでいる季節。
ひょんな事から幼馴染みの歳納京子が部室にガンダムのプラモデルーーーガンプラを持ってきてーーー。
この物語はガンプラファイトを通じて成長する少女の物語である。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/03/04:57
「うん、それそれ」
うまるが言いたいことを言ってくれたので、京子はニッと笑う。
「ぶい……あーる? とはなんだ?」
「知らないんですか、VRっていうのはーーー」
「……バイザー型の装置を付けることによって、装置内の映像をリアルに体感できるもののことを言う」
あかりが言うよりも早くあおいが説明をしてしまった。
「あ、あおいちゃん……それ、あかりの台詞」
「……ごめん。さっきから会話に入れてなかったら、つい……」
「ええ〜……」
ちょっと意外な理由にあかりは目が点になる。そのやり取りを見ていた京子とうまるは苦笑していた。
「VR……俺が復讐に囚われている間にそんなものができたのだな。それがあれば、壊すことなく破壊描写を再現できるな……はは」
ギムに笑いがこぼれた。ただし、それは喜びのものではなかった。
「滑稽だな。俺は……。世界に見せつけてやろうと完成させたDG粒子だったが、それより優れた物があるとはな……全てが無駄だったのだな」
「そんなことはありません。まだまだこれからですよ」
「なに……?」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/04/20:10
ダブルオーライザーは手を伸ばす。まるで救いの手を差し伸べるように。
「あなたがやって来たことは許されません。ちゃんと罪を償ってから、あなたが思い描いたガンプラファイトを作ってください。あかりは待っていますから」
「……はあ」
ターンXから溜め息が聞こえる。
「お前は……どこまでも甘ちゃんだな。甘過ぎて俺のやってることが馬鹿馬鹿しくなってきた」
「えっと……なんかごめんなさい……」
「あかり。謝んなくていいよー。せっかくいい話になってんのにしまらなくなるからー」
律儀に謝るあかりに京子は彼女らしいと苦笑いを浮かべる。
「で、師匠。馬鹿馬鹿しくなったってことはさぁ、もう抵抗しないってことでいいの?」
京子の質問にギムは「ああ」と返した。
「おとなしくする。もう何もしない……というか、これでは何も出来ないからな。罪を償い……もう一度やり直す」
「殊勝な心がけだね。その前に生徒会長達の洗脳解いてよ。結衣ちゃん達と今頃戦ってるから、早くやめさせて……」
「ああ、わかってる。あいつらにも悪いことをしたな」
うまるの言われた通り。ギムは離れた場所で戦っている綾乃達の洗脳を解除しようとした。
『マダ、オワラナイ……』
どこからか不気味な声が響いた。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/05/10:42
「えと、京子ちゃん。何か言った?」
「いや、わたしあんな声してないよ。うまるちゃんじゃない」
「私もあんな変な声じゃないっつーの」
「……私でもない」
先程発せられた声は四人のものではなかった。では、誰が……と頭に疑問を浮かべていると異変が起こった。
「ぐ、な、なんだ……」
ギムが驚いた様子の声をあげる。
「ど、どうしたんですか。御大将さん!」
「な、何かが俺の意識を……ぐおおおおおおおおッ!!!!!」
何かを伝え終える前にギムは悲鳴を響かせた。
瞬間。ターンXの頭部が赤黒い物質に包まれていく。
「な、なにこれっ!」
「ちょっとこっちもっ!」
驚くあかりはうまるの声を聞いてカメラアイを彼女が見ている方へ向けた。
モニターに映し出されたのは、頭部と同じく破壊されたターンXのパーツが謎の物質に取り込まれているところだった。
「く……」
何か嫌な予感を感じたあおいは物質にビームを撃ち込むが、物質は肥大化していき撃たれた箇所をすぐに修復させる。肥大化した塊は合計五つ。その一つ一つが意思を持って動き出した。
「なんかヤバイ。あかり。距離を離そう」
「う、うん!」
あかり達は物体から距離を取った。
物体はあかり達のガンプラを追いかけて来ず、引き合うように物質の距離が縮まっていく。
「……まさか、一つになろうとしてるの」
「ええ……ただでさえグロテスクなスライムみたいな姿なのに合体とかやめてほしいんだけど……」
「見て、形が変わってきてるよ!」
一つとなり巨大になった物質は徐々に形も変えていき、色も変色していく。
その変わりゆく様を見て四人は気づいた。物質は超巨大なガンプラに変貌していくのを……。
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2017/06/05/14:28
「ターンX。デビルガンダム。ネオジオング……うへぇ、ラスボス級の機体がごちゃ混ぜになってる」
あまりにも無理矢理繋げた見た目をしている。ネオジオングの胴体にターンXが搭載され、下半身はデビルガンダムのパーツが使われている。突然変異を起こしたギムのガンプラを呆然と見つめる京子。
変異したガンプラは四機を自分のカメラアイの中に収めた。
『この男の意識とガンプラは、私が支配した』
「その声は……」
先程の声と同じ。ただ先程の不気味なものより女性のような透き通る声になっていた。
あかりは、声の主に向けて叫ぶ。
「あなたは誰なんですか!」
『私はこの男が作りし物。DG粒子だ』
「え、DG粒子って……」
「ちょいちょいちょい! おかしくない。何で粒子がいきなり喋りだしてんの!!」
正体を聞かされてあかりは目を見開く。京子は相手の言葉を信じられなかった。うまるとあおいも疑いの眼差しを向けている。
『彼が研究を重ねていく内に少しずつだが、私にも人格というものが生まれたのだよ……彼は気づいていなかったがね』
「……本当にあなたがDG粒子なら、何故彼の意識を奪うような真似を……」
『私は復讐の為だけに生み出された……が、この男はお前達の言葉で心変わりをしようとした。そうなれば私は不要になる。そんな事をされては困る。今のガンプラファイトを壊すまで私は消える訳にはいかない』
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/05/16:20
「あー……これあれだ。自分の生み出した物が自分の手に終えなくなる奴。よく漫画とかでみるパターンだ」
京子は暴走したDG粒子の話を聞いて頬をぴくつかせる。
「御大将さんは罪を償おうとしてたのに……それを無理矢理戦わせるなんて、許せない」
「許せないならどうする? あれ、見るからにラスボスって感じで強そうだよ」
うまるの問い。答えはもうとっくに決まっている。
「どんなに強くても助けるよ。このまま操られたままなんて絶対に出来ない!」
「そう言うと思った。うまるも引き続き協力するよ。まだあのオッサンに一発食らわしてないからね」
「へへ、何かゲームの終盤みたくて燃えてきたねぇ〜」
「……相手がどんなものだろうと私は戦う」
誰一人逃げようとしなかった。四機とも武器を構える。
相手が戦闘体勢をとったのを確認して、DG粒子は苦笑の声を漏らした。
『私と戦うつもり? いいでしょう……思い知らせてあげましょう。お前達ではどう足掻いても勝てない事をーーー』
装甲が開いて至るところから砲身が伸びてくる。相手も戦闘体勢を取った。
最終決戦が今、始まる。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/06/19:25
◇
ギムがDG粒子に身体を乗っ取られる少し前ーーー。
「ぬおおおおおおおっ!」
真依のザクがマシンガンを乱射する。弾幕を張って敵が接近するのを防ぐ。
「結衣先輩っ! いつまでこうやってればいいっすか!」
「皆があの人を倒すまで耐えて、絶対破壊しゃ駄目だよ」
「くうぅ……ボクのヴァーチェじゃ戦いにくいなぁ……」
この戦いは相手を倒すことが目的じゃない。ギムを倒して仲間の洗脳を解くこと、その為には彼女達をここで引き止める必要がある。
だが、思うように攻撃が出来ず。苦戦を強いられていた。
「なんてもんを作ってんでしょうか、戦いにくいですよ……」
文句を言いながら敵の中央にファンネルを撃ち込み。連携を分断させるちなつ。デスサイズが切り込み。更に撹乱させる。
「もう少しの辛抱。あの四人ならきっと……」
「あ、先輩。見てください!」
ちなつは目を丸くした。
綾乃達のガンプラが糸が切れたように動かなくなり地面に落下していった。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/07/20:16
「動きが止まった……皆やってくれたのかな」
「でも、まだ周りが赤いままですよ」
景色に変化がないことに違和感を覚えるユウキ。
まだ何か起こるのではないかと、周囲を警戒する四人。すると真依が何かを発見して唇を震わす。
「って、なんすかあれ!」
「ど、どうしたのっ!?」
「あ、ああ……あれ……」
何かに怯えるように声を震わす真依。彼女のザクが右腕を上げて指差した方向を見ると、そこには巨大なガンプラが山の如く聳えていた。
「なんだあれ、あんな巨大なガンプラなんてあるのか……」
「あっちの方角ってあかりちゃん達が戦ってる方だ」
「だとしたら、あのでっかいのギムさんが使ってるものなんじゃないかな。あんなのと戦うなんて四人だけじゃ無理だよ」
「なら、助けに行こう」
「あの、ちょっと待ってくださいっス」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/08/19:06
真依が呼び止める。三人ともザクに視線を向けた。
「助けに行くのはいいっスけど。綾乃先輩達はどうするんスか?」
「綾乃達は……ここに置いていく。操られて自分のガンプラをボロボロにされたんだ。これ以上は巻き込めない」
あの巨大なガンプラとの戦闘に彼女達を連れていくのは危険だ。
これ以上ガンプラを破壊させないよう。ここで休ませてあげようと、結衣は判断した。
「……わかったっス」
真依は結衣の言葉の意味を理解する。デスサイズがザクの肩にポンっと手を置いた。
「じゃあ、皆。行こうか」
今度こそ四人はあかり達の元へ急いだ。
◇
「綾乃ちゃんっ! 起きて!」
「ん、うう……」
誰かに呼ばれたような気がして綾乃は意識を取り戻す。目の前にはあかねの顔があった。
「あ、れ……あかねさん?」
「よかった! 目を覚ましたのね!」
「うひゃあっ!」
感極まったあかねに抱きつかれて綾乃は、すっとんきょうな声を出した。
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2017/06/11/08:46
「え、あぁ……あの、一体何をっ!?」
「あ、ごめんね。訳がわからないわよね」
あかねは身体を離し、これまでに何があったのかを説明した。
「……そんな事があったんですね。ごめんなさい。迷惑をかけてしまって」
ギムが首謀者というのも驚きだったが、それよりも洗脳されて仲間に襲いかかったと知り罪悪感の方が大きかった。
あかねは首を横に振った。
「いいのよ。あなた達は利用されただけなんだから、気にする必要はないわ」
「あ、はい……ありがとうございます。あの、千歳達はどうなったんですか?」
「大丈夫、彼女達も無事よ。ほら」
あかねは顔を横に向ける。綾乃はシュミレーターから出て視線の先を見ると、シュミレーターに背を預けてすやすやと眠る三人の姿があった。
「良かった。皆無事みたいで……」
三人が無事だと分かり、綾乃は胸を撫で下ろした。
「きっとすぐに彼女達も目を覚ますと思うわ。今は安静にしてあげましょう」
「はい。そうですね。あの、私達が洗脳から解放されたのって、歳納京子達がギムさんに勝ったんでしょうか?」
「それはわからない。今あおばが彼がいるシュミレーターを見に行ってもらってるんだけど……」
「あかね! ちょっと来てっ!」
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2017/06/11/08:57
中央に位置するシュミレーターから慌てた様子のあおばの声が聞こえてきた。
「今のはあおばの……」
「何かあったんでしょうか?」
「行ってみましょう」
「はい」
二人は声のしたシュミレーターへ駆けた。その内部で彼女達が見た者は……。
「こ、これは……」
あかねは自分の目を疑った。
シュミレーターの周りを赤い発光が包んでいたからだ。その中ではギムがいたが様子がおかしい。
白目を向いて、開けたままの口からはよだれがダラダラと滴り落ちている。
「あおば……これ、何なの?」
「多分だけど、DG粒子が暴走してギムさんを操ってるんだと思う」
「そ、そんなことあり得るのっ!?」
「私も信じらんないけど、そうとしか考えらんないわよ」
審査員であるあおばでさえも、目の前で起こっている異常に戸惑いを見せていた。
「あの、どうにかして助けられないんでしょうか……」
「……それは無理よ」
綾乃の質問に答えるようにあおばは発光体に触れる。だが、その手は発光体に阻まれて内部に入る事ができない。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/11/13:25
「そんな……これじゃギムさんを助け出せない」
「何か方法があればいいと思うんだけど……」
手詰まりになり。あおばが顔をしかめた。
「……」
綾乃が元いたシュミレーターに駆け込む。何事かと思い、二人も後に続く。
「綾乃ちゃん。何をやってるの?」
「あかねさん。私はここでガンプラファイトをしていたんですよね」
「ええ、ここからでもAブロックのフィールドと通信して戦えるから……あなたまさか!」
あかねは気づいた。綾乃がやろうとしていることを……。
「はい、皆を助けに行きます」
「あなたは洗脳から解放されたばかりなのよ。無茶はさせられないわ」
あおばが制止の声をかけるが、綾乃はコントローラーからその手を放さなかった。
「お願いします。行かせてください……迷惑かけた分。皆を助けたいんです」
「……でも」
「それに私を止めても無駄ですよ。他にも私と同じような子がいますから……」
「え?」
あかね。あおばは背後に気配を感じて振り向く。そこには三人の頼もしき友人が立っていた。
◇
戦闘は苦戦を強いられていた。
全身の砲台から発射される砲撃に避けるので手一杯。身を隠そうにも砲火の影響で遮蔽物は全て破壊されて隠れる場所がどこにもない。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/11/18:52
「あぁ、もう……攻撃激しい。遠距離武器少ないバルバトス不利じゃん!」
相手の攻撃に苛立つうまる。このままではらちが明かないと唇を噛む。
「どうにかして接近戦に持ち込みたいけど……あの砲台邪魔だし、少しでも減らしてくれれば……」
「なら、わたし達に任せてっ! あおいちゃん!」
「……(コクリ)」
シルヴァ・バレトがインコム。リボーンズガンダムがファングを発射する。
砲撃の中を突き抜けて砲台を潰していく。途中で破壊されたがそれでも数は減らした。
「よし、今だよ!」
「ありがとう京子ちゃん。行こううまるちゃん!」
「OK!」
砲撃が手薄になった場所へあかりとうまるが突き進む。
『無駄だっ!』
砲身を二体に向けて連射する。砲撃が命中して爆発を引き起こした。
『先ずは二体……』
「まだだよ!」
『なにっ!?』
爆炎の中からGNフィールドを展開したダブルオーライザーが現れる。
被弾する瞬間に張り巡らせてバルバトスごと守ったのだ。
「はあああああああっ!」
速度を落とさずGNフィールドを展開したまま、キメラガンダムに突進するダブルオーライザー。
それはうまる戦であかりがトドメに使った技だった。
敵の装甲にぶつかると大きくひしゃげる。
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/15/19:21
キメラガンダムの姿勢が少し崩れた。ダブルオーライザーの背後からバルバトスが飛び出す。
「おりゃあっ!」
迫撃砲でキメラガンダムから生えているターンXを狙って穿つ。砲弾が直撃し大爆発が起きた。
「ダメージが通った!」
「……私達も続きましょう」
「うん!」
うまるがダメージを与えたのを皮切りに京子とあおいが同時攻撃をする。
一斉射撃でキメラガンダムの装甲に風穴を開けた。
「うまるちゃん掴まって!」
「あんがと!」
ダブルオーライザーがバルバトスの腕を掴んで退避する。離れる間にあかりはGNミサイルを撃ち込んでダメージを稼ぐ。
ダブルオーライザーは地上にいた二機の元へ着地した。
「あかり。見事に決まったね」
「あはは、決まるとは思ってなかったけど……」
「でも、相手に大ダメージを与えられたんだからいいじゃん」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/15/21:18
「……そうでもないみたいですよ」
あおいから不穏な発言。「へ?」と京子はキメラガンダムの方へ視線を向けた。
キメラガンダムの装甲は大きく損傷しているが、何事もないように起動している。
「わかってたけど、あんまりダメージ受けていないね……」
うまるの頬に汗が伝う。
『なるほど……これがお前達の実力か。この大会を最後まで勝ち抜いただけはある……だが、これで終わりだ!』
キメラガンダムの背面にある巨大なリングが発光する。光りは一瞬で収まりあかり達のガンプラに何の異常は見られない。
「あれ、何にも……ない……?」
「ただの目眩ましか……脅かしやがってぇ。こいつをくらえ!」
シルヴァ・バレトは砲撃を……発射しなかった。
「あ、あれ? 出ない?」
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プラネテューヌ親衛隊
2017/06/16/06:35
何度やっても砲身からビームが放たれない。エネルギーが切れたかと思ったが、残留はまだ残っている。
「何やってんの。やらないなら私が……」
うまるも迫撃砲を使おうとしたが砲弾が発射されなかった。
「ちょっと! 何ででないのさっ!」
うまるはモニターをバンバンと叩くが、何の反応もしなかった。
「もしかしてさっきので遠距離武器が使えなくなって……それなら接近戦でーーーー」
GNソードを選択して攻撃しようとしたが、選択出来なかった。
カーソルを合わせてボタンを押してもダブルオーライザーが反応しない。
「な、何でっ!?」
『無駄だ。今の貴様達に攻撃する手段は残されていない』
「それは、どういう……」
「……なるほど。サイコシャード」
あかりの疑問にあおいがぼそりと呟いた。目を見開いてあかりはリボーンズガンダムを見る。
「サイコシャードって、ネオジオングの装備だよね。ビーム兵器を使用不能にする」
「そう」
「ちょっと待って、サイコシャードならおかしいよ。迫撃砲とGNソードが使えなくなるなんておかしくない?」
『それは私がそういう仕様に変えたからだ』
「汚いっ! そんなんありっ!?」
あおいの推測に異を唱えたうまるにキメラガンダムが応える。
そのチート能力に京子は訴えたがキメラガンダムは聞く耳を持たなかった。
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2017/06/16/14:06
『今の光を浴びたお前達に反撃する術は残っていない……これで終わりだ』
キメラガンダムが言い終えるのと同時に地面を割って、蛇のような体躯をした巨大なガンダムが複数出現した。
「あれは……ガンダムヘッド!」
「デビルガンダムのパーツもあるんだから出てきてもおかしくないか……」
キメラガンダムの下半身を見て、溜め息を漏らしながら言った。
『お前達……やれ!』
『グオオオオオオッ!』
キメラガンダムの指示を受けてガンダムヘッドはダブルオーライザー達に襲い掛かる。
巨大な口が開き、鋭利な牙をぎらつかせながら迫ってくる。
あかり達は散り散りになって逃げる。
「ちっ……武器が使えればこんな奴ら……」
「あのリングをどうにかしたいけど、武器が使えないんじゃ破壊出来ないよ。どうしたら……」
「……幸い手足は動く。素手で壊すのも不可能ではないかもしれない」
「すんごい無茶な発言してるね……」
あおいの意外な提案に京子は苦笑いを浮かべた。
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2017/06/16/21:01
「そう出来るなら私がやるんだけど……さっきより攻撃が激しくなって近づけないよ」
キメラガンダムの砲撃に加えてガンダムヘッドの攻撃もあり。先程よりも接近が困難なものに……回避しながらうまるは得意距離に近づけないことに歯痒く思う。
「駄目だ……このままじゃ……」
あかりが何か突破出来る方法がないか考えていると……。
『グギャアアアアアっ!!!!!!』
『む……?』
どこからか撃たれたビームがガンダムヘッドの身体を貫き、爆散する。
それを合図に次々とガンダムヘッドが爆発していった。
「今の攻撃……まさか!?」
「お待たせ、あかりちゃん!」
「ちなつちゃん! それに皆も!」
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2017/06/17/03:41
上空には四機のガンプラがちなつ。結衣。真依。ユウキが戻ってきた。
『仲間が来たか、何人増えても無意味だ!』
すぐまた地面を割ってガンダムヘッドの大群が出現する。
「結衣ごめん。説明してる暇はないんだ。今わたしら武器が使えなくて、あいつのでっかいリングを破壊すれば使えるようになるかもしんないんだ。協力して!」
「わかった。ユウキちゃん」
「はい。相手がガンダムヘッドなら心置きなく使えるよ!」
GNバズーカを変形させ、プラフスキー粒子を収束させる。
目に見える程のGN粒子はやがて巨大な球体へと形成され撃ち出された。
「シューーーーート!!!!!!!」
ユウキの渾身の一撃はガンダムヘッドの群れを多く蹴散らした。中央に道が出来る。
「残りは私達が引き受ける。あかり達はあのリングを破壊して」
「ありがとう皆。行こう!」
「「おー!」」
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2017/06/18/06:30
結衣達にガンダムヘッドを任せ、突き進む。だが驚異は他にもある。
『ガンダムヘッドを押さえたところで無意味だ!』
キメラガンダムの巨大な腕が分離。こちらに向けて飛んでくる。あれはファンネルと同じで遠隔操作の出来る兵器。片腕に銃身が四つ。計八つの銃口が四機を狙う。
「そうはさせないわ!」
『何っ!?』
突如出現したノーベルガンダムがビームリボンを振るって片腕を弾く。
操られていた筈の綾乃が出てきて、四人は足を止めた。
「す、杉浦先輩っ!? 元に戻ったんですか……いや、それよりも動いていいんですか」
「皆に迷惑かけて、自分達だけ何もしない訳にはいかないでしょ。ここは私達に任せて」
空中に滞在しながら綾乃は言う。
「私達」その言葉に首を傾げたあかり。彼女が口を開こうとした瞬間。後から三機のガンプラが飛び出してきて腕に攻撃を開始する。
「こっちは破壊したで」
「こちらも撃破しました」
「へへん。ざまあみろ!」
ベアッガイ。タイタス。リゼル。どれも操られていた生徒会メンバーの機体だ。彼女達は連携を組んで両腕の破壊に成功した。
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2017/06/19/04:47
「皆も目が覚めたんだ」
「もう……休んでたら良かったのに、あまり無茶しちゃダメだよ」
「大丈夫! あたしは元気一杯だからねっ!」
交戦中の結衣とちなつに向けてVサインを送るタイタス。洗脳から解放されたばかりの櫻子が元気で安心でもあり。彼女の平常運転ぶりに皆苦笑を浮かべた。
「取り込み中にごめん。櫻子ちゃん、あいつのリングぶっ壊して、あれを破壊しないと私ら攻撃出来ないんだよ」
「ん、わかった!」
うまるの言っていたリングを確認し、櫻子はタイタスを発進させた。
『させるかっ!』
キメラガンダムはタイタスの進路上にガンダムヘッドを呼び出して妨害を図る。
「たあっ!」
ビームリボンでノーベルガンダムがガンダムヘッドを数体破壊する。
「てぇいっ!」
「はあああっ!」
ベアッガイ。リゼルがビームサーベルでガンダムヘッドを斬る。
進路上のガンダムヘッドがいなくなった。これで邪魔するものはいない。
「櫻子。今ですわっ!」
「うん、リミッター解除!」
タイタスのリミッターが解除され、身体の各部からビームが発振される。
「うおりゃあああああっ!!!!!!」
ブースターを全開にして飛翔する。勢いに乗せた突進はリングに衝突して亀裂を生じさせ、音を立てて崩れていく。
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