VAVA「大いなる遺産を手に入れるのは、この俺だぁ!」
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灰色ねこ◇4aH6a11ZwA
2017/06/16/22:21
VAKAがロックマンDASHの時代で復活したようです。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/08/26/22:34
VAVA「俺を含めて、多くのハンターがやつの『悩む』という機能を欠陥だと、甘さだと判断した。だからあいつのハンターランクはB級だった」
VAVA「ところが、ある事件が起きた。多くのイレギュラーが人間に反旗を翻したイレギュラー戦争が勃発したんだ」
VAVA「この戦いで、敵味方双方がエックスの持つ『悩む』という機能に可能性を見出だしていた」
VAVA「そして俺は、そのことがどうしても気に入らなかった…」
アイラ「どうして?」
VAVA「――嫉妬だよ」
ロール「え…」
VAVA「羨ましくてしかたなかったんだ。今までさんざん見下されていたエックスが、可能性とかいう不確かなものを持っているからという理由だけで、多くの人間、レプリロイドから注目されている…」
VAVA「俺の方が優れたレプリロイドだ! 俺はエックスのような悩んでばかりの甘ちゃんとは違う! だからやつを倒そうとした。そうすることで、世界に俺の存在を認めさせてやりたかったんだ!」
アイラ「VAVAさん!」
ロック「お、落ち着いて!」
VAVA「…!」
VAVA「しかし結局、最後の最後で油断して、返り討ちにあった。情けねえことだぜ…」
乱れた呼吸を整えてから、VAVAさんはそう締めくくった。
VAVAさんが僕を直視しない理由、可能性という言葉を嫌う理由。それがはっきりした瞬間だった。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/02/22:15
アイラ「コブンくんたちに驚いたり、マンダ島の遺跡で暴れたのはどうして?」
VAVA「それもエックスへの嫉妬が原因だ。コブンたちが涙を流しているのを見て、世界がエックスを肯定しているかのように感じてしまったんだ」
VAVA「エックスは、唯一『泣く』ことができるレプリロイドでもあったからな」
アイラ「そうだったんだ…」
VAVA「…俺への質問は以上か?」
アイラ「え? うん」
ロール「今のところは、だけど」
VAVA「そうか。じゃあ次は」
VAVA「おまえだ、ロック」
ロック「…!」
来た…!
ロール「ロック…」
ロック「…ロックマン・ジュノ。僕があいつに初めて出会ったのは、カトルオックス島の、メインゲートの奥深くだった」
ロック「封印から目覚めたあいつは、自分が眠っているあいだに増えた島の住人を皆殺しにしようとした。だから僕が倒して止めたんだ」
アイラ「私たちを皆殺し!? どうして!?」
ロック「わからない。ジュノは『上層構築物を汚すから困る』とか言ってたけど」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/02/22:16
ロール「でも、ロックが倒したのなら、ロックマン・ジュノはどうして今も存在しているの?」
ロック「自分の記憶をクロっていうリーバードに保存して、予備のボディに入れたって言ってたよ」
ロール「予備のボディって、ロックマン・ジュノもロボットなの?」
ロック「それもわからない。ただ…」
ロール「ただ?」
ロック「僕……あいつの同族かもしれないんだ」
アイラ「ええっ!?」
ロール「ロックが!? どうして!?」
ロック「あいつ、僕のことをこう呼んだんだ」
ロック「『ロックマン・トリッガー』って」
アイラ「お兄ちゃんがロックマン!?」
ロック「しかも僕の方が格上らしいんだ。僕が一等粛清官で、あいつが三等市政官。だからカトルオックス島の初期化を無期限に凍結することができた」
ロック「今まで黙っててごめん!」
僕はテーブルに額をぶつける勢いで頭を下げる。
VAVA「……」
アイラ「お兄ちゃん…」
そっ、と誰かが僕の手に触れる。
顔を上げて確認すると、それはロールちゃんだった。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/02/22:16
ロック「ロール、ちゃん…?」
ロール「ロック、教えてくれてありがとう」
ロール「それから、前にも言ったでしょ? 何があっても、私はロックの味方だからって」
ロック「ロールちゃん…!」
頬笑むロールちゃんの優しさに、僕は思わず涙が出そうになった。
VAVA「…おい」
ロックんロール「「う!?」」
アイラ「え、えーと、でもそうなると、本当に『ロックマン』って何なんだろう? アニメとは無関係だよね?」
VAVA「…俺のいた時代では、『ロックマン』とは人間を何度も悪から救った伝説のロボットということになっている」
アイラ「ええーっ!?」
ロック「伝説のロボット!?」
VAVA「だが、残念ながら俺が造られる100年ほど前の話だ。誰も確かめたことは無い」
ロック「そっかぁ」
VAVA「ただ、ロックマンは青いロボットだったとも伝わっている」
ロック「ええ!?」
アイラ「ジュノさんは白いよ?」
VAVA「腹は黒いがな」
VAVA「とにかく、ジュノやおまえが持つ『ロックマン』の名と、伝説の『ロックマン』にどういう関係があるかは謎だ」
ロール「そもそも無関係かもしれないしね」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/09/22:06
ロック「とにかく、僕の話は以上だよ」
アイラ「じゃあ、次は私の番だね!」
『えっ?』
VAVA「おまえ、何か言うことがあるのか?」
アイラ「うん」
そして次の瞬間、アイラちゃんはとんでもないことを言い出した。
アイラ「私ね、VAVAさんと一緒に島を出ようか悩んでた時に、一度ジュノさんに会ってるの」
ロックんロール「「ええ!?」」
VAVA「何ッ!?」
アイラ「それでね、ジュノさんはVAVAさんのこと『資料の上でしか知らない』って言ってた」
VAVA「俺に関する資料が、この時代に残っているのか?」
アイラ「そうなんじゃないの?」
ロール「本当に何者なのかな、あのジュノっていう人?は」
ロック「さあ…」
アイラ「それから、VAVAさんのこと『孤独癖のある寂しがり屋』だって」
VAVA「誰が寂しがり屋だ! 適当なこと言いやがって!」
ロール「え? でも、エックスさんを倒して世界に自分を認めてもらうって、要するにみんなに構ってもらいたかったからじゃ(ry」
ロック「ろ、ロールちゃん!」
VAVA「……………」
VAVAさんは立ち上がって後ろを向き、
VAVA「あの野郎、次に会ったら絶対殺す…!」
と漏らした。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/16/22:26
VAVAさんの機嫌はしばらく治らないと思われたが、そんなことは無かった。
サウル・カダ島の遺跡の中に、とんでもない大物がいたのだ。記録がほとんど無く、半ば幻と呼ばれる超大型リーバード。
その名は、ウォージーガイロン。
手の平だけでも僕たちよりはるかに大きいという、規格外の大きさの敵に、VAVAさんは嬉々として戦いを挑んだ。
しかし、決着はつかなかった。どれだけダメージを与えても、ウォージーガイロンはその部屋を流れる溶岩を飲み込むことでダメージを回復してしまうのだ。
ウォージーガイロンを倒すには、溶岩を止めるしかない。その方法を探すためにも、ここは後回しにして他を探索した方がいい。
そう判断した僕たちは、更に遺跡の奥へ進むことにした。
VAVA「ああ……早くあのデカブツをぶっ潰してえ」
アイラ「VAVAさん、ウズウズしてる」
ロック「人間だったら食事の時に好きなもの一番最初に食べるタイプだと思う」
バクン
アイラ「うわー!?」
ロック「アイラちゃん!?」
道中、アイラちゃんがシューバフンに食べられるというアクシデントもあった。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/16/22:27
その後、しばらくして、ロールちゃんから通信が入る。
ロール『みんな、そこの扉の向こうから、ボーンメカの反応が出てるよ。気を付けてね』
VAVA「トロン・ボーンかボン・ボーンのどちらか。もしくは両方か」
アイラ「もう封印の鍵を手に入れちゃったかな?」
ロール『ううん。封印の鍵の反応は無いから、まだ手に入れてないみたい』
VAVA「どちらにしろ、潰すことにはかわりない。行くぞ」
僕たちはVAVAさんを先頭にして、扉の先に進んだ。
扉の先は、少しの一本道があって、更に先に大きめの部屋があった。
部屋の中央には十字に溶岩が流れており、どうやら中央から溶岩から吹き出しているようだった。その真上に大きな岩が氷柱のようにぶら下がっている。
そして、トロンちゃんとボンくんは、その岩の前に並んでいた。
トロンちゃんは足の無いメカに乗り、ボンくんは普段と違う姿で、ドリルの頭部に小さい手、そしてトロンちゃんのメカと同様に足が無い。
トロン『間違いない。ウォージーガイロンがいる部屋に流れる溶岩は、この噴出口から出ている。ここさえ塞げば、あのデカブツは倒せるようになるわ』
ロック「!」
トロン『お兄様からの通信が途絶えた以上、もうロックたちはこの遺跡の中のはず。早くしないと…』
ボン「バブー」
トロン『え? 確かに、あの子と会うのが気まずいっていうのもあるけど、それだけじゃなくて(ry』
VAVA「おい」
ボーン姉弟『「!?」』
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/23/23:59
トロン『あ、あんた…! それと、ろ、ロック…』
ロボットの頭部、人間で言う耳の部分から湯気が出た。冷却装置だろうか?
VAVA「さっきの話は本当か? 本当にこの噴出口を潰せばウォージーガイロンがいる部屋に流れる溶岩の供給を絶つことができるんだな?」
トロン『そ、そうよ。でも、あんたみたいな戦うことしかできないロボットじゃ、そんなことは無理でしょうけどね』
嫌味ったらしく言うトロンちゃん。マンダ島でこてんぱんにやられたこと、根に持ってるんだろうなぁ…。
アイラ「VAVAさんの悪口言うな、空賊!」
VAVA「落ち着け、アイラ」
VAVA「ようはそこの岩を崩落させればいいんだろ? 簡単じゃないか」
トロン『ふっふーんだ。あんたみたいな高出力バカに、そんな器用な真似できるわけ(ry』
ドォン! ズズゥゥゥン!!
VAVAさんのショルダーキャノンから放たれたミサイルが、岩に直撃。落下した岩は見事に溶岩を塞ぐ栓になった。
トロン『……………へ?』
ボン「バブ?」
VAVA「勘違いするな。俺は手加減が苦手なんじゃない」
VAVA「しないだけだ」
ロック(本当にもう滅茶苦茶なんだからこのロボットは)
彼のようなロボット、レプリロイドが世界中にいたという時代は、とても恐ろしい時代だったに違いない。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/09/30/22:04
VAVA「…さて、後は邪魔者を始末するだけだな」
トロン『ま、待ちなさい! ウォージーガイロンと戦うんでしょ!? だったら私たちに使うエネルギーがもったいないと思わない!?』
VAVAさんの機械的かつ合理的な思考を踏まえた、最善の台詞を言うトロンちゃん。
VAVA「いらん心配だ。俺は戦闘で消費するエネルギーや弾薬が、自動的に回復・補充されるようにできている」
トロン『何ですってー!?』
しかし、VAVAさんの仕様を知らなかったことが運の尽き。
VAVA「というわけで、消えろ」
トロン『キャー!!』
ボン「バブー!!」
ボガーン
アイラ「VAVAさん、吹き飛ばしたら逮捕できないよ!」
VAVA「封印の鍵の入手が先決だ。行くぞ」
ロック「……」
ロック「どんどん扱いが悪くなっていくなぁ…」
なに食わぬ顔で歩いていくVAVAさんと、それを追うアイラちゃんを見送った後、僕はポツリと呟いた。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/07/22:17
…視点変更→『VAVA』
◇
さて、これでようやくウォージーガイロンと戦える。
溶岩というエネルギー源を失ったやつは、四つん這いになり、ただでさえ緩慢な動きが更に鈍くなっていた。
できれば全力全開のウォージーガイロンと戦いたかったが……倒せないのではそんな贅沢は言ってられないな。
VAVA「やつは俺の獲物だ。おまえら、手を出すなよ」
ロック「うん」
アイラ「行ってらっしゃい」
物分かりがよくて助かる。ハンター時代じゃ考えられないことだ。
さあ……始めようかぁ!
ボオオオオ!
直進してくる俺に対して、ウォージーガイロンは口から吐く炎で出迎えた。俺はそれをジャンプで避ける。
続けて、ウォージーガイロンの張り手が俺目掛けて飛んできたが、俺はそれを脚部兵装を使って滞空することでかわす。
VAVA「はああああ!」
ウォージーガイロンの真正面に着地した俺は、ありったけの兵装でやつの弱点である口を総攻撃した。
それに対し、ウォージーガイロンは大きくのけ反り、勢いをつけて額と長い頭頂部を床に叩きつけてくる。俺は一度攻撃をやめ、衝撃波をジャンプで回避し、落石を警戒して距離を取った。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/14/22:12
そんな激しい攻防を続けているうちに、突然ウォージーガイロンが立ちあがり、雄叫びをあげた。
VAVA「何だ!?」
キュウウウウン…
ウォージーガイロンの瞳から光が消える。すると、その巨体は膝から崩れ落ち、床に横たわった。ポロッ、と口から鍵が飛び出す。
ロック「終わったみたいだね」
VAVA「ああ。なかなか楽しかった」
アイラ「でもこれ、どこの鍵かな?」
ロック「確か、上の階にまだ行ってない部屋があったはず。そこじゃないかな?」
VAVA「よし、行くぞ」
ロックの読みは正解で、鍵は上の階にある、一番奥の扉のものだった。
扉の先は、ウォージーガイロンがいた部屋と同じくらい広く、しかしより多くの溶岩が流れ込んでいる。
アイラ「足元に注意しないと…」
VAVA「待て」
アイラ「え?」
俺はアイラの肩をつかんで制止させる。
バシュウッ!
ロール『気をつけて、ミサイルよ!』
ロック「わかった! えい!」
ロックがバスターでミサイルを迎撃する。ミサイルは俺たちに届く前に、空中で爆発した。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/14/22:13
アイラ「今のミサイル、どこから来たの?」
ロック「壁のトラップかな?」
ロール『ううん。センサーの影を見る限り、リーバードみたい』
VAVA「よく見ろ。溶岩の赤と熱気で見えにくいが、部屋の両側の隅にジャンフォーデンが一体づつ配置されている」
ロック「あ! 本当だ!」
アイラ「いやらしい配置!」
VAVA「全くだ」
ジャンフォーデンは固定砲台のようなリーバードだ。基本的には動かず、頭を回転させて標的を狙う。近距離戦では爆弾を、遠距離戦では追尾性能を持つミサイルを口から吐く。
それだけなら特に問題は無いのだが、こいつは異常に頑丈という特徴を持っている。
この部屋の場合、その黄色いボディが保護色になり見えづらく、1体目の不意討ちをくらう。
もし1体目に気づいたとしても、それに気を取られた隙に2体目と攻撃が飛んでくる――という二段構えの罠が仕掛けられていた、というわけだ。
広い部屋、限られた足場、見えづらい敵……ジュウイン湖の透明シャルクルスを彷彿とさせる。結果的に、あの時の経験が活きたということだが。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/14/22:14
種さえわかってしまえばこっちのもんだ。ジャンフォーデンを破壊して先に進む。
アイラ「あった! 封印の鍵!」
次の部屋にて封印の鍵を見つけた。が、高台の上にあり、しかも俺たちの足場との間には溶岩が流れている。
VAVA「これでは、真正面からは取りに行けんな」
ロック「向こうに扉があるから、そっちから回り込もうよ」
VAVA「そうするか…」
俺がロックの提案に応じた、その時だった。
ボン「バーブー♪」
ロック「え?」
アイラ「あれ?」
VAVA「何?」
ボン・ボーンが俺たちの横を通り、溶岩の上を渡り、封印の鍵まで進んでいった。
VAVA「あの野郎!」
ロック「待ってVAVAさん! 封印の鍵まで吹き飛ばしちゃう!」
直ぐ様ボンをショルダー・キャノンで攻撃しようとした俺を、ロックが止めた。確かに、今ボンは俺たちから見て封印の鍵の反対側におり、ほとんどその姿が重なってしまっている。これでは流石の俺でもボンだけを射つのは不可能だ。
ロック「急がば回れ、だよ!」
VAVA「…そのようだな!」
VAVA「おいアイラ、テストその3だ! おまえはここに待機して、あいつが封印の鍵を手に入れたら鍵を奪い取れ!」
アイラ「わかった!」
それだけ告げると、俺とロックは横の道へと向かう。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/21/22:15
トロン『ちょっと待ったぁーっ!』
狭い一本道を抜けた先の部屋に、トロンと2体のコブンが待ち構えていた。相変わらずさっきのメカに乗っている。
ロック「そんな! 一本道だったのに、どうやって!?」
トロン『それは……えーっと』
トロン『どうして? 10号?』
10号「絵に描いてみたけど、さっぱりわかりませ〜ん」
よし、潰そう。
ズドーン!
ロック「あ〜あ」
VAVA「…待て、落胆するのはまだ早いみたいだぞ」
ロック「え?」
煙が晴れると、盾を構えたボーンメカが無傷で浮いていた。
ロック「あ…!」
トロン『ふっふーん。いつまでも簡単にぶっ飛ばされると思ったら大間違いよ! あんたの武器の威力は、今までの空賊連合との交戦で測定済みなんだから!』
VAVA「……」
トロン『って、ちょっと! 狼狽えるとかなんかしなさいよ!』
VAVA「生憎だが、似たような経験は山ほどしている」
アルマージをはじめ、盾を構える敵は、必ずと言っていいほど俺の攻撃を完全に無効化する。本当にどんな材質でできているのやら。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/10/28/22:35
ロール『ロック、VAVAさん、私がサポートす……』
プツン
ロック「ロールちゃん!」
10号「ただの妨害電波だから大丈夫でーす!」
トロン『説明しなくていいの!』
トロン『とにかく! 今回は今までみたいにはいかないんだからね! 覚悟しなさい!』
VAVA「……」
VAVA「おい、ロック」
ロック「な、なに?」
VAVA「かなり痛いが、我慢しろ」
ロック「え!?」
バチバチィッ!
ロック「うわあああああ!!」
トロン『きゃあっ!?』
コブン×2「「ひぃ〜っ!」」
トロン『いたた……全体攻撃まで持ってたのね! でも、そんなんじゃこのホバーグスタフは壊せないわよ!』
10号「トロン様! 盾が壊されました!」
トロン『ええっ!?』
VAVA「…どこまでバカなんだ。経験済みなら対策も用意済みだとなぜわからん」
トロン『え、えーと…』
VAVA「ロック、バカの相手は任せた。俺は鍵を手に入れる」
ロック「わ、わかったよ…」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/11/04/22:37
視点変更→『アイラ』
◇
ボン「バーブー♪」
アイラ「ああっ!」
とうとう封印の鍵がボンに取られちゃった。ロックのお兄ちゃんもVAVAさんも来る気配がない。
アイラ(私がやるしかない!)
私はボンに銃口を向けた。だけど…。
アイラ(あ、あれ?)
撃てない…?
ボン「バブバブ」
アイラ「何で!?」
バスターが故障したわけじゃない。体が引き金を引くことをためらっていた。このままじゃ封印の鍵を持っていかれちゃうのに。
アイラ(まさか――)
相手が赤ん坊だから?
そんな、相手は空賊。しかも私の島を襲ったやつの仲間。罪悪感を覚える必要なんてない、のに…!
アイラ(ダメだ!)
撃たなくちゃ。
ロックのお兄ちゃんだって、市庁舎エリアからこいつを追い払うために引き金を引いた。
VAVAさんだったら例え相手が何であれ、敵であるなら叩き潰す。
そうだ、VAVAさんが言ってた。今こそ、
アイラ「『鬼』になるんだぁぁぁあああああ!!!」
ボン「バブ!?」
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/11/04/22:38
ボン「バ〜ブ〜!」
アイラ「はぁはぁ…」
気がついたら、ボンが溶岩に沈んでいくのが見えた。私の手には封印の鍵がある。
アイラ「…ふぅ」
私は息を整えて、振り返る。
VAVA「……」
そこに、VAVAさんが立っていた。
アイラ「私、勝ったよ…!」
VAVA「……」
VAVA「よくやった。合格だ」
VAVAさんは私の頭に手を置いてそう言った。
アイラ(嬉しい…!)
ちなみにその後、なかなかやってこないロックのお兄ちゃんを探したんだけど、お兄ちゃんは何故かトロンと戦ったという部屋で、顔を真っ赤にして棒立ちになっていた。何があったんだろう?
◆
遺跡から出ると、VAVAさんはモッサさんの所へ向かった。
VAVA「おい、おっさん」
モッサ「あ、あんた!」
VAVA「5000ゼニーだ。好きに使え」
モッサ「ええ!?」
VAVA「じゃあな」
お金で強引に解決した…。
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/11/11/22:16
…視点変更→『暗躍する者たち』
◇
ユーナ「……」
ユーナの背後に、ガガとジュノが並び立っている。
ガガ「鍵、残り一つとなりました」
ジュノ「空賊連合の軍資金も、そろそろ限界のようです」
ユーナ「そう…」
ジュノ「ユーナ様、今からでも計画の変更は可能ですが、いかがなさいます?」
ユーナは振り返ってこう言った。
ユーナ「な〜に言ってんの。計画なんて御大層な言葉、私の行動には不似合いだわ。私はただ、マスターの真意を知りたいだけなんだもの」
ユーナ「今まで通り、適当に邪魔してやりなさい。最後の一人は、あの子たちと戦うことを楽しみにしてるんでしょ?」
ジュノ「了解しました、ユーナ様」
ジュノは軽く会釈すると、その場を去る。
すると、今度はガガがユーナにこう訪ねた。
ガガ「しかしユーナ様、あのレプリロイドたちに『行動の成否に関わらず、協力すればいずれ自由にする』という約束などしてよかったのですか?」
ガガ「はっきり言って、彼らはイレギュラー同然の者たちですよ? イナラビッタとフォクスターはバイルに魔改造された被害者でもありますが…」
ユーナ「ガーちゃん」
ガガ「はい」
ユーナ「あなたは、この世界自体が既にイレギュラーだと思ったことはない?」
ガガ「はぁ?」
ユーナ「私は、あるわ」
そう言って、ユーナはまた向こうを向いてしまう。
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2018/11/11/22:17
…視点変更→『VAVA』
◇
あいつらとの旅が始まった場所、ヨーションカの街。最後の封印の鍵はここにあるという。
入り口は教会にあるのだが、神父は空賊がいなくなるまで開けるつもりはないらしい。既に空賊の攻撃を受けた後だから、当然の反応だろう。
今、ロックとアイラは、空賊と戦う準備をして倒れたジョーという男と話している。俺はいつものように別行動を取らせてもらい、ロールと一緒にジョーが造ったという列車の前に立っていた。
VAVA(車上での戦いか)
メカニロイドが運転手になっている列車がイレギュラー化した場合の事件で経験済みだ。なんとかなる。
ロール「…前に来た時は気づかなかったけど…」
VAVA「何だ?」
ロール「VAVAさんって、酸素を必要としないのに、呼吸はするんだね。白い息が出てる」
ロールは笑ってそう言う。何が面白いのか、俺にはさっぱりわからない。
VAVA「そんなことか。俺たちレプリロイドにとって、呼吸は熱を逃がす機能でもあるんだ」
VAVA「稼動している以上、熱は発生する。…この時代ではどうかはわからんが」
ロール「私はフラッター号の整備やロックの装備がメインだから、ロボットはよくわからないな」
VAVA「そうか」
それで会話は終わりかと思ったが、ロールは更にこう続けてきた。
[SHV41)]
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灰色ねこ◆4aH6a11ZwA
2018/11/11/22:17
ロール「ねえ、レプリロイドってどうして造られたの?」
VAVA「なぜそんなことを聞く」
ロール「前にね、リーバードってなんなのかな? どうして造られたんだろうってふと考えたことがあるの。それと同じ」
VAVA「……」
わけがわからん……だが、答えない理由もないな。
VAVA「様々な産業に自身の技術を提供し、人と機械の距離を縮めた男がいた。その名はドクター・ケイン」
VAVA「事実上、科学者の頂点と言ってもいい地位にいた博士は、ある日、『自ら思考するロボットの開発を行いたい』と言い出したんだ。それ以上詳しいことは知らん」
ロール「そう……教えてくれてありがとう」
頬笑むロール。
『ありがとう』。相変わらず、言うのも言われるのも慣れない言葉だ…。
ロック「おーい! ロールちゃん、VAVAさーん!」
アイラ「ジョーさんから列車の鍵借りてきたよー!」
タイミング良く、ロックとアイラがやって来た。
おそらく、戦いにはジュノが復活させたレプリロイドも参加してくるだろう。
コカペトリ、イナラビッタ、フォクスター、敵はどんどん強くなっている。
さて、次はどんな戦いが楽しめるかな?
[SHV41)]
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